「ワーキングメモリ」の版間の差分

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=== Baddeley と Hitch のモデル ===
Alan Baddeley と Graham Hitch は1974年にワーキングメモリのマルチコンポーネントモデルを提案した<ref>Baddeley, A.D., Hitch, G.J. (1974). Working Memory, In G.A. Bower (Ed.), ''Recent advances in learning and motivation (Vol. 8, pp. 47-90), New York: Academic Press</ref>。この理論では2つのスレーブシステムが情報の一時的な保持と操作を行い、1つの中央実行系(central exective)が情報の統合とスレーブシステムの管理を行うとされている。スレーブシステムの1つは音韻ループ(phonological loop)と呼ばれ、音声情報を格納し、その内容を“心の中で声に出して繰り返す”ことで記憶痕跡をリフレッシュして破壊を防ぐ。例えば、7桁の電話番号を忘れる前にできる限り何度も繰り返すことで記憶痕跡を維持し続けるのである。もう1つのスレーブシステムは視空間スケッチパッド(visuo-spatial sketch pad)であり、視覚的および空間的情報を格納する。例えば、心の中でイメージを作り上げ操作したり、[[メンタルマップ]]を表現したりする。スケッチパッドは視覚システム(形、色、質感などを扱う)と空間システム(位置を扱う)に分けられる。中央実行系は、その時点での生体の目標にとって適切な情報に注意(attention)を向けさせ、瑣末な情報や不適切な行動を抑制し、同時に複数のことをしなければならない時の下位認知プロセス間の調整を行う。最近、Baddeley (2000) はこのモデルに第4のコンポーネントであるエピソード・バッファ(episodic buffer)を追加した。これは、音声/視覚/空間情報を統合した表現を保持し、さらに長期記憶情報(意味情報や音楽情報など)へのアクセスと統合も担当する。エピソードと呼ばれるのはエピソードとして関連する情報を統合すると見なされているためである。エピソード・バッファは長期記憶の一部である[[エピソード記憶]]に似ているが、短期的な記憶であるという点で異なる。
 
=== Cowan のモデル ===
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