「タイの階級」の版間の差分

伝統的に王妃に対する称号の授与は結婚までに有していた称号で決まるが、きわめてルーズである。基本的には内親王女（すなわち[[#チャオファー|チャオファー]]、[[#プラオンチャオ|プラオンチャオ]]、[[#モームチャオ|モームチャオイン]]）でない者のみが[[#チャオチョーム|チャオチョーム]]以下の階級を授与されることが多かったとされる。ここでは1924年にラーマ6世によって確立された[[王室典範 (タイ)|王室典範]]を元に称号を記述する。

===側室（内親王女）===

以下は内親王女（すなわち[[#チャオファー|チャオファー]]、[[#プラオンチャオ|プラオンチャオ]]、[[#モームチャオ|モームチャオイン]]）出身の側室に与えられる称号である。正室と併せてこれらの階級に居る王妃をプラパンヤーチャオ ({{lang|th|พระภรรยาเจ้า}}) と呼ぶ。なお、以下の階級はラーマ8世以降、側室を抱える習慣がなくなったため、事実上の廃止状態にある。

上記の階級よりも一つ下の階級にある内親王女出身の側室に与えられる称号。

上記の階級よりも一つ下の階級にある内親王女出身の側室に与えられる称号。

上記の階級よりも一つ下の階級にある内親王女出身の側室に与えられる称号。この称号は特殊で出身称号も同時に保持する形となる。すなわち[[#プラオンチャオ|プラオンチャオ]]階級の内親王女で[[ラーマ5世]]の側室であった、[[サオワパークナーリーラート]]は'''プラアクラチャーヤートゥー''' ''プラオンチャオ'' サオワパークナーリーラートと名乗っていた。

上記の階級よりも一つ下の階級にある内親王女出身の側室に与えられる称号。ラーマ5世が外部の王室から側室を迎えるためにもうけた階級であるが、これを冠した王妃は史上一人で、[[ラーンナー王朝|ラーンナー王室]]の[[ダーラーラッラミー]]内親王女のみである。

たとえばラーマ9世の娘、[[ウボンラット]]の場合、外国人（平民）と結婚したので、王族籍を剥奪された。ただし、ウィーラユット・ティッサヤーシリン（軍人）と結婚した[[チュラーポーン]]内親王女はウィーラユットなどが軍人でもあったため、特例として階級を引き続き保持することを認められた。

===親王子/内親王女===

'''プラオンチャオ ({{lang|th|พระองค์เจ้า}})''' 上記の階級よりも一つ下の階級にある内親王女出身の側室に与えられる称号。以下に相当する王族に授与される。

#チャオファー（男）と内親王女（つまり[[#チャオファー|チャオファー]]、プラオンチャオ、[[#モムチャオ|モムチャオイン]]）の子供

'''モム ({{lang|th|หม่อม}}) '''はモームチャオの下、モームラーチャウォンの上にあると一般的に考えられている階級に対する称号である。モームラーチャウォン階級の人物が大きな功績をなした際や、親王子/内親王女などで大罪を犯し、階級を剥奪された際に与えられるもの。

'''クン ({{lang|th|คุณ}})''' は平民と結婚した内親王女の子供に用いられる。なお、バンダーサックに用いられる''クン'' ({{lang|th|ขุน}}) とは綴りが違う。近年では平民に対する敬称として用いられている。

==親王子の妻==

親王子の妻も称号を持っている。以下はその一覧である。

'''Phra Chaya ({{lang|th|พระชายา}})''' は[[#親王子/内親王女|内親王女]]で[[#チャオファー|チャオファー]]ないし[[#プラオンチャオ|プラオンチャオ]]の称号を持つ親王子と結婚した者に与えられる称号である。親王子の妻として呼ぶ場合「プラチャヤーナイ（夫の名前）」で呼ぶ。

'''チャーヤー ({{lang|th|ชายา}})''' は[[#親王子/内親王女|内親王女]]で[[#モムチャオ|モムチャオ]]の称号を持つ親王子と結婚した者に与えられる称号である。親王子の妻として呼ぶ場合、「チャーヤーナイ（夫の名前）」で呼ぶ。

'''モム ({{lang|th|หม่อม}}) '''モムは平民で親王子と結婚した者に与えられる称号である。名字の後ろにナ・アユッタヤーをつけて、モム＝（個人名）・マヒドン・ナ・アユッタヤーという風に呼ぶ。親王子の妻として呼ぶ場合、「モムナイ（夫の名）」で呼ぶ。