「下気道」の版間の差分

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'''気管'''({{Lang|en|trachea}})とは、[[喉頭]](C4〜6)から気管分岐部(Th4〜5)までの部分。長さは約10cm、内径は約20mm。気管分岐部はおおむね胸骨角平面(ルイ角平面)の高さにある。
 
気管は基本的に連続して空気が出入りし続ける管であるため、食物を摂取するときだけ物体が通過する[[食道]]と異なり、常に潰れないように内腔が確保されていなければならない。そのため、気管の外側は''[[気管軟骨]]''([[:en:Tracheal rings|Tracheal rings]])と呼ばれるC字形の[[硝子軟骨]]が連続して積み重なり、軟骨と軟骨の間を''輪状靱帯''([[:en:Annular ligaments of trachea|Annular ligaments of trachea]])が結ぶ構造になっており、[[頸部]]の動きに伴う屈曲が容易な柔軟性を保ちながら、つぶれないような強度を確保している。
 
気管の開始部には[[喉頭]]と呼ばれる複雑な構造が発達しており、食物が誤って気管内に侵入するのを防いでいるほか、[[哺乳類]]では発声器官の[[声帯]]を生じている。
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=== 気管支 ===
'''気管支'''({{Lang|en|[[:en:Bronchus|Bronchus]]}})とは、気管分岐部(Th4〜5; 第1分岐, [[:en:Carina of trachea|Carina of trachea]])において左右に分かれたのち、第5分岐において気管軟骨が途切れるまでの部分。肺動脈およびその枝と並走している。分岐するごとに、さらに下記のように細分化される。
# '''主気管支'''(第1分岐〜第2分岐)<br />右肺は3葉あるので、右気管支は気管から約25°の角度で枝分れし、内径は右側が15mm、左側が12mmである。左肺は心臓の分だけ上に寄っているので、左気管支は気管から約35〜45°の角度で枝分れする。すなわち、右の主気管支は左に比べて太く垂直に近いことから、[[誤嚥]]は右に多くなる。
# '''葉気管支'''(第2分岐〜第3分岐)<br />それぞれの大葉へ向けた分枝である。
# '''区域気管支'''(第3分岐〜第4分岐)<br />それぞれの肺区域へ向けた分枝である。