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[[File:Koxinga at Anping.JPG|right|thumb|250px|安平古堡の裏にある鄭成功像]]
'''安平古堡'''(あんぴん こほう)は旧称を'''奧倫治城'''(''(Fort Orange''、オラニエ城)、'''熱蘭遮城'''(''(Fort Zeelandia''、'''ゼーランディア城''')、'''安平城'''、'''台湾城'''とも称しいう、[[1624年]]に建設された[[台湾]]で最も古い城堡である。建城以来、[[オランダ統治時代 (台湾)|オランダ統治時代]]には[[オランダ東インド会社]]による台湾統治の中心地として、また[[鄭氏政権]]時代には3代にわた邸宅王城として使用されていた。
 
現在は'''台湾城残蹟'''の名称で[[国家一級古蹟]]に指定され、一般にも開放されている。現在観光客が展望を楽しんでいる高台は、日本統治時代に建設されたものであり、保護対象の安平古堡には含まれていない
 
==歴史==
[[1622年]]、[[オランダ東インド会社]]は[[マカオ]]の占領を図った。しかし、現地のポルトガル人が抵抗したため断念、[[澎湖島]]を占拠して東アジア貿易の拠点を築こうとした。しかし、この地も明によって撤去が求められたため、[[1623年]]、オランダは台湾に進出し[[一鯤身]]に簡易な城砦を築城した。これが'''安平古堡'''の前身である。その後[[1624年]]に[[明|明軍]]と8ヶ月に及ぶ衝突を繰り返し、その結果オランダと明の間で講和が成立、澎湖の要塞と砲台を破棄する代わりに、オランダが台湾に進出する事を認める内容であった。台湾にオランダ勢力が到着すると、既存の簡易な城砦を再建し「奧倫治城」('' (Fort Orange'')) と命名、[[1627年]]に「熱蘭遮城」(''(Fort Zeelandia'')) と改名され建設が続けられ、[[1632年]]に第1期工事が完了した。当時、この城砦は台湾に於けるオランダ勢力の中枢として、行政及び貿易を統括していた。
 
[[1662年]]、大陸を追われた明遺臣・[[鄭成功]]は新たな拠点を構築するために台湾を攻撃、既存のオランダ人勢力と対立し「熱蘭遮城」を攻撃した([[ゼーランディア城の戦い]])を攻撃したその結果オランダ人勢力は台湾から一掃され、台湾史上初めて漢人による政権が樹立されたのである。鄭成功は熱蘭遮城を'''安平城'''と改称し、鄭氏政権3代にわたって支配者の居城となり「王城」と称さ呼ばれるようになった。
 
しかし[[1683年]]清による台湾統治が開始されると、政治の中心は城内に移り、安平城は軍局として用いられ、城砦の重要性は漸次減、改修が行なわれることなく次第に荒廃していったのである。[[1873年]]、[[イギリス]]軍艦の攻撃を受けたが、その際イギリス軍の放った砲弾が城内の火薬庫に命中爆発、甚大な被害を受けた城砦は廃墟と化してしまう。[[1874年]]、[[台湾出兵]]問題で日本と善後策を協議した[[沈葆楨]]は、台湾海防の充実のために安平城城壁を[[二鯤身]]に運搬、[[億載金城]]建設の資材とされた。
 
==安平古堡古蹟記念館==
[[File:Zeelandia from Dutch.jpg|left|thumb|250px|ゼーランディア城(1635年)]]
[[File:FortZelandia S.jpg|left|thumb|250px|熱蘭遮城(Fort de Zelandia)/ 1875/ Thomson/ ''The Straits of Malacca, Indo-China and China'' (London: Sampson Low, Marston, Low, & Searle)]]
日本統治時代、城垣は整地され日本式の宿舎が建設され、オランダ時代に築城された城砦は完全に姿を消すこととなった。戦後、国民党政府は城址を「安平古堡」と命名し、僅かに残る城址の保護を決定、現在は[[中華民國内政部]]によって一級古蹟の一つとされている。現在観光客が展望を楽しんでいる高台は、日本統治時代に建設されたものであり、保護対象の安平古堡には含まれていない
 
[[昭和時代]]になってからは[[浜田弥兵衛]]の績を記念するため、して「濱田彌兵」と書い刻まれた石碑が建てられた。戦後これは「安平古堡」と書き換えられている
 
現存している洋風建築物は[[1930年]]に日本により建設された税関宿舎である。[[1975年]]、大規模修復が行なわれた後、オランダ統治時代から現代に至る安平の歴史を紹介する資料館として利用されている。
 
==交通==