「レオポルト (アンハルト＝ケーテン侯)」の版間の差分

'''レーオポルト・フォン・アンハルト＝ケーテン'''（'''Leopold von Anhalt-Köthen''', [[1694年]][[11月29日]] [[ケーテン]] - [[1728年]][[11月19日]] 同地）は、[[アスカーニエン家]]の人物でアンハルト＝ケーテン侯。は[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ]]の後援者でおよび生涯の友人として歴史に名を残した。

レーオポルトはアンハルト＝ケーテン侯エマニュヌエル・レープレヒト（Emanuel（[[:en:Emmanuel Lebrecht）Lebrecht, Prince of Anhalt-Köthen|Emanuel Lebrecht]], 1671年 - 1704年）とその[[貴賎結婚]]をした妻ギーゼラ・アグネス・フォン・ラート（Gisela Agnes von Rath）の間の次男である。ギーゼラは1694年からニーエンブルク帝国伯爵夫人（Reichsgräfin von Nienburg）の称号を有した。レーオポルトの5人いる兄弟の中で彼より長生きをしたのは、兄弟かつで後継者となったアウグスト・ルートヴィヒ（August（[[:en:Augustus Ludwig）Louis, Prince of Anhalt-Köthen|August Ludwig]], 1697年 - 1755年）と妹クリスティアーネ・シャルロッテ（Christiane Charlotte）Charlotte, 1702年 - 1745年）のみである。

レーオポルトの父は1704年に早くも亡くなり世し、レーオポルトの母は摂政としてようやく10歳になった少年レーオポルトの教育に対し、レーオポルトの母は摂政として決定的影響力を持つようになった。父によるの遺言ではこの厳格な[[ルーテル教会|ルター派]]である侯爵夫人を後見人としていたが、同時に[[プロイセン王国|プロイセン王]][[フリードリヒ1世 (プロイセン王)|フリードリヒ1世]]をも上位後見人（Obervormund（Obervormund）としていた。それは争いごとを避けるためであった。上位後見人一同（Obervormundschaft）は、レーオポルトに[[改革派教会|改革派]]の教育を受けさせることを望んだが、レーオポルトはそれまで母親からルター派の教育を受けていた。したがって、上位後見人一同は将来の侯爵であるレーオポルトを、フリードリヒ1世が新たに創立した[[ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル]]にある騎士アカデミー（Ritterakademi）に入れることにし、レーオポルトはそこで1708年から1710年まで過ごした。1708年11月にはベルリナー・ホーフ（Berliner Hof）で大規模なオペラ祭「アレクサンダーとロクサーネンの結婚」（Alexanders und Roxanen Heyrath）がオペラ作曲家アウグスティン・ラインハルト・スティシュトリッカー（Augustin Reinhard Stricker）によって催された。レーオポルトは舞踏役としてそれに参加した。

1710年10月9日、レーオポルトは[[グランドツアー]]を開始した。こその際、ルター派のクリストフ・ヨープスト・フォン・ツァンティアー（Christoph Jobst von Zanthier）がお供として同随行した。「適切な改革派の同行人が見つかることができらなかったから」というのが理由であった。レーオポルトの母がそのような適任者を探すことにあまり力を入れなかっただであろうこというのは、容易に見て取れる。レーオポルトは1710年から1711年にかけての冬、[[デン・ハーグ]]を旅行した。デン・ハーグではわずか4ヶ月の間に計12回オペラ鑑賞をし、レーオポルトの音楽に対する強い興味は明らかとなった。とりわけ[[ジャン＝バティスト・リュリ]]の作品がレーオポルトの印象に残った<!--レーオポルト…^（er erwarb eine „''rare Opera des Herrn Lully die Musik gedruckt''“）。-->レーオポルトは自ら[[チェンバロ]]や[[ヴァイオリン]]を演奏した。

レーオポルトが1711年に帰ると、フリードリヒ1世はレーオポルトを「指揮権を持つ軍隊の大将に委任」（commandirenden Generalität committiren）しようとしたが、レーオポルトの母がそれを望まず、王はその提案を取り消した。そのか代わりにレーオポルトはイギリスを旅行し、ロンドンでオペラを鑑賞し、[[オクスフォード大学]]を訪れた。オクスフォード大学ではとりわけ図書館がレーオポルトの関心を引いた。

引き続きレーオポルトはオランダ、[[フランクフルト・アム・マイン]]、[[アウクスブルク]]を通りイタリアへと旅行した。[[ヴェネツィア]]では一人でオペラ鑑賞のために130[[ターラー]]を使った。ローマでは特に1ヶ月間ヴァイオリンの名人、推測ではヨハン・ダーフィト・ハイニヒェンが雇われた。彼はケーテンから来た旅の一行を連れて、おそらくもうしばらくの間イタリアを回った。[[フィレンツェ]]を訪れた後に[[トリノ]]を訪れ、9日後には[[ウィーン]]を訪れた。そこでレーオポルトはフランチェスコ・マンチーニ（Francesco Mancini）の「12のカンタータ集」（Buch mit 12 Cantaten）を入手している。1713年4月17日、レーオポルトはケーテンへ戻る。レーオポルトが使った金額は総額55,749ターラーになった。レーオポルトはこの高額の出費のために起こった論争を、ケーテンに宮廷音楽を創設してその費用の半分を自己負担するということで決着させた。ベルリンの宮廷楽団が1713年に解散されたため、レーオポルトはとびきりすぐれた音楽家を雇うことができた。この新しい宮廷楽団の初代指揮者として、1714年、オペラ作曲家アウグスティン・ラインハルト・にシュトリッカー（Augustin Reinhard Stricker）がケーテンで雇われた。レーオポルトは彼のことをベルリン時代から知っていた。

1715年11月30日レーオポルトは「統治できる」（vogtbar）年齢になり、1716年5月14日宮殿と市庁舎で家臣の主君に対する託身の儀式を受けた（die Erb- und Landeshuldigungen entgegennehmen）。1704年から1715年にかけて摂政を務めたレーオポルトの母は、結婚の際受け取った地（Witwensitz）であるニーエンブルク（Nienburg）に引き下がることにした。しかし第一の問題がすでに若き侯爵を待ち構えていた。1702年からアンハルト＝ケーテンで実施された相続の際の長子権のために、レーオポルトは弟アウグスト・ルートヴィヒに補償を支払わなければならなかった（seinen jüngeren Bruder August Ludwig abfinden müssen）。アウグストはギュステン（Güsten）の向こう側に飛び地としてある、ゲオルク3世（Georg（[[:en:George III, Prince of Anhalt-Dessau|Georg III.]]）により1547年に立てられた宮殿、ヴァルムスドルフ（Warmsdorf）の地とそこで得られる全ての収入（1715年 - 1716年にかけては9,893ターラー、その前年は13,094ターラー）を得、そのほかにも様々な譲歩（Zugeständnisse）を受け取った。

親政を開始した22歳のレーオポルトは、[[ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ|ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ]]に自らの宮廷楽団における[[楽長]]の地位を与えた。レーオポルトは姉妹が結婚式を挙げたときからこの作曲家を知っていたと考えてもよいだろう。バッハはこのとき[[ヴァイマル]]のエルンスト・アウグスト1世伯爵のお供で公（[[:en:Ernest Augustus I, Duke of Saxe-Weimar-Eisenach|Ernst August I.]]）に随行してニーエンブルクに現れたのだった。それまでの宮廷楽長シュトリッカーは1717年初頭にケーテンを離れ、1717年8月5日にバッハがケーテンとの契約に署名をしていた。しかしヴァイマルで解職願いを果たすことができず、しばらくの間そこで拘禁され、したがって1718年初頭になってようやくシュトリッカーの後任としてケーテンの職に就くことができたのだった。

アンハルト＝ケーテン侯国で1714年に新しく創立設された宮廷楽団は、まずシュトリッカーの下、それからバッハの下で活動し、重要な文化的蓄積をなした。我々はバッハの世俗音楽の大部分をケーテン時代の創作時代に負っている。

レーオポルトはBurgstraßeを修復し、ケーテンのWallstraßeを根本的に作り直した。ここに彼はバッハの新しい住居を提供した。