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2010年3月28日 (日) 22:01時点における版
朱世傑(しゅせいけつ、生没年不詳)は、元朝初期の数学者。朱世杰とも表記される。字は漢卿。自号は松庭。
詳細な伝記は不詳であるが、元は燕山(現在の北京付近)の人で、官に就く事無く数学を学びながら国内を巡り、その間の1299年に『算学啓蒙』、1303年に『四元玉鑑』を著した。『四元玉鑑』執筆時には既に旅の生活も20年以上になっていたが、揚州に来た際に多くの人々が彼から数学を学ぼうと彼の元を訪れたのを見て、ここに落ち着いて人々に数学を教えることに生涯を捧げたという。
『算学啓蒙』は宋から元にかけて発達した中国数学の集大成であり、命数法から四則計算、面積計算、天元術に至るまで幅広い内容が取り上げられている。極以上の命数法が初めて登場したのも同書である。『四元玉鑑』は天元術を発展させて四元の高次方程式を解く方法を論じた。
参考文献
- 李迪 著/大竹茂雄・陸人瑞 訳『中国の数学通史』(森北出版、2002年)ISBN 978-4-627-01941-6
- 銭宝 編/川原秀城 訳『中国数学史』(みすず書房、1990年)ISBN 978-4-622-04083-5