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[[image:DOHC-Zylinderkopf-Schnitt.jpg|thumb|250px|クロスフロー式[[DOHC]]シリンダーヘッドのカットモデル]]
 
'''クロスフロー'''とは[[シリンダーヘッド]]の吸排気形式の一つで、シリンダーヘッドの左右に吸気ポートと排気ポートが別々に設けられ、吸気と排気が燃焼室に対して左右どちらか一方通行に流れていくタイプのものである。吸排気ポートが左右どちらか一つの方向にあり、吸気と同じ方向に排気が逆流していく[[ターンフロー]]と対を成す形式でもある。
 
== 概要 ==
クロスフロー式のシリンダーヘッドはターンフロー式よりも高性能を発揮する事が可能である。その理由は吸気と排気が一方通行となる為、吸排気の効率がよく、吸気バルブと排気バルブの両方が開いている'''バルブオーバーラップ'''を大きく取る事で、排気ガスがシリンダーから排出される際の慣性を利用してより大量の混合気を吸入する事が可能となる為である。また、排気ガスで高熱となる[[エキゾーストマニホールド]]から離れた位置に[[インテークマニホールド]]から離れた位置に配置する事が出来る為、吸気ポートを通る混合気をより低温に保つ事が可能ともなる。
 
[[File:MMC MCA-JET Valve.JPG|thumb|250px|1970年代から80年代の[[三菱自工]]製エンジンの多くに採用された'''MCA-ジェットバルブ'''。[[乱流]]が発生しにくいクロスフロー式半球型燃焼室を持つシリンダーヘッド内に[[乱流]]を意図的に引き起こす為、小型の補助吸気バルブが備えられている]]
 
ターンフロー式と比べて数少ない欠点は、[[エキゾーストマニホールド]]と[[インテークマニホールド]]が別々の方向に配置される為にエンジンルーム内の[[シリンダーヘッド]]が占める面積が大きくなりがちな事、吸気と排気が一方通行となる故に燃焼室内に[[乱流]](スワール)が発生しにくく、敢えて[[乱流]]を発生させる為に何らかの機構上の工夫が必要となる事。全体的な製造コストがターンフローよりも高くなりやすい事、全く同じ量のバルブオーバーラップを取った場合、排気慣性を利用した吸気の絶対的な効率がターンフローに比べてやや劣る事などが挙げられるが、これらの欠点はメーカーの生産力や技術力の向上でほぼ克服された事や、これらの欠点を補って余りある程の利点の為、今日のエンジンの殆どがクロスフロー式のシリンダーヘッドを採用している。
 
==関連項目==
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*[[ポート加工]]
*[[T-VIS]]
 
 
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