「オオウキモ」の版間の差分

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'''オオウキモ'''({{snamei|Macrocsytis pyrifera}})は、[[不等毛植物門]][[褐藻|褐藻綱]][[コンブ目]][[コンブ科]]に属する[[海藻]]である。英名の'''ジャイアントケルプ'''(Giant Kelp)が用いられることも多い。既知の[[藻類]]の中では最大種である。
 
根状部で海底の岩に付着し、上方に向かって茎状部や葉状部を成長させていく。その成長のスピードは著しく速く、一日に50cm近くも成長することもある。茎状部には空気をためた浮き袋が付いているため、これにより海中で直立して浮いていることができる。茎状部は海面に達するまで伸び続け、50m以上に達することもある。海面に達した後は、海面上に広がるような形で成長する。
 
== 生態 ==
[[ファイル:KelpAquarium.jpg|left|thumb|200px|モントレー水族館の展示]]
オオウキモが密集した場所では、「ケルプの森」と言われる海底から海面に及ぶ長大な[[藻場]]が形成される。海中に林立し、さらに海面を覆い尽したオオウキモを側柱と天蓋に見立てて、「カテドラル(大伽藍)」などと呼ばれることもある。この藻場は[[生物多様性]]に富んでおり、[[カニ]]などの[[甲殻類]]・[[ウニ]]や[[ヒトデ]]などの[[棘皮動物]]、[[魚類]]、そして[[アザラシ]]や[[ラッコ]]などの海獣類のコロニーとなっている。特にラッコは、海流により藻場から流されないように布団にくるまるようにオオウキモを体に巻きつけて眠る習慣がある。カリフォルニア州にあるモントレー水族館([[:en:Monterey Bay Aquarium|Monterey Bay Aquarium]])ではオオウキモと魚を配した「ケルプの森」大水槽が人気を博している。
 
日本の水族館においてはかつては展示していなかったが、1981年の[[神戸ポートアイランド博覧会]]の[[芙蓉グループ]]パビリオンでは、長大なオオウキモの標本がパビリオンの内側の壁面いっぱいに巻くような形で展示されていた。その後、
日本でも類似の展示を行う[[水族館]]がある。[[のとじま水族館]]ではオオウキモの水槽の中でアザラシを泳がせ、[[海遊館]]では熱帯魚を泳がせ、それぞれケルプの森とその生物コロニーを再現しようとしている。
*[[のとじま水族館]]
*[[葛西臨海水族園]]
で、実際にジャイアントケルプを植えてケルプの森を再現した水槽が展示されたことがある。ちなみに[[海遊館]]のケルプの森水槽に展示されていたジャイアントケルプはイミテーションである。
 
== 分布 ==
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== 利用 ==
オオウキモは食用に供さないため、従来採集されることはなかった。しかし近年、オオウキモに含まれる[[アルギン酸]]が健康に良いと標榜されたため、{{要出典範囲|アメリカを席巻している[[健康ブーム]]に乗って、[[サプリメント]]などの材料としてオオウキモは乱獲が続いている。|date=2010年1月}}{{要出典範囲|沿岸海域の埋め立て・水質汚染・海水温上昇などともあいまってアメリカ沿岸のオオウキモは激減しており、近い将来に藻場の豊かな生態系もろともオオウキモの森は消滅するものと予想されている。|date=2010(テレビ朝日「素敵な宇宙船・地球号」200615}}28日放映分より)
 
 
日本の水族館においてはかつては展示していなかったが、1981年の[[神戸ポートアイランド博覧会]]の[[芙蓉グループ]]パビリオンでは、長大なオオウキモの標本がパビリオンの内側の壁面いっぱいに巻くような形で展示されていた。
 
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