「ヤハウェ」の版間の差分

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大きく分けて「'''上帝'''」を推す派と「'''神'''」を推す派とが存在したが、和訳聖書の最も重要な資料と推定される、モリソン訳の流れを汲む[[ブリッジマン・カルバートソン訳|ブリッジマン・カルバートソンによる漢文訳聖書]]は、「神」を採用していた。ほとんどの[[日本語訳聖書]]はこの流れを汲み<ref>出典:柳父章(1986)、160頁 - 162頁。</ref>、「神」が適訳であるかどうかをほぼ問題とずに<ref>全く問題にされなかったわけではない。1938年にはキリスト教神学者[[前島潔]]が、「神」という用語について論文を書いている。出典:柳父章(1986)、122頁。</ref>、こんにちに至るまで「神」を翻訳語として採用するものが圧倒的多数となっている。
 
== 概説 ==
[[ユダヤ教]]成立以前の信仰をヤハウェ信仰と呼ぶ。ヤハウェは、元来は[[シナイ山]]で信仰された山の精([[ジン (アラブ) |
ジン]])などを指したのではないかと考える者もいる。[[ヘブライ人]]が[[カナン]]の地を侵略、定着する過程で、先住民カナン人の最高神であるエルや[[バアル]]の性格を取り入れ、後に[[バビロン捕囚]]などを経てユダヤ教が成立してゆく過程において唯一絶対神の性格を帯びるようになったとする説もある。四資料説においては、「エル」を神の呼称とする資料(エロヒム資料)に比べ、ヤハウェを神の名とする資料(ヤハウェ資料)は新しく、祭儀を祭司階級に担われたものと考える点などにおいて、先行資料と異なっている。
 
旧約聖書に於けるヤハウェは唯一神であり全世界の創造神とされ「宇宙の最高原理」のようなもので、[[預言者]]を除いた一般人にとっては、はっきりしない存在であるが、むしろ自ら人間たちに積極的に語りかけ、「妬む」と自称するほど感情的であり、[[創世記]]のとおり人類はヤハウェに似せて造られたことが伺える。ただし、広義では他の生物、物質も人類と性質が似ており、人類がヤハウェに似ていることは宇宙空間全体の事象に帰納できる。また、『創世記』第32章第31節~や『[[出エジプト記]]』第4章第24節~などには自ら預言者たちに試練を与える場面もあり、ヘブライ人たちがヤハウェを決してはっきりしないというだけではなく、預言者を通じて実在感のある存在と捉えていた事がわかる。
 
== キリスト教における神の名の扱い ==
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最近の動向として、2008年6月29日付でバチカンの教皇庁典礼秘跡省は「教皇の指示により神聖四文字で表記されている神の名を典礼の場において用いたり発音したりしてはならない」との指針を示した。教皇庁はこの指針の中で、近年の神の固有名を発音する習慣が増加している事態に対して懸念を表明し、神聖四文字については「ヤーウェ」「ヤハウェ」「エホバ」などではなく、「主」と訳さなければならないと述べ、神の名を削除するよう求めている。これを受けて日本のカトリック司教協議会は、祈りや聖歌において「ヤーウェ」を使用してきた箇所を原則として「主」に置き換えることを決定した(一例として「主ヤーウェよ」と呼びかける部分は「神である主よ」とされた)。このようなキリスト教の主流派の動向とは対照的に、[[エホバの証人]]は「神の固有名を発音しようとしないことは人間の伝統に基づいたもので,聖書の教えに基づくものではない」とし、神の固有名を用いることがクリスチャンの信仰にとって極めて重要であるという姿勢を取り続けている。
 
== 異教由来説 ==
{{main|グノーシス主義|高等批評|文書仮説|自由主義神学|}}
[[ユダヤ教]]成立以前の信仰をヤハウェ信仰と呼ぶ。ヤハウェは、元来は[[シナイ山]]で信仰された山の精([[ジン (アラブ) |
ジン]])などを指したのではないかと考える者もいる。[[ヘブライ人]]が[[カナン]]の地を侵略、定着する過程で、先住民カナン人の最高神であるエルや[[バアル]]の性格を取り入れ、後に[[バビロン捕囚]]などを経てユダヤ教が成立してゆく過程において唯一絶対神の性格を帯びるようになったとする説もある。四資料説においては、「エル」を神の呼称とする資料(エロヒム資料)に比べ、ヤハウェを神の名とする資料(ヤハウェ資料)は新しく、祭儀を祭司階級に担われたものと考える点などにおいて、先行資料と異なっている。
 
旧約聖書に於けるヤハウェは唯一神であり全世界の創造神とされ「宇宙の最高原理」のようなもので、[[預言者]]を除いた一般人にとっては、はっきりしない存在であるが、むしろ自ら人間たちに積極的に語りかけ、「妬む」と自称するほど感情的であり、[[創世記]]のとおり人類はヤハウェに似せて造られたことが伺える。ただし、広義では他の生物、物質も人類と性質が似ており、人類がヤハウェに似ていることは宇宙空間全体の事象に帰納できる。また、『創世記』第32章第31節~や『[[出エジプト記]]』第4章第24節~などには自ら預言者たちに試練を与える場面もあり、ヘブライ人たちがヤハウェを決してはっきりしないというだけではなく、預言者を通じて実在感のある存在と捉えていた事がわかる。
 
== 発音について ==