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'''パストラミ'''(''pastrami'')は、[[香辛料]]で調味した[[肉]]の[[燻製]]食品。
[[コンビーフ]]同様、現代のような冷蔵技術がない時代に、[[牛肉]]を塩漬けにしてから[[燻煙]]することによって保存性を高めるために作られた。[[食塩水]]に漬けた赤身肉を少し乾燥させ、燻煙した後、粗挽き[[コショウ|胡椒]]、[[ニンニク]]、[[コリアンダー]]、[[パプリカ]]、[[オールスパイス]]、[[マスタード]]などの
主に[[デリカテッセン]]で製造販売され、スライスして[[サンドイッチ]]や[[ベーグル]]サンドの具材などとして食用される。
本来は[[牛肉|牛]]の[[ブリスケット|かたばら]]を用いるが、[[豚肉]]や[[鶏肉]]、[[アヒル|鴨肉]]、[[シチメンチョウ]]の肉を材料に用いたものもパストラミと呼ぶことがある。そのため、牛肉を材料としたものを'''パストラミビーフ'''、'''ビーフパストラミ'''と称する場合がある。
パストラミの製法は、[[ベッサラビア]]と[[ルーマニア]]からの[[アシュケナジム|東欧ユダヤ系]]移民によって[[19世紀]]後半に[[アメリカ合衆国]]にもたらされた。名称は[[イディッシュ語]]のパストローメ(פּאַסטראָמע)に由来し、[[ルーマニア語]]ではパストラマ(pastramă)という。[[英語]]でも初めはパストラマ(pastrama)と表記されたが、あるユダヤ系の商店が
[[北アメリカ]]では、パストラミ[[サンドイッチ]]にライブレッド([[ライムギ]]粉を少量混合した[[パン]])を使うことが多く、ライブレッドにパストラミと[[ザワークラウト]]をはさんだ[[ルーベンサンドイッチ]]がよく知られている。[[イスラエル]]ではシチメンチョウや鶏の胸肉のパストラミの人気が高く、[[フランスパン]]や[[ピタ]]、[[フォカッチャ]]、[[クロワッサン]]にはさむこともある。
パストラマの起源は[[トルコ]]の[[パストゥルマ]](pastırma)で、より正しくはパストゥルマ・エト(pastırma et、「押しをした肉」)という。トルコのパストゥルマは、肉を塩漬けにしてから水でゆすいで余分な塩気を取り、よく水を絞って[[クミン]]、[[フェヌグリーク]]、[[ニンニク]]、[[パプリカ]]をまぶしてよく陰干ししたものである。[[オスマン帝国]]の支配下にあった[[バルカン半島]]、[[ギリシャ]]、[[マシュリク]]、[[カフカース]]でも、パストゥルマに由来する肉製品が作られている。
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