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'''ペイトンプレイス物語'''(ペイトンプレイスものがたり、Peyton Place)は、[[アメリカ合衆国]]で最初にロングランとなった[[プライムタイム]]の[[ソープオペラ]]である。
 
== 概要 ==
『ペイトンプレイス物語』は[[20世紀フォックス]]テレビジョンによってプロデュースされ、[[アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー|ABC]]ネットワークによって30分間のエピソードが全514回、1964年9月15日から1969年6月2日まで放送された。放送は1964年から1966年までは白黒で、1966年から1969年まではカラーであった。『ペイトン』は現在に至るまでアメリカ合衆国のテレビ放送において、再放送無しに話が続けて放送されていった唯一のプライムタイムのドラマシリーズである。
 
『ペイトン』本作セックスと不信心について率直な姿勢で語られるのを観ることができたネットワークテレビのドラマの最初のひとつだった。それをふまえて、ABCの幹部は、ドラマの放映を午後9時30分のみ許可した。[[東部標準時]]では、多くの子供とティーンエイジャーがベッドにいることになっていた時間である。
 
放映開始時、『ペイトン』は一週間に二度放映された。両方の回とも[[エーシーニールセン|ニールセン]]の[[視聴率]]調査でトップ20にランクインした。『ペイトン』本作の成功を受け、ライバルのネットワーク[[CBS]]は1965年、ドラマ ''[[As the World Turns]]'' のキャラクター[[Lisa Miller Hughes]]をスピンオフさせ、プライムタイムのテレビドラマ ''Our Private World'' を制作『ペイトン』本作と同じ週2回放送の形式を採用した。ちなみに ''Our Private World'' はが、批評も視聴率もふるわず、翌年Lisaのキャラクターは ''[[As the World Turns]]'' に戻された。
 
ABCは、1965年秋より放映を一週間に三度に増やしたが、この放映拡大は、現在多くのテレビ史研究家が行きすぎであったと考えている。第一シーズン『ペイトン』の視聴率が再びトップ30に入ることはなかった。そして、ドラマの制作ペースは1週間あたり2回分に落とされた。
 
1968年、ドラマの視聴率が落ち込んだことで、一度逃げた視聴者を取り戻さなければならなくなり、ドラマの放映時間は8時30分に繰り下げられた。1969年にはを重ねるごとにドラマの視聴率下がり、6月にドラマの終了が発表されるまで、『ペイトン』は1週間に1回放送されるだけになった。
 
シリーズは1972年4月3日から1974年1月4日まで ''Return to Peyton Place'' と題され、昼間のシリーズとして復活した。昼間のシリーズでは、ゴールデンタイムのシリーズから3人の俳優が出演し、それらの役柄~[[フランク・ファーガソン]]はイーライ・カーソン、[[パトリシア・モロー]]はリタ・ハリントン、[[イヴリン・スコット]]はアダ・ジャック~を再び演じた。しかし、昼間のシリーズは、ゴールデンタイムのシリーズのような成功を納めることはできなかった。
 
『ペイトン』をテレビドラマ化したスタッフの一人であるポール モナッシュはソープオペラという言葉を嫌い、代わりに番組をテレビ小説と呼んでほしいと望んだ。
 
== オープニング ==
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== プロット ==
{{ネタバレ}}
最初のストーリーは、同じタイトルの本 (1956(1956) と映画邦題『青春物語』 (1957(1957) を元に構想された。発端は、ニューイングランドの小さな町で広まるゴシップ。 最初のエピソードでは、マイケル・ロッシ医師 (エド・ネルソン) が、ペイトンプレイスの町で開業しにニューヨークからやって来る。 新聞記者、マシュー・スウェイン (ワーナー・アンダーソン) は、普通ペイトンプレイスのような町は、住もうとするのではなく逃げようとするものだとロッシ医師に言う。
 
マシューのめいのアリソン・マッケンジー ([[ミア・ファロー]]) は、親友で同級生であるノーマン・ハリントン (クリストファー・コネリー) の兄、ロドニー ([[ライアン・オニール]]) と恋に落ち、初めてのキスをした途端、すっかり舞い上がってしまう。エピソードの終わりでは、アリソンの母親、コンスタンス (ドロシー・マローン) が、娘アリソンとロドニーの新たな関係を知り、あからさまに難色を示した。
 
ロドニーは、彼の父、レスリー (ポール・ラングトン) と、父の秘書のジュリー・アンダーソン (ケーシー・ロジャース) の情熱的な抱擁を見てしまい混乱する。ジュリーは、ロドニーのガールフレンド、ベティ (バーバラ・パーキンス) の母なのだ。
 
ロドニーはベティに、これ以上彼女と付き合うことはできないと宣言、すぐにアリソンと新たに付き合い始めた。ベティは、ロドニーが彼女を振った真の理由を告げてもらえず、混乱し傷ついた。1964年10月のエピソードで、ロドニーはベティの心を急いで取り戻し、父レスリーを困らせるためにベティと結婚した。
 
一方、第一シーズンの中盤には、新たな主要人物、エリオット・カーソン (ティム・オコナー) がペイトンプレイスに登場。エリオットはアリソンの実父であり、彼の妻、エリザベスを殺した罪で投獄されていた。しかし真犯人は、ロドニーの母キャサリン (メアリ・アンダーソン) 。彼女はロドニーを甘やかし、巧みに操っていた。
 
エリオットはやがて潔白を証明し、アリソンの母コンスタンスと結婚した。 後に彼らの間には息子マシューが生まれた。マシューは1985年のシリーズ続編 ''Peyton Place:The Next Generation'' では、ケリー (デボラ・グッドリッチ) という娘に変えられている。
 
1965年9月には、コンスタンス役のドロシー・マローンが突然、緊急手術を受けることになった。コンスタンスはその時点でストーリーに非常に深く関わっていたため、彼女を突然外すことは難しく、プロデューサーは窮地に立たされた。結局、マローンが1966年1月に復帰するまで、ローラ・オルブライトがコンスタンス役を引き継いでシリーズを続けた。
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ロドニーは2年の間、彼が愛していた少女・アリソンと、彼が結婚した女性・ベティのどちらを選ぶか決めることができなかった。1966年、ミア・ファローは、映画の仕事に専念するためと、フランク・シナトラとの結婚のために『ペイトン』シリーズを去った。アリソンが去ったことで、町でロドニーを巡る恋の競争は無くなり、ベティはロドニーに多少寛容になった。
 
ベティは結局、ロドニーと離婚して、陰気だがハンサムな弁護士、スティーブン・コード (ジェームス・ダグラス) と結婚。やがてスティーブンと離婚し、ペイトンプレイス住民たちの複雑な人生模様が交錯する中、ロドニーと再婚した。ロドニー・ハリントンとスティーブン・コードは、実は異父兄弟であり、そのことが彼らの争いを激化した。後に家政婦のハンナ・コード (ルース・ワーリック) が、実はスティーブンは、ロドニーの母キャサリンの私生児であり、ロドニーとは血の繋がりが無いことを明かした。
 
アリソンは、その後も劇中の会話で度々話題に上り、ストーリーの中で大きな存在感を示した。
最初は、神秘的な女性、レイチェル・ウェルズ (リー・テイラー=ヤング) が、アリソンのブレスレットを携えて町にやって来た。そして1968年には、ジル・スミス (ジョイス・ジルソン) が町に現れ、アリソンの赤ん坊を育てていたと主張した。DNA以前の時代とあって、子どもの出生は立証されることはなかった。 ジルは後に、ロッシ医師の弟ジョーと結婚した。
 
アリソンが登場しない設定でストーリーが進む間も、ミア・ファローの降板は一次的なものなのか、それとも永久的なものなのかがなかなか決まらなかった。そして ''Murder in Peyton Place'' (1978) (1978年)、 ''Peyton Place:The Next Generation'' (1985) (1985年)では、それぞれ異なった解釈で、相反する結論となっている。
 
後のシーズンに加えられた別の主要なキャラクターは、町の長老のマーチン・ペイトン (ジョージ・マクリーディ) 。マーチンは以前、ドラマが始まった時にだけ登場していた。演じるマクリーディは短期間、病気で出演できなくなり、その間ウィルフリッド・ハイドホワイトが代役を務めた。また、ペイトンプレイスの町の生え抜きで、秘密主義の家政婦、ハンナ・コード役のルース・ワーリックが、その名演技で長きに渡って出演した。
 
[[ジーナ・ローランズ]]、ダン・デュリエ、スーザン・オリバー、および[[リー・グラント]]など、映画界のビッグネームたちも多数キャストに加わった。中でもリー・グラントは、『ペイトン』本作でのステラ・チャーニック役の傑出した演技で、エミー賞助演女優賞を受賞した。また、シリーズは[[レスリー・ニールセン]]、マリエット・ハートレイ、および[[ラナ・ウッド]] ([[ナタリー・ウッド]]の妹) のキャリアの飛躍のきっかけとなった。
 
1968年、『ペイトン』制作スタッフは時代の変化に遅れをとらないために、アフリカ系アメリカ人のハリー・マイルズ博士 (パーシー・ロドリゲス) と彼の妻のアルマ (ルビー・ディー) を通して、ペイトンプレイスに人種的差別の廃止を取り入れた。志高い取り組みにもかかわらず、彼らの加入は不協和音を生じ、彼らに関するストーリーも期待したほどの広がりは無かった。
 
シリーズ最後の年、コンスタンス役のドロシー・マローンと、エリオット役のティム・オコナーの降板によって、ロッシ医師役のエド・ネルソンが『ペイトン』本作の主演俳優となった。そして、エピソード多くロッシ医師をメインにしたものになった。最終シーズンの間、ロッシ医師はマーシャ・ラッセル(バーバラ・ラッシュ)に恋愛感情を抱いていた。最終回では、ロッシ医師は殺人者の濡れ衣を着せられ告発された。
最終シーズンの間、ロッシ医師はマーシャ・ラッセル (バーバラ・ラッシュ) に恋愛感情を抱いていた。最終回では、ロッシ医師は殺人者の濡れ衣を着せられ告発された。
 
シリーズは、視聴者も予測できない結末で終わったが、1978年と1985年の続編では、ロッシ医師が病院の勤務に復帰していたことから、万事はうまくいったらしい。コンスタンスとエリオット・カーソン夫妻は、またペイトンプレイスの街に戻った。
 
== 配役 ==
ファローは映画監督ジョン・ファローと、映画『[[ターザン]]』シリーズで初代ジェーンを演じた女優、[[モーリン・オサリヴァン]]の娘である。アリソン・マッケンジーはミア・ファローにとって、初めての主要な役だった。ファローの演技に大いに寄与したのは、彼女が子どもの時、[[急性灰白髄炎|ポリオ]]患者として経験した傷つきやすさであると喧伝された。
 
元々、ベティ・アンダーソンのキャラクターは、第1シーズンの序盤、交通事故で消える予定だった。しかし、ベティのキャラクターに視聴者が強く好感を持ったため、脚本家が構想を変更した。したがって、ベティに扮する女優パーキンスは、『ペイトン』のシリーズで長く、儲かる仕事を保証された。
 
ロドニー役のライアン・オニールは後に、レイチェル・ウェルズ役のリー・テイラー=ヤングと結婚、離婚した。