「ドット絵」の版間の差分

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特に、移動するオブジェクトについては[[スプライト (映像技術)|スプライト]]という小さな画像単位で扱う必要があり、したがって、ゲームのキャラクターなどは総じてこのスプライト内に収めるために、何らかのデフォルメを施されて表現されることとなった。また、キャラクターのデザインにおいて、ドット絵で表現されることを前提とした特徴を備えさせることも珍しくない。世界で最もよく知られている任天堂のキャラクター、[[マリオ (ゲームキャラクター)|マリオ]]の口ひげが、最たる例である。
 
==現在のドット絵==
ドット絵という表現技法は、[[スーパーファミコン]]が家庭用ゲーム機のメインプラットフォームだった時代に、一つの頂点を迎えた。しかし、続く[[プレイステーション]]や[[セガサターン]]といった[[ポリゴン]]を利用したハードウェアが主流になると、ドット絵による表現はむしろ衰退していった。
 
ポリゴンによるアートワークの製作は、3Dモデルを構成する最初こそ手間がかかるものの、モデルさえ完成してしまえばあとはそれに骨組みを埋め込み、簡単な操作を行う事で様々な[[アニメーション]]を作ることができるという点で優位であった。これをドット絵で表現しようとした場合、必要なだけの枚数のドット絵をひとつひとつ描かなくてはならないうえ、キャラクターデザイン等の修正が入った場合に、3Dモデルならば多少の修正を施せば済む一方、ドット絵ではそのキャラクターの絵を丸ごと修正する必要があり、場合によってはせっかく描いたデータをすべて廃棄しなくてはならないというリスクも伴っていた。
 
ドット絵は(2Dに限られるものの)ポリゴンより細密な描写が可能である、と評価するユーザーは多い。にもかかわらず、ドット絵が急速に廃れた背景には、ドット絵の製作には膨大な手間と時間がかかる一方、ポリゴンでの表現方法のほうが結局は安く上がる、という作り手側の事情も存在した。
 
この為、近年SFC時代以前の2D的な名作が[[リメイク]]される場合などでも、ドット絵は利用されないケースが多い。こうした現状を嘆く声もあるが、ドット絵全盛期の頃のような緻密なドット配置が可能な人材は現在では大変少なくなっており、大規模な開発の際に等しく高い技術を持つスタッフを大勢揃えるのは現実には難しいのが実情である。
 
現在では、ハードウェア・ソフトウェアともに格段の進歩を遂げ、ドット絵で表現する状況は少なくなってきている。しかし、携帯ゲーム機などの低価格なハードウェアや、[[携帯電話]]アプリゲームなどでは、少ないピクセル数・色数での表現が依然として求められるほか、[[ポリゴン]]モデルの表面に施される[[テクスチャマッピング]]などでも、処理能力の都合から低解像度のビットマップ画像を用いる必要があるなど、ドット絵の需要は現在でも存在する。一方、そうした必然性とは別に、近年の[[レトロゲーム]]を見直す動きに付随して、限られた表現力から生まれる[[デフォルメ]]感や、俳句にも似た[[ミニマル|ミニマリズム]]といったドット絵ならではの「味わい」に再び注目が集まり、積極的な表現形態として、意図的な部分も含めて用いられる例も徐々に増えてきている。
 
==関連項目==