「蛇形記章」の版間の差分

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== 概要 ==
蛇形記章は女神[[ウアジェト]]の象徴である。ウアジェトは[[エジプト神話]]の中でも最古の神の1つで、コブラとして描かれることが多い。その信仰の中心地はかつてペル・ウアジェト (Per-Wadjet) と呼ばれていたが、後にギリシア人が[[ブト]]と呼んだ。[[ナイル川]]デルタ]]地帯の守護神とされ、さらに[[下エジプト]]全域の守護神とされた。そのため[[ファラオ]]が頭部に蛇形記章をつけるようになった。当初はウアジェトの神像を頭につけたり、頭を取り巻く冠を被ったりしていたが、その後も常に冠の装飾の一部として残った。これはウアジェトの庇護と領土の支配権を表していた。蛇形記章をつけていることはファラオであることと同義であり、蛇形記章が支配者であることの合法性を示している。紀元前3千年紀の[[エジプト古王国]]時代から既にこの伝統が存在した証拠が見つかっている。ウアジェトと関連の深い女神やウアジェトの特定の面を表した女神も、蛇形記章を身につけた姿で描かれている。
 
エジプト全土統一に際して、[[上エジプト]]の守護神で白い[[ハゲワシ]]の姿で描かれる[[ネクベト]]もウアジェトを表す蛇形記章と共にファラオの王冠に追加されるようになり、ファラオが上下エジプトの支配者であることを表した。それぞれの信仰が深かったため、それらを[[習合]]することができなかった。そのためこの2柱の女神を「2人の貴婦人 ([[:en:Two Ladies|The Two Ladies]])」と呼び、統一エジプトの共同守護神とした。