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}}</ref>。とても可愛く、人によくなつくため、多くが愛玩用の[[ペット]]として飼育されている。本項ではこれについて解説する。
 
一方、広義の「ネコ」は、ネコ類([[ネコ科]]動物)の一部、あるいはその全ての獣を指す包括的名称を指す。しばしば、[[家畜]]種の「'''イエネコ'''」に加えて[[ヤマネコ|広義のヤマネコ]]類を含む。特に学術用語としては、[[英語]]の「[[wikt:cat|cat]]」と同様、[[トラ]]や[[ライオン]]などといった大型種を含む全てのネコ科動物を指すことがある。
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==== 鼻の使い方 ====
イヌと違って嗅覚を狩りに利用することはほとんどない。イヌとネコの狩りの仕方の違いによる。ネコは、嗅覚を「これは食べられるものかどうか」ということと、[[縄張り]]の確認に主に使うと言われる。ネコは[[頬腺]]などから出る[[分泌物]]や[[尿]]などによって自分の臭いを付け、そこを縄張りとする。そのほかにも、仲間同士のコミュニケーションのために臭い付けをし、飼い主やほかのネコに対して行われる。例えば、ネコが飼い主の足に顔をすり寄せるのは、頬腺などから出る分泌物を付け、「自分の物」というマーキングをしているわけである。
 
==== フレーメン反応 ====
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[[舌]]は薄く締まっており、表の面には多数の[[鉤]]状突起があってザラザラしているが、これは骨に付いた肉をしゃぶりとるのに適応したものである。この突起は[[グルーミング|毛繕い]]や水を飲む際に役立つ>|この特質と形状を模してパソコンの[[ポインティング・スティック]]には猫の舌状のものが製品化されている<ref>[http://shopap.lenovo.com/SEUILibrary/controller/e/jpweb/LenovoPortal/ja_JP/catalog.workflow:item.detail?GroupID=38&Code=73P2698&current-category-id=E9ADAEB6787146E29B78400A33E7FE8A&&hide_menu_area=yes Lenovo ThinkPlus トラックポイント・キャップ・コレクション]</ref>。
 
熱い食べ物が苦手な人を「[[猫舌]]」と俗称するが、ネコのみが特に熱いものを嫌うというわけではない。野生動物は全般的に加熱調理した食物を食べることがほとんどないので、熱いものに慣れていないためである。[[山火事]]などの後に屍肉を漁るくらいしか、熱を持った食物を口にする機会はない。
 
家の中や自分の縄張りなどでリラックスしているネコは、しばしば舌をしまい忘れることがある。舌を指で触れるとネコはしまい忘れていることに気づくが、たいていの場合はからからに乾いているので、思うようにしまうことができない。そのような場合には水を与えてやるとよい。
 
[[ネコ科]]の動物に共通する特徴であるが、[[味蕾]]が他の哺乳類とは異なっており、[[甘味]]を認識することができない。その一方で[[アミノ酸]]に対する反応は強く、特に[[苦味]]を認識する味蕾は多くある。これはアミノ酸が[[腐敗]]したときの苦味を強く感じることによって、腐肉を食べることを避ける役割を担っていると考えられている。ネコの食物に対する嗜好は、これらの味蕾の構成の違いが要因の一つと考えられている。
 
=== ひげ ===
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メスネコは、おおむね2 - 6匹程度の子を妊娠する。乳房は5対あるのが一般的。妊娠期間は60日程度である。
 
出産は一般的に軽く、人や[[獣医師]]が手を貸す必要のないケースがほとんどである。子猫は出産直後は[[羊水]]で濡れているが、母猫が舐めて乾かし、数時間でふわっとした毛並みになる。母猫は出産当日は授乳に専念し、食事はあまり摂らないようである。代わりに後産で出た[[胎盤]]を栄養分として食べることが多い。
 
メスネコは年3 - 4回の出産が可能であり、年2回の出産は珍しくない。授乳期間中であっても交尾・妊娠する。
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| image1 = Cat-eating-prey.jpg
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| alt1 = イエスズメを食べる
| caption1 = イエスズメ
 
| image2 = Mouse kill.jpg|thumb
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| alt2 = ネズミを食べる
| caption2 = ネズミ
}}
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| image1 = Feral-kitten-eating-adult-cottontail-rabbit.jpg
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| alt1 = ウサギを食べる
| caption1 = 与えられたウサギを食べる仔猫<ref>http://stockvalues.org/cats-eat-rabbits</ref>。
}}
 
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ただ、世界にもあまり例がないが日本では人間の残飯の冷や飯に汁をかけた「[[ねこまんま]]」が近年まで普遍的なネコの飼料であり、現在でも依然ねこまんまをネコに与えている家庭は多い。これはネコが米中心の雑食でも飼育可能なことを実証するものだが(科学的な解明もされていないが、目立った健康被害は報告されていない)「ネコに餌をやりすぎるとネズミを捕らなくなる」といった飼育上の常識があり、穀物性の飼料のみでネコが栄養的に充足することを証明するとは言いがたい。
 
また、ネコは[[燕麦]]など背の低い草を食べる習性がある。理由は未だ明らかでないが、毛繕いのときにどうしても呑み込んでしまって蓄積した体毛を、草の[[繊維]]に引っかけて、まとめて排泄するためとする説や、植物性のビタミンや[[葉酸]]を草から直接摂取しているなどの説が有力である{{誰|date=2010年3月}}。どのネコにも共通しているのが、[[イネ科]]植物を好んで食べるということである。ペットショップでは飼い猫用に「猫草」として種や栽培キットなどが売られている。
 
日本では「ネコは肉より魚を好む」というイメージが強いが、多分に誤解による。『[[トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜|トリビアの泉]]』([[フジテレビジョン|フジテレビ]])による検証<!--(????年何年でしたっけ?)-->で、ネコに魚と肉の両方を自由に選ばせたとき、被験対象の全てのネコが肉の方を選択した。解説担当の学者の説明によると、ネコが何よりも魚を好むというのは全く根拠のない話であり、魚食中心で肉食をしなかった中世から近世にかけての時代の<!--( )内は学者の言でなく編集者の補足。Cyclops 2009-09-->日本でネコを飼う習慣が広まったことや漁業従事者が好んで飼っていたことが、そのような印象を定着させたと述べている<ref group="脚注">ただし、米国製アニメ『[[トムとジェリー]]』において、ジェリーがネズミ捕りのチーズを魚と取り替えてしまったところトムがひっかかってしまう、というエピソードがある{{いつ|date=2010年3月}}など、ネコが魚を食べること自体は(肉とどちらを好むかという比較はともかく)日本以外でも知られている。</ref>。
 
ドッグフードも好んで食べるが、ネコにとっての必須栄養素である[[タウリン]]はドッグフードにはあまり多く配合されていないので、キャットフードを与えるのが無難とされる。
 
== ネコに与えてはいけない食 ==
; ユリ・タマネギ等のユリ科の植物
: {{Main|タマネギ中毒}}ネコやイヌにとって[[ネギ]]や[[タマネギ]]、[[ニンニク]]、[[ラッキョウ]]などといった[[ユリ科]]の植物は極めて有毒であり、飼育時にはネコなどが誤って口にしないよう注意が必要である。多少は個体差もあるのでごく少量の場合は異常が見られないこともあるが、ひとかけら食ただけでも死に至る場合がある。毒性は加熱によっても消えず、[[だし汁]]([[エキス]])などにも含まれる。また、[[ユリ|ユリ属]]の植物は特に有害であり、全ての部位に毒性があり、体毛に付着した花粉を舐めただけで死亡した例も報告されている。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の愛猫団体であるCFAは、これらの植物をネコに近づけないように勧告している。ハンバーグなどの練り製品、人間用のビーフジャーキー、すき焼き(の肉)、牛丼や茶碗蒸し、カップ麺などにも含まれることがある。
; アルカロイド類
: [[アルカロイド]]を含む多くの植物は中毒の原因となる。また、[[種子]]類・[[球根]]は全て有害と考えられている。[[カフェイン]]を含む、コーヒーや紅茶等を飲ませてはならない。
; イカ、タコ、エビ、カニ、貝等の一部の[[魚介類]]
: [[イカ]]や[[タコ]]を与えてはいけないとされるが、これにはある程度誤解も含まれている。イカなどに含まれる[[酵素]]である[[チアミナーゼ]](サイアミナーゼ)は[[チアミン|ビタミンB1]]を破壊するため、長期にわたって摂取した場合、背骨の変形を引き起こすなどし、寿命も短縮される。これが「イカを食べると腰を抜かす」と言われる所以である。チアミナーゼは、イカ・タコ・[[貝類]]といった[[軟体動物]]のほか、[[エビ]]・[[カニ]]など[[甲殻類]]や[[コイ]]・[[ワカサギ]]などの[[淡水魚]]にも含まれている。しかし、チアミナーゼは熱によって失活するため加熱すれば問題はなく、イカ・タコなどはネコにとっての必須栄養素である[[タウリン]]を豊富に含むため、ネコには好まれ、イカ入りのキャットフードも存在する。ただし、イカ・タコなどは消化があまりよくないため、多量に摂取すると消化不良を起こす。また、乾物である[[スルメ]]などは、多くの水分を奪うという別の理由からも無闇に与えるべきではない(パック包装などを施された湿り気のある商品はこれに当たらない)<ref group="脚注">ネコの癒し効果を売りにしている店がこの誤解によってしばしば非難されるが、店がネコの餌として販売しているのが湿り気のある燻製イカなどである場合、問題があるとしても与える量だけである。</ref>。
: なお、魚には基本的にビタミンB1が含まれていないため、肉を与えず魚だけで育てた場合も、寿命が短縮する。市販のキャットフードなどはビタミンB1を添加してあるため、魚が主原料であっても気にする必要はない。
; アワビ、サザエ、ノリ
: 死亡する危険はないが、[[アワビ]]や[[サザエ]]、[[ノリ]]を食べさせると耳が腐れ落ちると言われる。アワビやサザエは餌としている[[海藻]]に含まれる[[クロロフィル]]が、動物の体内に摂り込まれた状態で日光に当たると化学変化を起こしてピロフェオホルバイド a という毒成分に変質することに基づいている。アワビなどはクロロフィルを内臓に溜め込んでいるので、これを食べると成分も体内に入る。ネコの体は被毛で覆われているため、たとえ日に当たっても光は皮膚までは届かず問題ない。しかし、耳だけは被毛が薄く、毛細血管にまで日光が届く。そのため、化学変化で毒成分が造られ、炎症を起こして激しい痒みを生じる。ネコは耳を激しく掻きむしり、取れるまでそれを続けてしまう。あるいは、毒成分によって耳の組織が壊死してしまい、取れてしまう<ref>塩見一雄・長島祐二共著 『海洋動物の毒』 成山堂書店。</ref>。味ノリなどは匂いだけで食べさせろとせがむことが多く、また好んで食べるが、耳だれや目やにが出るので与えるべきではない。
; 家庭薬等
: [[グルクロン酸]]抱合能力が低いことなど、ヒトとネコの違いゆえに、風邪薬<ref group="脚注">例えば、鎮痛解熱剤として用いられるアセトアミノフェンは肝障害等を起こすためイヌやネコへの使用は禁忌とされる</ref>に代表される(ヒトでは問題ない)家庭薬や、エチレングリコール<ref group="脚注">自動車の冷却水に使用されるLLCとして一般的</ref>、ミノキシジル<ref group="脚注">壮年性脱毛に有効な外用薬だが、薬が付着した頭部をネコがなめるだけでも心機能に問題が起こり得るとされる</ref>、[[α-リポ酸]]<ref group="脚注">ダイエット目的のサプリメントとして用いられるが、ネコにとっては肝機能障害を引き起こす。</ref>など身近な薬品での中毒事故が起こりうる。
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=== 獲物を持ち帰る ===
[[ネズミ]]や[[スズメ]]などの獲物を捕まえた際、その場で食ずに安全な場所まで運んでから食べる習性がある。母猫の場合は子猫に獲物を与えることで何が食べられるのかを教える。特に生きたまま与えることで狩りの訓練をさせるという側面がある。飼い猫や[[地域猫]]の場合も、よく懐いた人<!--下段の「ヒト」は生物学的、こちらの「人」は通俗的。-->の元に獲物を持ち帰ったところを発見されることがある。
 
ネコが獲物を持ち帰る行動は、大抵の場合は飼い主を驚かす。獲物を持って帰る理由は定かではなく推測の域を出ないが、狩り下手の飼い主に餌を分け与えているつもりだとも考えられるし、よく懐いた人間を家族と見なしているゆえの行動かもしれない{{誰|date=2010年3月}}。前述のようにネコは家族に餌を運ぶ習性がある。したがって、持ちかえった「成果」を無下に捨ててしまうことは、ネコにショックを与えてストレスを溜めさせうる{{要検証|date=2010年3月}}。獲物の処分は冷静に、ネコが見ていないところでそっと済ませるべきである。
 
=== 蛇を食べる ===
野生に近いネコは[[ヘビ]]を捕食する能力がある。基本的にヘビより敏捷であるため、咬まれるケースはほとんどなく、また、ヘビの毒に対する耐性も強い{{要検証|date=2010年3月}}。日本猫の場合、成猫が[[マムシ]]の毒で死ぬことはなく、獲物を家屋に生きたまま持ち帰るケースも見受けられる{{いつ|date=2010年3月}}。