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: リゲルの別名としては、同じアラビア語起源のアルゲバル (Algebar) またはエルゲバル (Elgebar) がある。これは、アラビアでの別名 Rijl al-Jabbār ([リヂル・アル=ヂャッバール],「巨人の足」 の意)から来たものである。リゲルが天文学でも広く使われていることもあり、アルゲバルは、現在では、ほとんど用いられることはない。
 
===中国 ===
中国では[[参宿]]第七星({{lang|zh|參宿七}})。
一般的にはその星の色から、源氏の旗色になぞらえて「'''源氏星'''」(げんじぼし)とされている<ref>三省堂『大辞林』810項</ref><ref>『日本大百科全書』23巻リゲルより</ref><ref>野尻抱影著『新星座巡礼』19項</ref><ref>野尻抱影著『星三百六十五夜』上巻(1978年)38項</ref>。ただし、[[岐阜県|岐阜]]の[[揖斐郡|揖斐地方]]においてリゲルを平家星とする村の古老が一名いたことが[[野尻抱影]]によって報告されている<ref name=Nojiri2>[[野尻抱影]] 『日本星名辞典』 [[東京堂出版]]、1973年、154-155頁。</ref><ref name="kitao">[[北尾浩一]] [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/genjiboshi.html 「『源氏星』と『平家星』」] - [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/ 星・人・暮らしの博物館]</ref>。また「銀脇」(ぎんわき)という地方もある<ref>野尻抱影 『日本星名辞典』 [[東京堂出版]]、1973年、154頁。</ref>。
 
=== 天文民俗<small>(和名・中国名)</small> ===
[[ファイル:Orion jiten.jpg|thumb|『日本星名辞典』に掲載された図と注釈の再現]]
{{編集前の注意|section=1}}
リゲルの和名は「'''源氏星'''」(げんじぼし)とされている
その星の色から、[[岐阜県|岐阜]]の[[揖斐郡|揖斐地方]]で'''平家星'''(へいけぼし)と呼ばれていた可能性がある。また[[滋賀県|滋賀]]の[[虎姫町|虎姫]]で'''銀脇'''(ぎんわき)といった名称が伝えられている<ref name=Nojiri2/><ref name=Nojiri>野尻抱影 『星の方言集 - 日本の星』 [[中央公論社]]、1957年、265-269頁</ref>。
<ref name="jisyo">三省堂『[[大辞林]]』810項</ref><ref name="jiten">『[[日本大百科全書]]』23巻リゲル項</ref><ref>野尻抱影著『新星座巡礼』19項</ref><ref>野尻抱影著『星三百六十五夜』上巻(1978年)38項</ref><ref name="tenmongaido">『月間天文ガイド2007年2月号』134項</ref>
<ref>講談社『[[日本語大辞典]]』(リゲル項)2063項/平凡社『[[マイペディア]]』(リゲル項)1502項/ポプラ社『[[ポプラディア]]』第10巻(リゲル項)/学研の図鑑『星・星座』75項</ref>。
 
[[岐阜県]]において、平家星・源氏星という方言が見つかっている<ref name=Nojiri2>[[野尻抱影]] 『日本星名辞典』 [[東京堂出版]]、1973年、154-155頁</ref><ref name=Nojiri>野尻抱影 『星の方言集 - 日本の星』 [[中央公論社]]、1957年、265-269頁</ref><ref name="tenmongaido"/>。
リゲルが源氏星とされている事については、その伝承において疑問が持たれている。リゲルを平家星とした古老の証言をもとに、[[北尾浩一]]が再調査した結果、発見地とされる揖斐地方では一般的に認識されている[[源氏|源]][[平家|平]]の旗印の色とは逆であることが指摘されている<ref name="kitao"/>。
これは昭和25年に、[[野尻抱影]]に報告された方言であり<sup>[注1]</sup>、[[ベテルギウス]]の赤色とリゲルの白色を[[源氏]]と[[平家]]の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈されている。 野尻氏は農民の星の色を見分けた目の良さに感心し、それ以後は[[天文博物館五島プラネタリウム|渋谷のプラネタリウム]]で解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった<ref name=Nojiri2/><ref name=Nojiri/>。
 
天文誌、図鑑、野尻抱影や[[藤井旭]]の著書をはじめ、多くの本で、リゲルの和名を「'''源氏星'''」と特定した上で、岐阜の方言であるとしている
中国では[[参宿]]第七星({{lang|zh|參宿七}})。
<ref name="tenmongaido"/><ref name=Nojiri2/><ref name=Nojiri/>
<ref>藤井旭著 『宇宙大全』441項/同著『全天星座百科』150項/同著『星座大全』35-36項</ref>
<ref>[[講談社]],[[林完次]]著『21世紀星空早見ガイド』50項</ref>
。(ただし、岐阜県の[[揖斐郡]][[横蔵村]](現[[揖斐川町]])においてリゲルを平家星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって紹介されており <ref name=Nojiri2/><ref name=Nojiri/>、民俗学の見地から異論を唱える研究者もいる<sup>[注1]</sup>。)
 
また、増田正之は昭和60年に、[[富山県]][[高岡市]]の市立伏木小学校において、リゲルを源氏星とした方言を見つけている
<ref>増田正之『ふるさとの星 続越中の星ものがたり』15項および、巻末 富山県星の一覧表3項</ref>。
 
また、[[滋賀県|滋賀]]の[[虎姫町|虎姫]]でリゲルを'''銀脇'''(ぎんわき)とする方言が発見されている。これは、[[オリオン座]]の三つ星の脇にある関係と[[ベテルギウス]]の金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている<ref name=Nojiri2/>。
 
その他、リゲルが関係する[[アステリズム]]の方言は[[星・星座に関する方言#オリオン座|リゲル関係の方言]]を参照。
 
;北尾浩一の見解
:北尾浩一は、著書の中で揖斐地方で発見された'''平家星'''(へいけぼし)をリゲルとして分類している<ref name="kitao1">[[学術出版会]] 北尾浩一著 『天文民俗学序説 - 星・人・暮らし』39項の表より</ref><sup>[注1]</sup>。
:多くの書籍で、源氏星がリゲルを示す岐阜の方言とされている事について、野尻抱影の著書における村の古老の証言と逆であると指摘している。 北尾浩一は、再調査を行い、発見地とされる揖斐地方では一般的に認識されている[[源氏|源]][[平家|平]]の旗印の色とは逆であったことを確認している<ref name="kitao">北尾浩一 [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/genjiboshi.html 「『源氏星』と『平家星』」] - [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/ 星・人・暮らしの博物館],[[東亜天文学会]]『天界』2005年11月号648頁</ref>。 この見解が最初に発表されたのは2005年であり、野尻氏は既に亡くなっていた。 野尻氏は、源氏星をリゲルと特定したが、香田氏より第一報を受けた後、1000回を超えるやり取りの後、初めて信用したと証言されている<ref name="kitao"/>。
 
== 関連項目 ==
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*『[[スタートレック]]』 近未来のリゲルが、'''ライジェル星'''(RIGEL)として設定中に度々登場。 
 
==出典・ ==
注1. 北尾氏は発見者を香田としている<ref name="kitao1"/>。 香田まゆみ(または寿男)は昭和25年に平家星をリゲルと特定した古老の存在を野尻氏に報告している<ref name=Nojiri2/><ref name=Nojiri/>。
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