「リア王」の版間の差分

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リア王のモデルはブリタニアの伝説の王[[レイア]]で、それに関するさまざまな文献が『リア王』の材源となっている。その中でもとくに重要なものは、史劇でも主材源として使っていたラファエル・ホリンシェッド([[:en:Raphael Holinshed|Raphael Holinshed]])の『年代記(Chronicles)』([[1587年]]出版の第2版)だが、これは[[12世紀]]の[[ジェフリー・オブ・モンマス]]の『[[ブリタニア列王史]]』に基づいている。[[1590年]]の[[エドマンド・スペンサー]]作『[[妖精の女王]]』にもコーディリアという名前の登場人物が出てきて『リア王』同様殺される。
 
他の材源としては、ジョン・ヒギンズの『[[為政者の鑑]] ([[:en:Mirror for Magistrates|Mirror for Magistrates]])』([[1574年]])、[[ジョン・マーストン]]の『不満家([[:en:The Malcontent|The Malcontent]])』([[1604年]])、[[シェイクスピア外典]]の『[[ロンドンの放蕩者]]』([[1605年]])、[[フィリップ・シドニー]]の『アーケイディア』(1580年 - 1590年。グロスター伯、エドガーとエドマンドの話はここから取られている)、[[1603年]]にジョン・フロリオ([[:en:John Florio|John Florio]])が英訳した[[ミシェル・ド・モンテーニュ]]の『[[エセー]]』、ウィリアム・ハリソン([[:en:William Harrison (clergyman)|William Harrison]])の『An Historical Description of Iland of Britaine』、[[ウィリアム・キャムデン]]([[:en:William Camden|William Camden]])の『Remaines Concerning Britaine』([[1606年]])、ウィリアム・ワーナー([[:en:William Warner (poet)|William Warner]])の『Albion's England(アルビオンのイングランド)』([[1589年]])、[[:en:Samuel Harsnett|Samuel Harsnett]]の『A Declaration of egregious Popish Impostures』(1603年。エドガーが狂気を装った時に使う言い回しのいくつか)が挙げられる。
 
『リア王』と内容が類似した『[[レア王]]』という作者不詳の劇がある([[1605年]]出版)。[[アーデン版シェイクスピア|アーデン版]]の編者R・A・フォークスは、シェイクスピアはこの『レア王』のテキスト(上演の記憶からではなく)を材源にしたとするが<ref>R.A. Foakes, ed. King Lear. London: Arden, 1997), 89-90.</ref>、[[リヴァーサイド版シェイクスピア|リヴァーサイド版]]の編者フランク・カーモードはその時には既にシェイクスピアは『リア王』を書き上げていたと反論している<ref>Kermode, Riverside</ref>。[[1936年]]、A・S・ケアンクロスは、2つの劇の関係は逆である、つまり、シェイクスピアの『リア王』が先に書かれ、『レア王』の作者はそれを模倣したのだと主張した<ref>Alfred S. Cairncross, The Problem of Hamlet, A Solution, 1936</ref>。しかし、[[1594年]]の書籍出版業組合記録に『レア王』の記載があり、同年の[[フィリップ・ヘンスロー]]([[:en:Philip Henslowe|Philip Henslowe]])の日記にも『レア王』を[[1594年]]にローズ座([[:en:The Rose (theatre)|The Rose]])で観劇したという記録が残っている<ref>Chambers & Alexander, as sourced in Ogburn's The Mystery of William Shakespeare, 1984, page 337</ref>。しかし、この2つは綴りは違うが『リア王』のことだとする意見もある<ref>Lee, Sidney. The Chronicle History of King Leir. London: Chatto and Windus, 1908: ix.</ref>。ちなみに『レア王』はめでたく終わっているが、シェイクスピアは悲劇とし、『レア王』には登場しない道化(シェイクスピアが自らの作によく登場する道化を集成させたものと言われる)やグロスター伯らに関する話がある。