「アンティパトロス2世」の版間の差分

アンティパトロス2世は、カッサンドロス朝を開いた[[カッサンドロス]]と[[アレクサンドロス大王]]の腹違いの姉妹の[[テッサロニケ]]との子である。カッサンドロスの死後、アンティパトロスの兄[[フィリッポス4世]]が王位についたもののすぐに死に、アンティパトロスは弟の[[アレクサンドロス5世]]と共に王位についた。彼は王国の分割に当たって弟を贔屓したとして命乞いにもかかわらず母を殺し（ディオドロス、XXI、7）、アレクサンドロスは母の復讐のため兄と一戦交えようと[[デメトリオス1世 (マケドニア王)|デメトリオス1世]]を呼び込んだ。[[トラキア]]王[[リュシマコス]]は義子のアンティパトロスを説得し、和解を促した。しかし、[[イプソスの戦い]]で敗れて以来捲土重来を目論んでいたデメトリオスはカッサンドロスの悪行を大義名分としてアレクサンドロスを殺して自らが王位につき、アンティパトロスを王位より放逐した。一方、トラキア人の王[[ドロミカイデス]]と戦っていたリュシマコスはデメトリオスとの二正面での戦いを嫌い、アンティパトロスの支援を取りやめ、アンティパトロスのマケドニアの領地をデメトリオスが掌握することを認めた。これによってアンティパトロスは王位と領土を失った。その後、アンティパトロスはリュシマコスに騙されたと不平を漏らしたため、紀元前294年にリュシマコスによって殺された（ユスティヌス、XVI、1-2）。こうしてカッサンドロス朝は短命のうちに滅亡したのである。