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Evangelical (会話 | 投稿記録)
教会2010年4月29日 (木) 21:25から分割  おもな執筆者、Michey.M、Haruka、K.M. 、 Aphaia、LR、Kliment.A.K. 、伊藤栄一
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'''キリスト教会'''(キリストきょうかい)において、信者の集まりである'''教会'''は、信仰上深い意味がある。

==名称==
キリスト教発生の初期から、「キリストの体(エフェソ 1:23)」、「キリストの花嫁」、「真理の柱(1テモテ 3:15)」、「聖霊の神殿(エフェソ 2:20-22)」などと一般に呼ばれてきた(括弧内は[[聖書]]の書物の名称、章および節の番号)。また教会は、女性としての表現が多かった。例えば、フランスの教会はローマの娘、ロシアの教会はコンスタンティノポリスの娘などと表現される。

==教会制度==
{{main|教会政治}}
現在、教派によって認められている教会組織制度は以下に挙げる3つあるいは5つに大別される。
*西方においては[[カトリック教会]]および、[[聖公会]](英国国教会)、復古カトリック教会、東方においては[[正教会]]その他の[[東方諸教会]]のように、[[叙階|叙任階級]]([[ヒエラルキー|ヒエラルキア]])に[[秘跡]]という信仰的位置づけを認めるもの。([[叙階]]または[[神品 (正教会の聖職)|神品]]を参照)
*[[秘跡]]としての意味はないが、[[監督制]]という叙任階級を設けるもの。[[ルーテル派]]など
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また、信者が[[典礼]]に集う建物を指す場合もあるが、会衆制の教派はこの意味と区別するために[[会衆]]という別称を用いることがある。
 
=== 聖書からの由来 ===
教会は、新約聖書の[[コイネー|コイネー・ギリシア語]]の名詞エクレシア({{lang|el|εκκλησία}})に由来する。後期[[ラテン語]]訳の[[ヴルガータ|ヴルガタ版]]では、[[w:ecclesia|ecclesia]]と訳されている。[[ギリシア語|古典ギリシア語]]において、エックレーシアとは、規則に基づいて召集された市民会議または立法府などの「政治集会」を指していた。しかし、新約聖書などに使われる[[コイネー|コイネー・ギリシア語]]では、[[ヘブライ語]]の「宗教会議」を意味する名詞カーハールの意味として使用さるようになった。実際に、コイネー・ギリシア語の七十人訳聖書では、カーハールをエックレーシアで訳する例が存在する(詩篇 22:22(マソラ本文)、21:23(七十訳))。
 
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シュナゴーゲーは、通常にユダヤ教の会堂を意味する(マタイ 4:23 など)。しかし、シュナゴーゲーは、信者の集いとしての意味で使用される例がわずかに残されている(ヤコブの手紙2:2)。このことにより、教会という語彙は、シュナゴーゲーとして使用する場合、「信者の集い」と「典礼に使用する建物」と両方の意味を指すことがある。
 
=== ニカイア・コンスタンティノポリス信条における教会の定義 ===
キリスト教の中で多くの教派が認めている(特に[[三位一体]]の教理を認める)[[信条]]の一つに'''[[ニカイア・コンスタンティノポリス信条]]'''([[ギリシャ語]]が原文)というものがある。その中で、「われは一({{lang|el|μία}})・聖({{lang|el|'αγία}})・公({{lang|el|καθολική}})・[[使徒継承]]の(または使徒的)({{lang|el|απόστολος}})教会を信じ」という箇所がある。これに関する解釈は教派によってさまざまである。
 
教会が「一つ」というのは、信仰として成り立つ教会は唯一であるということで、教理の相違などにより分裂があってはならないという意味に他ならない{{要出典}}。これは、[[エキュメニズム]]の動機にもなっている。
 
「聖」とは、教会に如何なる罪びとが存在しても、教会自体は神によって聖別されており、それが保つ秘跡や信仰に支障は起こらないという考えで、マタイ 13章の「[[毒麦の喩え]]」などが引用される。このような解釈は、[[ルター派教会]]や[[聖公会]]などにおいても共通していて、他の信条の中でも宣言されている。ただし、[[予定説]]を強調する[[改革派教会]]では、被洗礼者から構成される''見える教会''と、神に選ばれた予定者から構成される''見えない教会''とを定義し、後者の見えない教会が聖であると考える。
 
==目に見えない教会と目に見える教会==
「公」とは[[普遍]]的という意味である。
[[改革派教会]]では、キリストの体なる霊的な[[見えない教会]]と、地上の可視的、制度的な[[見える教会]]があるとする。地上の見える教会に属する者の中に、永遠の見えない教会に属さない者がいると考える。また、地上の制度的な教会のうち、本物の教会を[[教会のしるし]]で識別する。<ref>[[ジャン・カルヴァン]]『[[キリスト教綱要]]』[[改革派教会]]</ref><ref>[[クラス・ルーニア]]『現代の宗教改革』</ref><ref>[[尾山令仁]]『聖書の教理』羊群社</ref>
 
{{See also|==公同の教会|カトリック}}・普遍の教会==
「公」とは[[普遍]]的という意味である。
{{See also|公同の教会|カトリック|使徒継承}}
 
「使徒継承」に関してはカトリック教会や正教会のような伝統的な教派と[[宗教改革]]以降のプロテスタント教会とで解釈が異なる。前者では、文字通りキリストの弟子である[[使徒]]の権威が現在の教会にも継承されているという意味で、特に叙階などの[[秘跡]]や聖伝が受け継がれていなければならないとする。正教会の場合、たんに歴史的な継承関係の継続にとどまらず、現在他の教会から教会と認められていない集団には使徒継承を認めない。一方カトリックには「有効/無効」と(教会法上)「合法/違法」の二つを分け、「有効だが違法」な継承という概念が存在する。たとえば破門された司教が新たに叙階を行った場合、それは有効ではあるが、ローマ教皇の承認を受けないため違法であるとする。
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「使徒的」教会の解釈を、「神からの遣わされた」人々と解釈する場合もある。
 
プロテスタントはローマの教会の使徒継承の教理に対して[[教会のしるし]]を確認したが、ルーテル派と改革派では同一な教会論を持っているわけではない。
=== 関連項目 ===
 
==脚注==
<references />
 
=== 関連項目 ===
*[[教会堂]]([[建築物]]としての教会)
*[[チャペル]]