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{{漢字}}
'''筆順'''(ひつじゅん)とは[[漢字]]の[[筆画]]を組み合わせていく順序のことをいう。筆順も漢字の字体を構成する重要な要素の一つである。
 
== 筆順の基本的な規則 ==
「筆順指導の手びき」({{和暦|1958}})の「4.本書の筆順の原則」から、抜粋・編集した。
筆順は個々の漢字で違いを見せるが、大体において以下のような原則が見られる。
*'''大原則1'''……'''上から下へ'''
{| cellspacing="0" cellpadding="0" style="margin:0em 0em 1em 0em; width:auto" style="width:%; vertical-align:top; border:1px solid #fad67d; background-color:#faf6ed"
:上から下へ(上の部分から下の部分へ)書いていく。
| <div style="border-bottom:1px solid #fad67d; background-color:#faecc8; padding:0.2em 0.5em 0.2em 0.5em; font-size:110%; font-weight:bold">'''基本的な規則'''</div>
::[[ファイル:三-bw.png|1000000x35px]]
{|
| [[Image:川-order.gif|40px]] || || :[[Imageファイル:-bw.png|1000000x35px]] ||左から右へと並べる
|-
| [[Image:三-order.gif|40px]] || || [[Image:三-bw.png|1000000x35px]] ||上から下へと並べる
|-
| [[Image:十-order.gif|40px]] || || [[Image:十-bw.png|1000000x35px]] ||横画と縦画が交差する場合、横画を先にして縦画を後にする
|-
| [[Image:文-order.gif|40px]] || || [[Image:文-bw.png|1000000x35px]] ||左ばらいと右ばらいが交差する場合、左ばらいを先にして右ばらいを後にする
|-
| [[Image:月-order.gif|40px]] || || [[Image:月-bw.png|1000000x35px]] || 外側を覆う筆画がある場合、外を先にして内を後にする<br />(ただし、上を覆わないものは内を先にして外を後にする。幽、遠、超)
|-
| [[Image:日-order.gif|40px]] || || [[Image:日-bw.png|1000000x35px]] || 口で内部を囲む場合、下の画で囲むまえに内部を先にする。国、日、田
|-
| [[Image:水-order.gif|40px]] || || [[Image:水-bw.png|1000000x35px]] || 左・中・右の配置構造で左右が1・2画の単純なものの場合、中間を先にして左右を後にする。小、水、永
|-
| colspan="4"|付帯規則:右上の点は後[[Image:戈-torder.gif|35px]]<!-- note that Image:戈-torder.gif and Image:戈-order.gif have not the same stroke order. Which is use in japan ? --> 上を覆わない外は後 [[Image:道-order.gif|35px]]
|}
|}
 
*'''大原則2'''……'''左から右へ'''
== 個別の筆順 ==
:左から右へ(左の部分から右の部分へ)書いていく。
上記のような基本原則でも個々の漢字においては判断に悩む場合がある。このような漢字の筆順にはいくつかの流派があり、例えば筆を動かす距離が最短になるように運筆の負担を減らすことを追求するか、他の類似した字形との整合性を持たせて記憶力の負担を減らすことを追求するかで筆順は変わってくる。大量の漢字を覚えることを目的にする教育の世界なら漢字全体で整合性を求めるのがよく、字の美しさを追求する書道の世界では1字1字、運筆の滑らかさで筆順を決めるのがよいだろう。また[[明]]の『[[字彙]]』のように『[[説文解字]]』の字源を根拠にして筆順を決めるものもある。例えば「右」と「左」で筆順が異なるのは篆書の字形に由来している。
::[[ファイル:川-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:休-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則1'''……'''横画が先'''
日本の[[教育漢字]]881字の基本的筆順の根拠とされる『筆順指導のてびき』({{和暦|1958}})では、字源を根拠にしたものがあるのに加えて[[行書]]の筆順との統合を図ろうという意図が見られ、少々複雑な筆順体系となっている。なお、中華人民共和国の筆順とは異なっている。現代の[[中華人民共和国]]では[[1999年]]に国際文字コード約20000字に定めた標準的な筆順は全体の整合性を重視して統一されている。
:横画と縦画とが交差する場合は、ほとんどの場合、横画を先に書く。〔例外〕原則2の場合
::[[ファイル:十-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:士-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則2'''……'''横画が後'''(原則1の例外)
:横画と縦画とが交差したときは、次の場合<ref>「筆順指導の手びき」によれば、「田」「王」とそれぞれの発展したものが該当する。実際には「至」も原則2が適用できるが、「手びき」はこれを採っていない。</ref>に限って、横画を後に書く。
:*田
:::[[ファイル:田-jbw.png|1000000x35px]]
:*田の発展したもの
:::[[ファイル:由-jbw.png|1000000x35px]]
:::[[ファイル:角-jbw.png|1000000x35px]]
:*王
:::[[ファイル:王-jbw.png|1000000x35px]]
:::[[ファイル:主-jbw.png|1000000x35px]]
:*王の発展したもの
:::[[ファイル:生-jbw.png|1000000x35px]]
:::[[ファイル:青-jbw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則3'''……'''中が先'''
:中と左右があって、左右が1、2画である場合は、中を先に書く。
::[[ファイル:小-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:水-bw.png|1000000x35px]]
:〔例外〕&#24516;(りっしんべん)、火
::[[ファイル:快-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:火-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則4'''……'''外側が先'''
:囗(くにがまえ)のように囲む形をとるものは、先に書く。
::[[ファイル:因-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:日-bw.png|1000000x35px]]
:(注)匚(はこがまえ)、匸(かくしがまえ)は、次のように書く。
::[[ファイル:区-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:医-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則5'''……'''左払いが先'''
:左払いと右払いとが交差する場合は、左払いを先に書く。
::[[ファイル:文-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:父-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則6'''……'''貫く縦画は最後'''
:字の全体を貫く縦画は、最後に書く。
::[[ファイル:中-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:車-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則7'''……'''貫く横画は最後'''
:字の全体を貫く横画は、最後に書く。
::[[ファイル:女-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:子-bw.png|1000000x35px]]
:〔例外〕世
::[[ファイル:世-bw.png|1000000x35px]]
 
*'''原則8'''……'''横画と左払い'''
:横画が長く、左払いが短い字では、左払いを先に書く。
::[[ファイル:右-jbw.png|1000000x35px]]
:横画が短く、左払いが長い字では、横画を先に書く。
::[[ファイル:左-bw.png|1000000x35px]]
::[[ファイル:友-bw.png|1000000x35px]]
 
*原則では説明できないもの
:*[[繞]](にょう)には、先に書く繞と、後に書く繞とがある。
::繞を先に書く……処、起、勉、題など
::繞を後に書く……近、建、直など
:*先に書く左払いと、後に書く左払いとがある。
::左払いを先に書く……九、及など
::左払いを後に書く……力、刀、万、方、別など
 
== 「筆順指導の手びき」 ==
「筆順指導の手びき」({{和暦|1958}}[[文部省]]編)は[[教育漢字]]881字<ref>「[[当用漢字|当用漢字別表]]」({{和暦|1948}}内閣告示)には教育漢字として881字が定められていた。現在は[[学年別漢字配当表]](1006字)が用いられている。</ref>の筆順をできるだけ統一する目的をもって作成された。なお、漢字の筆順は1字につき1つとは限らず、広く用いられる筆順が2つ以上ある漢字もある。「手びき」には{{Quote box|本書に示される筆順は、学習指導上に混乱を来たさないようにとの配慮から定められたものであって、そのことは、ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない。|「筆順指導の手びき」({{和暦|1958}})「1.本書のねらい」より}}{{Quote box|本書に取りあげた筆順は、学習指導上の観点から、一つの文字については一つの形に統一されているが、このことは本書に掲げられた以外の筆順で、従来行われてきたものを誤りとするものではない。|「筆順指導の手びき」({{和暦|1958}})「5.本書使用上の留意点」より}}とあり、注意を促している。「手びき」には「広く用いられる筆順が、2つ以上あるもの」として、「上」「点」「店」「取」「最」「職」「厳」「必」「発」「登」「感」「盛」「馬」「無」「興」が例示されている。もちろん、これらは例であって、このほかにも2つ以上筆順がある漢字は少なくない。なお、現行の[http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/021202.htm 義務教育諸学校教科用図書検定基準]には、[[書写]]の[[教科用図書|教科書]]について「漢字の筆順は、原則として一般に通用している常識的なものによっており、行書で筆順が異なる字については、適切な説明を加えていること」とあり、「手びき」に準拠することを求めていない。ちなみに、[[中華人民共和国|中国]]や[[中華民国|台湾]]にはそれぞれ筆順に基準があり、学校教育で日本とは異なる筆順が指導されているものもある。
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{commonsCommonscat|CJK stroke order}}
*[[筆画]]
*[[偏旁]]
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== 外部リンク ==
*[http://kakijun.main.jp/ 漢字の正しい書き順(筆順)]
*[http://ksbookshelf.com/DW/Hitsujun/index.html K'sBookshelf 辞典・用語 漢字筆順字典]
*[http://home.hiroshima-u.ac.jp/forum/29-2/hitujyun.html いわゆる「正しい筆順」の幻想]
*[http://www.shosha.kokugo.juen.ac.jp/oshiki/essay/97yokoga.htm 横書き移行に伴う変化について]
*[http://kanjialive.lib.uchicago.edu Kanji alive:] 筆順の動画付きの無料漢字勉強教材
 
[[Category:漢字|ひつしゆん]]