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'''神経症'''(しんけいしょう)とは、[[精神医学]]用語で、主に[[統合失調症]]や[[躁うつ病]]などよりも軽症であり、病因が器質的なものによらない[[精神疾患]]のことをさす。軽度の[[パニック障害]]や[[強迫性障害]]などがこれにあたる。これらはかつて、[[不安神経症]]、[[強迫神経症]]と呼ばれていたため、総称して神経症と呼ばれていた。今現在では精神医学概念としては放棄されている
 
== 概 ==
19世紀以前において、[[脳]]や[[体]]に何も異常がないのに[[精神]](神経)が病に冒されたようになる病気をそう呼んでいた。当時はアカデミックの精神医学にしろ町の開業医にしろ、体に異常がないのに体や意識がおかしくなる精神疾患は原因不明と考えられており、このような精神疾患に神経症という名前が当てはめられた。神経症は[[ジークムント・フロイト|フロイト]]が[[精神分析]]という方法で神経症の患者を研究していたことが有名である。
歴史的には[[ジークムント・フロイト|フロイト]]が、[[精神分析]]を創始するにあたって当初は神経症の患者を対象としていたことが有名である。フロイト以降も神経症の[[精神力動]]的な研究が主流であった。
 
しかし最近は[[DSM-IV-TR]]や[[ICD10]]などの記述的な診断基準(病気の原因によってではなく症状によって診断するもの)が主流となっているため、臨床的診断として神経症が使用されることは少なくなった。特に精神医学界では表立って使われてはいない
 
神経症の病名が使用されることが少なくなった理由として、記述的な診断基準の台頭に加えて、精神疾患の生物学的メカニズムが明らかにされたことや薬物療法の進歩もあげられる。例えば、かつて強迫神経症と言われていたものは[[超自我]]や[[肛門期]]固着などで解釈され[[心理療法]]が治療の主体であったが、[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬|SSRI]]などの薬物が有効であることや[[脳]]の[[セロトニン]]系の異常が明らかになり、[[強迫性障害]]と名を変えた。
 
また神経症という名称は[[器質性]]ではない軽い精神疾患全般に使われる言葉であったため、その拡大された使用法や曖昧な意味が問題となり、DSM-Ⅲ-TRから徐々に使用されなくなったと言われている。
特に[[小児]]期に起こる[[神経疾患]]([[夜泣き]]、寝ぼける、疲労感など)は、'''疳'''(かん)ともいわれ、古くは「疳の虫」(かんのむし)という虫によって起こると信じられ、[[寺社]]などで「虫(蟲)封じ」の祈願が行われた。
 
== 注記 ==
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なお神経症にあたるドイツ語はノイローゼ(Neurose)であり、日本でも神経症の意味で使うこともあるが、一般の人が「ノイローゼ」と言う場合はもっと広い意味に使われる傾向が強いので注意が必要である([[ノイローゼ]]参照)。例えば「気分が落ち込んだ」とか「あることに悩んでばかりいる」状態をこの言葉で表現する
 
なお神経症にあたるドイツ語はノイローゼ(Neurose)であり、日本でも神経症の意味で使うこともあるが、一般の人が「ノイローゼ」と言う場合はもっと広い意味に使われるので注意が必要である([[ノイローゼ]]参照)。
 
==詐欺・便乗商法==
患者は精神的に不安定で常に心のより所を求める傾向も高く、ここに目をつけた[[悪徳商法]]や[[宗教]]勧誘が少なからず存在するため、患者本人はもとより周囲の警戒が必要である。
 
==関連項目==