「鉱物学」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
11行目:
* 温度・圧力・時間と元素の化学反応との関係を解明し、鉱物の生成過程を実証すること(無機化学)。
* 極限状況下での鉱物の物性を解明し、例えば地球深度における鉱物の状態を予測すること(固体物理学)。
の2分野が主流となりつつある。また、近代鉱物学の延長にある結晶学的手法も長足の進歩を遂げ、人工では合成出来ない結晶構造の物質を見いだすに至った。つまり、最先端の鉱物学は「天然の結晶を対象とした無機化学固体物理学および結晶学」であるとも言える。現に鉱物学者から無機化学者や固体物理学者、材料科学者へ転身する例は珍しくない。一例として[[高温超伝導]]物質を最初に発見した一人である[[ヨハネス・ゲオルグ・ベドノルツ]]は、元々ペロブスカイト構造型鉱物について研究していた鉱物学者である。
 
一方、鉱物学では鉱物の産地ごとの差異についても引き続き研究を行っている。よって、鉱物学にとって[[フィールドワーク]]の重要性は衰えていない。一般的に鉱物の化学組成や結晶構造は無機化合物としては非常に複雑である。また産地ごとの変異も多く、未だに人工環境下で合成できない鉱物は多数ある。したがってフィールドワークによって、産出する鉱物の記載とその周辺の環境を記録していく事についての学問的意義は大きい。