「エルランゲン・プログラム」の版間の差分

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クラインはこの中で、幾何学を集合に対する[[群論|変換群]]の作用によって分類し、その中で出てくる[[不変量]](不変式)を扱うものだと定義した。例えば[[ユークリッド幾何学|ユークリッド幾何]]は合同変換で変わらない性質を扱う分野であり、[[射影幾何]]は射影変換で変わらない性質を扱う分野だ、というのである。
 
この考え方は数学界に大きな影響を与え、当時乱立していた各種の幾何学を近代的な視点で再統一することに成功した。クラインの定義はその後数十年の間主流であり続けたが、ただ[[ベルンハルト・リーマン]]が立した[[リーマン幾何学]]とは相性が悪かったために、この点を巡ってリーマンとクラインは対立している
 
何故なら、クラインの定義だと[[リーマン計量]]の下では恒等変換以外に不変量を取り出せないため、全ての図形が自分自身とのみ関係することとなって、幾何学の成立する余地がなくなってしまうからである。この問題は20世紀に入り、[[ヘルマン・ワイル]]の創出した[[アフィン接続]]を契機に、[[アンリ・カルタン]]らによって両者のギャップを埋める方向に拡張された。したがって現代の幾何学も、本質的な考えはエルランゲン・プログラムの発展系であると考えてよい。
 
== 文献 ==
*{{Cite journal|first=Felix|last=Klein|title=Vergleichende Betrachtungen über neuere geometrische Forschungen|journal=Mathematische Annalen|volume=43|year=1893|pages=pp. 63-100}} (Also: Gesammelte Abh. Vol. 1, Springer, 1921, pp. 460-497).
 
==出典==
*{{Cite book|和書|author=ダフィット・ヒルベルト|authorlink=ダフィット・ヒルベルト|coauthors=[[フェリックス・クライン]]|others=[[寺阪英孝]]・[[大西正男]]訳・解説|year=1970|title=幾何学の基礎/エルランゲン・プログラム|series=現代数学の系譜7|publisher=共立出版|isbn=4-320-01160-0|url=http://www.kyoritsu-pub.co.jp/series/keifu.html#7}}
 
== 関連項目 ==
* [[楕円幾何学]]
* [[双曲幾何学]]
* [[射影幾何学]]
* [[ミンコフスキー空間]]
* [[ローレンツ変換]]
 
== 外部リンク ==
* [http://quod.lib.umich.edu/cgi/t/text/text-idx?c=umhistmath;idno=ABN7632 原論文]([[ミシガン大学]])
* [http://www.xs4all.nl/~jemebius/ErlangerProgramm.htm 原論文のHTML版](ドイツ語)
* [http://math.ucr.edu/home/baez/erlangen/erlangen_tex.pdf 原論文のPDF版](英語訳)
* [http://math.ucr.edu/home/baez/erlangen/erlangen.pdf 原論文のPDF版](ドイツ語)
 
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