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'''筒井筒''' (つついづつ、つつい'''つ'''つと読む場合も。旧かなでは「つつゐづつ」) は、[[伊勢物語]]、[[大和物語]]中の物語の一つである。伊勢物語の古い本文では「筒井の」。
 
== 伊勢物語 ==
=== 二十三段 筒井筒 ===
:むかし、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとにいでてあそびけるを、おとなになりければ、男も女も恥ぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども聞かでなむありける。さて、この隣の男のもとよりかくなむ。
 
: 筒井つの井筒にかけしまろがたけぎにけらしな妹見ざるまに
 
:女返し、
 
: くらべこしけ髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべき
 
:などひて、つひに本意のごとくあひにけり。
 
:さて年ごろふるほどに、女、親なくたよりなくなるままに、もろともにいふかひなくてあらむやはとて、河内の国高安の郡に行き通ふ所いできにけり。されけれど、このもとの女、あしと思へるけしきもなくて、いだしやりければ、男、こと心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧けさうじて、うちながめて、
 
: 風吹けば沖つ白波しら浪たつた山夜半よはにや君がひとりゆらむ
 
:とよみけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。
 
(後略)
 
=== あらすじ ===
親の出張の関係で隣に住み、一緒に遊んでいた幼い男女が長ずるにしたがって恥ずかしく感じ疎遠となった。だが、二人とも相手を忘れられず、女は親の持ってくる縁談も断って独身のままでいた。その女のもとに、隣の男から歌が届く。二人は歌を取り交わして契りを結ぶ。
 
念願かなって夫婦となった二人であったが、やがて妻の親が死に、暮しが貧しくなり、夫は他の女のもとに足しげく通うようになる。ところが、夫を送り出す時も妻は怒りの素振りも見せない。不審に思った夫が隠れて見ていると、綺麗に化粧をして道中の安全を祈願する妻の姿があった。その心根にうたれた夫は再び妻の元へと帰るのであった。
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== 後世への影響 ==
*[[世阿弥]]によってとりあげられ、能の名曲『[[井筒 (能)|井筒]]』の元となった。能では「'''筒井筒 井筒にかけし…'''」と謡われる
*内容より転じて、「'''仲の良い幼馴染みの男女'''(が恋心を育て、ついに実らせること)」も指す。「やっと結婚したか、あの二人は[[保育所|保育園]]も一緒で筒井筒だったからなあ」などと使う。
 
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== 外部リンク ==
*[http://www.isemonogatarikokugo.comaichi-edu.ac.jp/taguchi/utamakurahonmon/tutuihonmon11.htmjpg 筒井筒(龍田山)本文と解釈第11回] [[愛知教育阪府立高等]]国語諭 内育講座美由紀 口研究室のサイトの一部。「筒井づの」の解説原文と現代訳。本文はここより重引。オリジナルは新潮日本古典集成
*[http://www.isemonogatari.com/utamakura/tutui.htm 筒井筒(龍田山)] 大阪府立高等学校教諭 内田美由紀 のサイトの一部。