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== キラリティ(掌性)の効果 ==
液晶を構成する分子が[[不斉炭素]]を持ち、系が[[ラセミ体|ラセミ]]ではなく[[キラリティ]]を有する場合には液晶の分子軸の配向方向が空間で連続的に変化し、その結果として巨視的な螺旋構造が出現する。螺旋の周期は分子種により異なるが、周期に対応した光を反射する性質があるので、螺旋周期が可視光の波長程度となると、呈色する。液晶によっては温度により螺旋周期が変化する。これを活用したのが液晶温度計である。螺旋構造を持つネマティック液晶を[[コレステロール#コレステリック液晶|コレステリック液晶]]と呼ぶ。これは、この種の液晶がコレステロール誘導体で最初に発見されたためである。コレステリック液晶は熱力学的にはネマティック液晶と区別がないので、[[ネマティック液晶]]の一種としてキラルネマティック液晶(Chiral Nemaic Liquid Crystal)と呼ぶこともある。スメクティック液晶で不斉による影響が出る場合はキラルスメクティック液晶(Chiral Smectic Liquid Crystal)と呼ぶ。
 
キラル液晶の不斉の起源のほとんどは分子中に含まれる不斉炭素であるが、軸不斉が使われることもある。最近、不斉炭素を有しないベントコア分子からなる液晶でも巨視的なキラリティが出現することが見いだされているが、その巨視的なキラリティの発現機構は必ずしも明確ではない。