「クラリネット」の版間の差分

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== キ・システム ==
クラリネットの前身楽器であるシャリュモーが一般化しなかったのは、前述のように第2倍音が使えないために、1オクターブと完全5度の音のために異なる指穴を開けなければならず(次の音で同じ指が使える)、それでは指で穴を押さえきれなかったせいである。キ装置が開発されて、必要なとき以外は常に閉じておいたり、指の届かない穴の開閉を操作できるようになって初めて、1オクターブと完全5度の指穴に対応し、第3倍音との間をスムーズに繋ぐことができるようになった。
 
指穴の配列並びにキ装置は、現在までさまざまなものが開発されている。
 
=== ベーム式 ===
[[ファイル:BflatClarinet.JPG|thumb|right|125px|ベーム式クラリネット]]
もっとも一般的なのが、[[ベーム式クラリネット|ベーム式(フランス式)クラリネット]]のキ・システムである。[[1843年]]にフランスのルイ=オーギュスト・[[ビュッフェ]](L. A. Buffet[[1885年]]没)とイアサント・エレオノール・[[クローゼ]](H. E. Klose[[1808年]]-[[1880年]])によって、ベーム式フルートのキ・システムを応用して[[1844年]]に特許申請し開発された。[[管弦楽]]、[[吹奏楽]]、[[ジャズ]]などで広く用いられている。キ・システムの機構は複雑になってしまうが、比較的単純な運指が実現でき、機動性が高い。初心者にも向いている。日本では一部を除きほとんどの奏者はベーム式の楽器を使用している。
 
=== エーラー式 ===
[[ドイツ]]式の[[エーラー・システム|エーラー式クラリネット]]は、[[1812年]]にミュラー(I. Müller)が開発した13キのクラリネットを元に、[[ベーム式クラリネット]]が発明された約60年後<sup>(※1)</sup>に[[オスカール・エーラー]]によって開発された。ベーム式クラリネットの利点も取り入れられている。エーラー式クラリネットにも音色のよさから愛好家は多い。また、特にドイツ人の[[クラシック音楽|クラシック]][[音楽家|演奏者]]はエーラー式クラリネットを好んで使っている。吹奏楽ではあまり使われず、オーケストラで用いられる。
 
:* (※1)日本ではエーラー式をもとにベーム式が作られたという間違った解釈がまれに見受けられるが、これは大きな間違いである。なぜならエーラー式を開発したオスカール・エーラーが生まれたのは1855年でベーム式が生まれた1839年頃にはまだ生まれていないからである。また、ベーム式はドイツ式の亜種という意見も稀に見受けられるがこれは不適当な意見である。ベーム式クラリネットは独自に開発されたものという解釈が適当であろう。ベーム式によってフランスでは多くの小品やソナタが生まれた。
 
=== そのほかのキ・システム ===
また、オーストリアではウィーンアカデミー式という楽器が使用されている。
 
[[アルバート・システム|アルバート式]]のキ・システムは最近はあまり用いられていない。音色はベーム式やエーラー式とは明らかに異なる。もともとはクラシックでも使われていたらしいが、ベーム式やエーラー式のクラリネットに混じって演奏すると目立ってしまう。また、大きな音量が出る。アルバート式のクラリネットは、[[ニューオーリンズ・ジャズ]]、[[ディキシーランド・ジャズ]]といった古いスタイルのジャズを演奏するときによく用いられた。現在でも古いスタイルで演奏するときに用いられることがある。
 
リフォームド・ベームとは、エーラー式キー・システム用に設計された管に、ベーム式キー・システムを実装したクラリネットである。エーラー式の音色のよさとベーム式の機動性ある運指とを兼ね備えている。
 
== 材質 ==