「名鉄1000系電車」の版間の差分

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[[File:Meitetsu 1000 Series EMU 023.JPG|thumb|200px|一部特別車編成(2008年7月2日、呼続駅にて撮影)]]
本系列は、[[名鉄名古屋本線|名古屋本線]]東西直通40周年にあたる[[1988年]][[7月8日]]<ref>この日は[[岐阜市]]で「[[ぎふ中部未来博]]」が開幕した日でもあった。</ref>に営業運転を開始した。設計[[概念|コンセプト]]は「ハイ・アメニティ(快適性)・エキスプレス」で、[[名鉄特急|特急]]の[[座席指定席|座席指定]]車(当時)の上級化ニーズに応えるべく、4両組成の両端にシアターフロアの[[展望車|展望席]]を持つ。折からの[[バブル景気|好景気]]もあり、一挙に4両成9本36両が投入された。
 
名鉄で完全に特急の指定席車(現在の特別車)用としてのみ運用される車両はそれ以前にも「北アルプス」キハ8000系や
「パノラマDX」8800系が存在したが、より広範な運用を前提として全席リクライニングシートの接客設備を採用した本格的な有料特急形車両は本系列が最初である。
 
以後、[[1997年]]までの9年間に合計で4両成21本84両が落成したが、そのうち1011F - 1016Fは[[1991年]]から[[1992年]]にかけて2両ずつに分割され、[[名鉄岐阜駅|岐阜]]方の2両を[[豊橋駅|豊橋]]向きに方向転換の上、新規製造の1200系・1800系(後述)4両と組み合わされ、一部特別車組成とした6両成12本へと改組された。
 
「全車[[名鉄特急#特別車と一般車|特別車]]」編成は4両成を組み、両先頭車両が展望席となっている。また、「一部特別車」編成は6両組成だが、このうち豊橋・[[中部国際空港駅|中部国際空港]]・[[河和駅|河和]]方2両が1000系の「特別車」で、他の4両が1200系の「[[名鉄特急#一般車について|一般車]]」である。
 
1000系は先頭車の全長が20m超で、[[鉄道車両の台車|台車]]間距離が長く[[線形 (路線)|曲線]]での車体偏倚が大きいため、[[名鉄西尾線|西尾線]]の[[吉良吉田駅]]には入線できない。それでも初期の[[方向幕|種別・行先表示器]]には[[名鉄蒲郡線|蒲郡線]]『[[蒲郡駅|蒲郡]]』や特急が運行されていない[[名鉄三河線|三河線]]『[[豊田市駅|豊田市]]』や『[[碧南駅|碧南]]』の駅名も用意されていた。
 
「全車特別車」編成<ref>名鉄内部での運用呼称はB4。ちなみに一部特別車編成は特別車が2両であることからB2と言い慣わされている。</ref>は、[[名鉄2000系電車|2000系]]で運行される「ミュースカイ」を除くすべての特急の一部特別車化により用途を失うため、[[2007年]]夏から1008Fを皮切りに運用離脱が始まり、順次[[名鉄5000系電車 (2代)|5000系]]への機器流用が行われ、[[廃車 (鉄道)|廃車]]されている。
 
これらの「全車特別車」編成は、[[ダイヤグラム#ダイヤ改正|ダイヤ改正]]前日の[[2008年]][[12月26日]]をもって全車が運用を離脱した<ref>名鉄によると、この措置は、[[ハイデッカー]]展望室構造が[[バリアフリー]]化推進の障害になるためという理由付けもなされている。</ref>。
[[ゲートターンオフサイリスタ|GTO]][[界磁チョッパ制御]]で、モーターは定格出力150kWの[[直流]][[複巻整流子電動機|複巻電動機]]が用いられる。これは[[名鉄5700系電車|5700系]]や[[名鉄6000系電車#6500系|6500系]]と同じシステムである。歯車比は5700系と同一の82:17 (4.82) で、ブレーキの強化により最高速度は110km/hから120km/hに向上した。[[1994年]]製の1017編成以降は[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]を装着し、ユニットブレーキを採用した。
 
技術的には、同じく[[電磁直通ブレーキ]]システムを有する5700系・[[名鉄5700系電車#5300系|5300系]]、[[名鉄5500系電車|5500系]]、[[名鉄6000系電車|6000系]]・6500系・[[名鉄6000系電車#6800系|6800系]]、[[名鉄7000系電車|7000系]]・[[名鉄7000系電車#7700系|7700系]]・[[名鉄7000系電車#7100系|7100系]]、さらには8800系との[[総括制御]](連結)運転が可能である<ref>歯車比などが大きく異なる6000系列との連結は基本的に回送列車や入替運転時のみ(その場合でも直列ノッチしか使用しない)であり、過去の一部指定席特急においては行われなかった。また8800系も通常の営業運転で連結する運用はなかった。</ref>。[[1990年]]から1992年までは名古屋本線の一部指定席車特急で5000系列・7000系列と連結しての営業運転が実施されていたが、特別車は常に4両で一般車より多くなることもあった<ref>当時一般席車として連結された車両のうち5300系・5500系の一部と7100系は2両成であった。</ref>にも拘らず車両間の通り抜けができないため誤乗が絶えなかったことと、最高速度が110km/hと本系列のみで組成された編成の120km/hより低くなる<ref>当時の文献の一部に、(営業列車で)5700系・5300系と連結した場合は120km/h運転が行われた旨の記述があるが、これは全くの誤りである。5700系と併結した試運転でのケースが一般論として伝わったものとみられる。</ref>ため所要時間が長くなるなどの理由で、一般席車は1200系などに置き換えられた。その後、本系列と他系列編成との混結運転は[[犬山検査場]] - [[新鵜沼駅|新鵜沼]]間などの[[回送]]列車や構内入換運転に限定されており、営業列車では行っていない。
 
一部特別車編成用の車両については、台車が当初から増圧ブレーキ・[[アンチロック・ブレーキ・システム|ABS]]対応設計(付随台車も片押し[[制輪子]])のものに交換された<ref>その際に発生した旧台車は同時期に製造されていた6500系・6800系計24両に流用された。なお、1010F以前の全車特別車編成は既存台車のまま120km/h対応に改造され、その機能は5000系に更新後も継続使用されている。</ref>。該当車はボルスタレス台車装着車と同様にユニットブレーキを備えた。また、特別車側では増・解結を行わないため、前頭の電気連結器が撤去された。
一部の例外を除いて<ref>中部国際空港開港前は下り1本のみ豊橋発新鵜沼行の特急に運用されていた。</ref>運用は長らく名古屋本線に限定されていたが、一部特別車特急の運行範囲拡大により[[2005年]][[1月29日]]からは[[名鉄常滑線|常滑線]]と[[名鉄空港線|空港線]]<ref>この両線では原則として豊橋 - 中部国際空港間の列車(登場時は豊橋発着の全列車と一部の金山発着の列車、2007年6月30日の改正以降は豊橋発着の2往復のみ)担当していた。</ref>で、2007年[[6月30日]]からは[[名鉄犬山線|犬山線]]・[[名鉄広見線|広見線]]・[[名鉄河和線|河和線]]・[[名鉄知多新線|知多新線]]での運行も開始された。[[2008年]][[6月29日]]からは[[名鉄西尾線|西尾線]]でも朝(名鉄名古屋行)と夜間(西尾行)に1本ずつ運行されている。イベント時には[[名鉄各務原線|各務原線]]にも入線することがある。
 
編成は、豊橋方に特別車の1000系2両と岐阜方に一般車4両を連結した6両組成である。なお、1800系・1850系も含めて1000番台一般車では全車でボルスタレス台車が本格採用された。また豊橋方から順に付番する慣例に基づいて、中間車である3・4号車が系列名の1200番台形式となった珍しい例でもある。そのうち車掌台またはトイレのある3号車のみ全長が19.5m級となり、特別車とは逆に[[オーバーハング (自動車用語)|オーバーハング]]が長いため旧・[[日本国有鉄道]](国鉄)の21m級車両と同様に車端の角を[[面取り]]状に絞ってある。[[MT比]]は4M2Tと編成出力が高く、[[起動加速度]]は2.3km/h/sと1000系特別車のみの4両成より若干の向上にとどめたが、高速域の加速力は[[名鉄3500系電車 (2代)|3500系]]などと同等となっている。
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[[2003年]][[10月4日]]より犬山線犬山 - 名古屋本線東岡崎間を普通列車として2往復の列車に限定運用されていたが、2005年1月29日のダイヤ改正で運用範囲が広見線の犬山 - 新可児間と名古屋本線の東岡崎 - [[伊奈駅|伊奈]]間にも拡大された。同年[[2月18日]]には朝ラッシュ時の新鵜沼発中部国際空港行急行列車他の運用に7000系に代えて使用され、常滑線、空港線、[[名鉄津島線|津島線]]などにも入線した。この運用では7000系との併結運転もあった。この運用は同年[[3月21日]]まで平日運用で継続されたが、同年[[3月22日]]からは空港関係の列車が3000系列の[[電気指令式ブレーキ]]装備車で運行されることになったため、再び普通列車中心の運用<ref>当時のダイヤでは主に犬山 - [[豊明駅|豊明]]間の2往復であった。</ref>に戻った。その後2008年6月28日まで、平日の朝ラッシュ時は広見線内<ref>主に犬山 - 新可児間。</ref>の折り返し運用に充当されることが多かった。
 
2008年6月29日のダイヤ改正後は西尾線・津島線系統の急行や常滑線・河和線系統の普通などにも運用されるようになった他、同年12月のダイヤ改正直前には快速急行として当時定期運用のあった5000系の代走で格下げ改造後初めて豊橋まで入線した<ref>理論上、5000系とは共通運用が可能である。実際検車時には5000系が代走する。2008年6月29日以後3週間にわたって運用されていなかった(名鉄岐阜駅7番線に留置)が、5700系6両組成の予備車となっている7000系7007Fが2008年7月20日に団体列車で使用された際には5700系6両組成の代走として使用された。加えて、7000系の他に5300系2両との併結運転も確認されている。2009年時点では回送列車ながら5700系・5300系4両成や5000系との併結もある。機器流用元の7500系では不可能であった7000系などとの総括制御が間接的な形ではあるが実現したものとみることができる。</ref><ref>2009年時点では豊橋発着の急行は特急車の間合い運用を除き、原則として3000系列で運行される。</ref>。
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== 沿革 ==
* [[1988年]] - 4両成9本(1001F - 1009F)が登場。[[名鉄岐阜駅|新岐阜(現・名鉄岐阜)]] - [[豊橋駅|豊橋]]間特急で運転開始。
** この頃、極めて例外的な措置だが豊橋駅から特急として折り返すため、[[国府駅 (愛知県)|国府]]または[[伊奈駅|伊奈]]→豊橋間で朝間2・3本の[[急行列車|急行]]に使われ、現在の「特別車」である車両に料金なしで乗車することができた。2009年現在もこのような列車はあるが、乗車は一般車となる1200系に限定される。
* [[1989年]] - 4両成3本(1010F - 1012F)を増備。新岐阜 - [[西尾駅|西尾]]間と[[新鵜沼駅|新鵜沼]] - [[河和駅|河和]]・[[内海駅 (愛知県)|内海]]間の一部列車でも運転開始。
** [[金山駅 (愛知県)|金山駅]]が[[東海旅客鉄道]](JR東海)[[中央本線]]・[[名古屋市営地下鉄]]駅の近くに移転し、また[[名古屋市]]内で[[世界デザイン博覧会]]が開催された年である。このための輸送増強用として新岐阜 - 西尾間の特急を設定した。
** 2次車では、1次車にあった座席の置き枕がカバーに変わった。
** 1200系の車両番号の下2桁はこの1000系の下2桁に合わせてある。また1100番台車が先頭車となる編成は1000番台車の車両番号に全車+100となっている。
* [[1992年]] - さらに一部指定席特急編成を増やすため、1200系を増備した。1011F・1012Fも一部指定席特急編成となる。1030系・1230系・1850系が登場。
* [[1994年]] - 再び全車指定席車の4両固定編成、1017F - 1019Fが新製される。
** この年の[[7月26日]]に名古屋鉄道創業100周年を記念し、1007編成に一般公募によるデザインをペイントした'''「[[名鉄ブルーライナー|ブルーライナー]]」'''を運行開始。青の地色に車体の下り向き左側には[[犬山市|犬山]]カルチャーゾーン(日本モンキーパーク・博物館明治村・リトルワールド)が、右側には[[知多半島|南知多]]ゾーン(南知多ビーチランド・内海フォレストパーク)が描かれ、人気を博した。また、ミュージックホーンを名鉄イメージソング「しなやかな風」に変更した。その後1997年10月に元の塗装に戻された<ref>同種の塗装は[[名鉄岐阜市内線|岐阜市内線]]・[[名鉄揖斐線|揖斐線]]用の[[名鉄モ770形電車 (2代)|モ770形]]にも施されていた。</ref>。
* [[1996年]] - 一般車で最後の増備車、1806F - 1809Fが新製される。ラッシュ時の名古屋本線特急をほぼすべて8両化する。
* 2008年[[12月27日]] - 同日実施のダイヤ改正により、全車特別車編成(4両組成×7本)が基本運用から離脱した<ref>[http://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2008/1188944_1140.html 平成20年12月27日(土)にダイヤ改正~もっと身近に ますます便利~ 2008年10月30日]</ref>。このうち、1001Fは20周年記念特製イラスト板を装着したままの最終運行となった。
* 2008年[[12月28日]] - 1380系・1384Fの回送列車が名古屋本線・[[栄生駅]]で入替信号機誤認により、転換中の分岐器上で[[列車脱線事故|脱線事故]]をおこす。
* [[2009年]][[1月6日]] - 1380系1384Fが運用復帰。
* 2009年[[4月18日]] - 1000系全車特別車編成 (1001F) のさよなら運転が20周年記念特製イラスト板を装着したまま[[舞木検査場]] - 豊明間で実施された<ref>[http://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2008/1192287_1140.html ~ありがとう パノラマカー 特別企画~ 「7000系パノラマカー乗車&保存車両見学と1000系パノラマスーパーのさよなら運転」を4月18日(土)に実施します 2009年3月27日]</ref>。このイベントは「ありがとうパノラマカー 特別企画」として実施されたもので、舞木検査場から豊明までの復路に充当された(往路は7000系7011Fを充当)。先頭車の前面左側には「B4 Final Run さよなら1001F」と表記された特製ヘッドマークが装着された。運転終了後は豊明駅で撮影会が実施された。このイベントは予想を上回る応募者があったため、キャンセル待ちの応募者を対象に[[4月19日]]にも実施され、当日は7000系7011Fが豊明 - 舞木検査場間を1往復した後、豊明駅で1001Fの撮影会を実施した。