「社会保障」の版間の差分

構成を変更、修正
(構成を変更、修正)
'''社会保障'''(しゃかいほしょう、social security)とは、国民の社会的リスクである、老齢・[[病気]]・[[失業]]・[[傷害]]などの生活上の問題に対し、[[国家]]が[[収入|所得]]・[[医療]]を保障、・[[社会福祉]]サービスを提供することをいう。その根拠は[[基本的人権]]の一つである[[生存権]](国民が人間らしく生活する権利)に求められる。失業など、社会・経済が原因で貧困に陥るような問題については、個人の対応ではなく国が社会的な施策を用意することが大事であるということが、社会保障という言葉が生まれた際に込められていた意味である。
 
== 社会保障の歴史 ==
社会保障制度の前史は、社会が[[封建制]]から[[資本主義]]に移行する頃、[[イギリス]]で救貧税をつくり、働く能力はあるが働かない窮民を救済したのが制度的な始まりと言われている。資本主義が定着していくと資本家から、[[失業]]は個人の問題であり、国による貧民救済は有害との主張がなされた。[[ドイツ]]では、防貧のために[[労働者]]が自分たちの賃金の一部を出し合って助け合う[[共済組合]]を作ったが、不況や失業による貧困が深刻すぎ全ての人を救済しきれなかった。そこで[[労働者]]は、自分たちの生活保障を国と資本家で行うよう主張した。結果として[[1883年]](日本では明治18)[[ドイツ]]で初めて国の制度として社会保険が実現した。社会保険制度を創設しつつ社会主義運動を弾圧する鉄血宰相[[オットー・フォン・ビスマルク]]の政策は「飴とムチ」の政策と呼ばれる。このとき保険料には、労働者だけでなく、雇用主や国の負担が導入された。
 
社会保障という言葉は、[[1935年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で制定された社会保障法(Social Security Act)で初めて使われた。イギリスでは、戦時中の[[1942年]]に[[ベヴァリッジ]]が「社会保険と関連サービス」と題したベヴァリッジ報告を提言、戦後の社会保障の理想的体系を示し、その後多くの国の社会保障の発展に大きな影響を与えた。
 
財政方式をドイツのように社会保険を中心とする国と、イギリスの医療制度のように税を用いる国などタイプは分かれるが、様々な手段を用いて社会保障制度が発展していった。
 
== 社会保障の定義 ==
社会保障は「目的」と「制度」を分別して説明されることが多く、目的は多くの国で共通するが、制度の中身や仕組みは国によって相当異なり、経済的な保障のみを指す国もある。このため近年、ILOやEUなどでは、Social Security(社会保障)という言葉に代わって、Social Protection(社会保護あるいは社会的保護と訳される)という言葉を用いて、制度概念の統一化を図っている。
 
== 日本世界の社会保障 ==
社会保障制度の前史は、ヨーロッパから始まる。社会が[[封建制]]から[[資本主義]]に移行する頃、[[イギリス]]で救貧税をつくり、働く能力はあるが働かない窮民を救済したのが制度的な始まりと言われている。資本主義が定着していくと資本家から、[[失業]]は個人の問題であり、国による貧民救済は有害との主張がなされた。[[ドイツ]]では、防貧のために[[労働者]]が自分たちの賃金の一部を出し合って助け合う[[共済組合]]を作ったが、不況や失業による貧困が深刻すぎ全ての人を救済しきれなかった。そこで[[労働者]]は、自分たちの生活保障を国と資本家で行うよう主張した。結果として[[1883年]](日本では明治18)[[ドイツ]]で初めて国の制度として社会保険が実現した。社会保険制度を創設しつつ社会主義運動を弾圧する鉄血宰相[[オットー・フォン・ビスマルク]]の政策は「飴とムチ」の政策と呼ばれる。このとき保険料には、労働者だけでなく、雇用主や国の負担が導入された。
[[日本国憲法]]第25条において以下のように記され、生存権が確認され、社会保障が規定されている。
 
しかしここでは、社会保障の内容については一切触れられていない。
社会保障という言葉は、[[1935年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で制定された社会保障法(Social Security Act)で初めて使われた。イギリスでは、戦時中の[[1942年]]に[[ベヴァリッジ]]が「社会保険と関連サービス」と題したベヴァリッジ報告を提言、戦後の社会保障の理想的体系を示し、その後多くの国の社会保障の発展に大きな影響を与えた。
 
財政方式をドイツのように社会保険を中心とする国と、イギリスの医療制度のように税を用いる国などタイプは分かれるが、様々な手段を用いて社会保障制度が発展していった。
 
 
== 日本の社会保障とその歴史 ==
[[日本国憲法]]第25条において以下のように記され、生存権が確認され、社会保障が規定記述されている。
:一、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
:二、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
ここでは、社会保障の内容についての記述はなく、前述の社会保障制度審議会の定義が説明としてよく用いられる。
 
[[1961年]] 「国民皆保険」「国民皆年金」達成
[[1973年]] 老人医療費無料化など「福祉元年」と呼ばれる
[[1983年]] 老人保健制度実施
[[2000年]] 公的介護保険制度実施
 
=== 社会保障の費用 ===
[[1980年代]]後半から[[出生率]]や[[経済成長]]率の低下で「社会保障の危機」が言われ、制度改革は現在の日本における最大の課題のひとつとなっている。人口の高齢化は世界で最もスピードが速く、日本の社会保障改革は全世界が注目しており、年金・医療・介護などの制度のあり方や、財源の確保が国民的課題となっている。
 
給付と負担のレベルをどう設定し、制度を維持・充実していくかが問われているが、現在の社会保障給付は、7割が高齢者に充てられており、人口の高齢化による義務的経費の増加が若年世代の負担を年々増やしている。少子化を食い止めるため、児童手当の充実など子育て世代への支援や、若年世代への失業対策、住宅などの関連施策の充実、男女共同参画社会の実現が急がれている。小泉総理大臣は「小さな政府」を目指かしこうった施策を推進すための、社会保障の明確な理念はいまだ構築されていない。
 
小泉構造改革は「小さな政府」を目指しており、[[公立]][[保育所]]の民間委託や営利企業の認可保育への参入を実施し、株式会社の医療への参入を目指すなど、福祉・医療制度の「規制緩和」が議論されている。民間活力の導入という掛け声の下に、医療、福祉、教育などの公的な分野に対する政府の責任・役割を縮小し、[[企業]]を参入させ、[[市場]]原理の導入を図ろうとしている。
 
=== 社会保障への関心(世論調査) ===
[[2005年]][[9月]]、[[内閣府]]は「[[国民]]生活に関する[[世論調査]]」の結果を発表した。「今後、[[政府]]に対して、力を入れてほしいと思うこと」(複数回答可)との質問では、「医療・年金等の社会保障構造改革」を挙げた人が61.3%(昨年調査より6.4%減)で最も多く、ここ数年トップだった「景気対策」を2年連続で上回った。以下「景気対策」(53.5%)、「高齢社会対策」(45.5%)、「雇用・労働問題」(37.0%)などの順となっている。
* [http://www8.cao.go.jp/survey/index-ko.html 国民生活に関する世論調査]
 
=== 年金改革 ===
年々増加する給付費に加えて、国民年金保険料の未納率の上昇や、国会議員の国民年金未納問題、社会保険庁の無駄遣いが取りざたされた結果、公的年金制度への不信感が強まっている。職業や制度によって異なる保険料や給付内容の問題を解消すべく「年金制度の一元化」が課題となっている。また、働く女性に比べて「サラリーマンの妻(専業主婦)」が制度上優遇されていると言われているが、問題の解決を見ていない。
 
2004年12月に政府・与党がまとめた「税制改革大綱」では、2005,2006年度には各種の増税とともに「年金、医療、介護等の社会保障給付全般に対する費用の見直し等」を考慮し、2007年度には「[[消費税]]を含む抜本的税制改革を実現する」案を発表している。
 
=== 社会保障審議会 ===
日本の国全体の金の流れは個人消費が6割を占めその中心である。日本経済の状態は個人消費の大小にかかっている。社会保障の規模が縮小し、将来に不安を抱えたままでは国民一人ひとりの購買意欲が高くならない。社会保障のもたらす安心感や国民の健康は社会全体の購買力を保ち、経済を活性化させる。このことは、企業にとっても重要なことである。
また、社会福祉サービスの充実は直接的に雇用を創出し、消費を増やすため、経済を活性化させるもととなる。
 
=== 年金改革 ===
年々増加する給付費に加えて、国民年金保険料の未納率の上昇や、国会議員の国民年金未納問題、社会保険庁の無駄遣いが取りざたされた結果、公的年金制度への不信感が強まっている。職業や制度によって異なる保険料や給付内容の問題を解消すべく「年金制度の一元化」が課題となっている。また、働く女性に比べて「サラリーマンの妻(専業主婦)」が制度上優遇されていると言われているが、問題の解決を見ていない。
 
=== 所管省庁 ===
匿名利用者