「発癌性」の版間の差分

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また、[[慢性肝炎]]からのがん化や、DNA損傷に起因しない発がん機構をもち、いずれも長期間にわたる炎症反応ががん化を誘導するとされている。
[[石綿|アスベスト]]吸入や[[たばこ]]の喫煙による[[肺癌]]の発病などは、これらに含まれる微細な亜鉄が肺に入り形成される「フェリチン」というたんぱく質が、大気中などにある放射性物質ラジウムを集めて蓄積させ強力な内部被ばくが起きる事が原因と解明されている(日本学士院発行の自然科学系英文学術誌に論文掲載)。
 
長期の炎症反応は、がん化を促す2つの効果、すなわち (1) 細胞増殖の活性化と、 (2) TNF-α、NF-κBを介した抗[[アポトーシス]]作用を引き起こす。がん化誘導において、(1) と (2) はがんの持つ槍と盾のようなものであるといえる。(1) で細胞増殖が活性化されると、DNA複製が通常より活発になる。その結果、DNA複製の際にエラーが起こりやすくなったり、外部因子に影響されやすくなって変異を導入してしまう。通常、このようなDNAの突然変異は[[p53]][[タンパク質]]などの働きによって修復されるが、(2) の作用によってp53の作用が打ち消された結果、正常なDNA修復が行われなくなり、発がんが誘導されるのである。(Nature, 431, 461-466, 2004 および PNAS, 103 (27), 10397-10402, 2006)