「類 (アクセント)」の版間の差分

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語のアクセントは[[助詞]](「が」「に」「を」など)が付いた形で考える必要がある。つまり、東京式アクセントでは「鼻」と「花」はどちらも「は'''な'''」と発音され、一見すると区別がないようにも見えるが、助詞を付けて考えると「(鼻)は'''なが'''」、「(花)は'''な'''が」と発音され区別がある。京阪式アクセントでは、助詞を付けると[[自立語]]部分のアクセントまで変わることがある。<!--東京式アクセントは、名詞のアクセントパターンを元に内輪型、中輪型(東京がこれにあたる)、外輪型に分けられる。 - 省いた方が文意が通るのでしばらくトル-->
 
以下、語類の分類と、例として現代の京都・東京のアクセントを示す。<!--東京式で「降」語頭の高低の区別がないの一拍内、以下で「低高」「低高低」などと書れていても文中ではそれぞれ「高高高」「高高」と発音されに下がることがあるを表す - ここで()内不要-->助詞。
()内は助詞。
 
=== 名詞 ===
*; 一拍名詞 (京都では長音化する)
{| {| style="float:right" <!-- 右寄せ --> class="wikitable"
|+ 一拍名詞
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| き'''ぃ''' て'''ぇ''' || '''き'''を '''て'''を
|}
: 一類…蚊・子・など
 
::京都で高高(高) 東京で低(高)
 
:二類…名・葉・日など
 
::京都で高低(低) 東京で低(高) (内輪型では高(低))
:三類…絵・木・田・手・根・湯など
 
:三類…絵・木・酢・田・手・荷・根・火・目・湯・輪など
::京都で低高(高) 東京で高(低)
 
::京都で低高/低低(高) 東京で高(低)
 
*; 二拍名詞
{| style="float:right" <!-- 右寄せ --> class="wikitable"
|+ 二拍名詞
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| あ'''め'''を こ'''え'''を || '''あ'''めを '''こ'''えを
|}
:一類…姉・飴・蟻・・枝・顔・柿・風・金・壁・霧・口・国・腰・先・酒・皿・品・袖・棚・壺・爪・鳥・西・庭・布・箱・端・鼻・羽根・暇・紐・筆・笛・星・的・右・道・水・虫・森など
 
::京都で高高(高) 東京で低高(高)
:二類…石・歌・音・川・下・夏・橋・町など
 
:二類…石・岩・歌・音・型・川・紙・北・下・旅・次・梨・橋・旗・肘・昼・冬・町・胸・村・雪など
::京都で高低(低) 東京で低高(低) (外輪型では低高(高))
 
:三類…池・犬・色・髪・草・倉・波・花・腹・山など
::京都で高低(低)  東京で低高(低)  (外輪型では低高(高))
 
:三類…足・明日・池・犬・家・色・馬・裏・親・神・髪・岸・草・靴・熊・倉・事・米・坂・塩・島・谷・月・土・時・年・波・海苔・墓・恥・花・腹・晴れ・耳・物・山・指など
 
::京都で高低(低) 東京で低高(低)
 
:四類…跡・息・板・何時・糸・稲・海・肩・今日・今朝・汁・空・種・罪・杖・中・何・箸・肌・舟・味噌・麦など
 
::京都で低高/低低(高) 東京で高低(低)
:五類…秋・雨・蜘蛛・声・露・窓・蛇など
 
:五類…秋・汗・雨・鮎・蜘蛛・琴・鯉・声・猿・常・露・鍋・春・窓・など
::京都で低降/低高(低) 東京で高低(低)
 
::京都で低降/低降(低)または低高(低) 東京で高低(低)
 
=== 動詞 ===
* 二拍動詞
 
*; 二拍動詞
:一類…言う・売る・置く・着る・泣く・寝るなど
 
:一類…言う・行く・居る・産む・売る・置く・押す・追う・買う・貸す・聞く・着る・消す・知る・為る(する)・積む・飛ぶ・泣く・鳴く・似る・煮る・寝る・乗る・引く・踏む・焼くなど
 
::京都で高高 東京で低高
 
:二類…合う・打つ・書く・来る・見る・読むなど
:二類…合う・有る・打つ・得る・書く・勝つ・来る・刺す・住む・立つ・付く・出る・取る・成る・飲む・吹く・降る・待つ・見る・読むなど
 
::京都で低高 東京で高低
 
*; 三拍動詞(五段活用)
:一類…上がる・当たる・歌う・飾る・変わる・探す・進むなど
 
:一類…上がる・当たる・洗う・歌う・送る・飾る・変わる・嫌う・殺す・探す・沈む・進む・違う・使う・並ぶ・運ぶ・塞ぐ・曲がる・学ぶ・向う・笑うなど
::京都で高高高 東京で低高高
 
:二類…余る・動く・移る・落とす・思う・頼む・届く・戻るなど
:二類…余る・急ぐ・祝う・動く・移る・起こす・落とす・思う・泳ぐ・狂う・騒ぐ・叩く・頼む・作る・届く・習う・走る・光る・防ぐ・守る・戻る・休む・許すなど
 
::京都で高高高 東京で低高低
 
*; 三拍動詞(一段活用)
 
:一類…上げる・当てる・入れる・埋める・替える・捨て消える・染める・告げる・抜ける・負ける・曲げる・燃える・止めるなど
 
::京都で高高高 東京で低高高
 
:二類…生きる・受ける・起きる・落ちる・下りる・覚める・過ぎる・建てる・耐える・遂げる・投げる・逃げる・晴れる・見える・分けるなど
 
::京都で低低高 東京で低高低
 
*; 四拍動詞
:一類…並べる・始まる・働く
 
:一類…与える・慌てる・生まれる・教える・聞こえる・伝える・並べる・働く・始める・忘れるなど
 
::京都で高高高高 東京で低高高高
 
:二類…集まる・答えるなど
:二類…集まる・覚える・数える・調べる・助ける・流れる・離れる・開ける・別れるなど
 
::京都で高高高高 東京で低高高低
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=== 形容詞 ===
 
*; 二拍形容詞
 
:一類…濃い
 
::京都・東京ともに高低
 
:二類…無い・良い
 
::京都で低高 東京で高低
 
*; 三拍形容詞
 
:一類…赤い・浅い・厚い・甘い・荒い・薄い・遅い・重い・暗い・遠いなど
 
::京都で高低低 東京で低高高
 
:二類…青い・黒い・高い・早い・太い・悪いなど
:二類…熱い・痛い・多い・辛い・臭い・黒い・寒い・白い・高い・近い・強い・長い・早い・広い・深い・太い・古い・欲しい・細い・若い・悪いなど
 
::京都で高低低 東京で低高低
 
*; 四拍形容詞
:一類…危ない・悲しい・優しい・宜しいなど
 
::京都で高高低低 東京で低高高高
 
:二類…嬉しい・詳しい・少ない・楽しいなど
:二類…厳しい・苦しい・詳しい・親しい・涼しい・正しい・楽しい・激しい・等しいなど
 
::京都で高高低低 東京で低高高低
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秋永一枝(2001)『新明解日本語アクセント辞典』、三省堂
 
金田一春彦(2003-2006)『金田一春彦著作集』第5巻・第6巻・第7巻、玉川大学出版部
 
平山輝男ほか(1997)『京都府のことば』(明治書院) 、31頁-32頁
 
山口幸洋(2003)『日本語東京アクセントの成立』、港の人