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'''イワヒバ科'''(Selaginellaceae)は、[[ヒカゲノカズラ植物門]]に属する科のひとつである。その姿は[[ヒカゲノカズラ科]]のものによく似ているが、いくつかの重要な点で異なっている。
== 概説 ==
イワヒバ科は唯一の属である'''イワヒバ属'''のみを含む。この属には約800の種が知られ、[[日本]]からは17種が知られているが、栽培されているものもある。
地上生のものから、岩や樹上に[[着生植物|着生]]するものまである。形態はさまざまで、基本的には細長い茎が枝分かれしながら伸び、その表面に鱗片状の葉を密生する。[[クラマゴケ]]のように小型で
これらの特徴は[[ヒカゲノカズラ科]]のものと共通する点が多く、類似した姿のものもある。一般的にはヒカゲノカズラ科のものは茎の周囲に螺旋状に葉をつけるのに対して、イワヒバ科の場合、茎に腹背があって、葉にもそのような区別があり、やや偏平な姿のものが多い。しかし、このような区別以外に、重要な差が
== 担根体 ==
[[担根体]]は、この科と[[ミズニラ科]]に見られるもので、茎から下に伸び、そこから根を出す構造である。クラマゴケ類では観察がたやすい。地表を横に這う茎の分枝部から出る茎か根のようなもので、下向きに伸び、その先端部からは根が地中に伸びる。見かけ上は[[種子植物]]の[[気根]]のようなものである。
これが[[茎]]であるか[[根]]であるかについては、長く議論の対象となってきた。根であるとする説の根拠は、根と同じく正の[[屈地性]]を表し、構造的にも根と同じである点で、しかし[[根毛]]や[[根冠]]がない点では根とは異なる。また、茎であるとの説もあるが、先述のように根に近い性質が強く、葉を生じない点などで茎とは区別できる。むしろ根を生じる茎のような構造として、この類では根・茎・葉とこの担根体の
== 胞子と前葉体 ==
この類の胞子は茎の先端部に多数の[[胞子葉]]が集まってできた胞子葉穂の部分にできる。[[胞子
この胞子が発芽すると前葉体になる訳だが、この類の前葉体は特殊で、胞子の壁を破って外へ伸び出す事なく、胞子の壁の中で成熟する。このような前葉体を、特に'''内生型'''という。雄性の前葉体では、胞子の内部に造精器が形成されるような格好になり、破れて[[精子]]を放出する。精子は先端に
このような前葉体を形成するのは、現生の[[シダ植物]]ではこの類だけである。しかし、より広く考えれば、外で大きく発芽せずに発達する[[配偶体]]は[[種子植物]]に見られるものである。イワヒバ類の前葉体の内部で受精が起こり、[[胚]]が発達する形は種子植物の[[胚
さらに、大胞子
== 分類 ==
熱帯を中心に世界に800種が知られる。葉がすべて同型なものをコケスギラン亜属 subgen. ''Selaginella''
イワヒバ科 Selaginellaceae
* イワヒバ属 ''Selaginella''
** コケスギラン亜属 ''Selaginella''
*** コケスギラン ''S. selaginoides'' (L.) Link
*** ヒモカズラ ''S. shakotanensis'' (Franch. ex Takeda) Miyabe et Kudo
** イワヒバ亜属 ''Stachygynandrum''
*** [[イワヒバ]] ''S. tamariscina'' (Beauv.) Spring
*** [[カタヒバ]] ''S.involvens'' (Sw.) Spring
*** [[クラマゴケ]] ''S. remotifolia'' Spring
*** オニクラマゴケ ''S. doederrleinii'' Hieron.
*** タチクラマゴケ ''S. nipponica'' Fr. et Sav.
*** コンテリクラマゴケ ''S. unicata'' (Desv.) Spring
[[CATEGORY:シダ類]]
[[bg:Selaginella]]
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