「末梢神経」の版間の差分

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'''末梢神経'''(まっしょうしんけい)は体の各部に存在する[[神経線維]]である

[[ヒト]]を含めた[[高等動物]][[解剖]]した初期の時代に、動物の正中部に集合して[[脳]]や[[脊髄]]を作る「[[中枢神経]]」と、中枢以外の体の各部に存在する細い多数の神経線維、すなわち「末梢神経」が分けられたと思われる。しかし脳や脊髄から細い[[神経]]が出る部分に、構造的な区切りが存在することはないので、これらの名称は便宜的なものと理解される(→[[神経]]の項を参照)。
 
高等動物では、[[中枢神経]]系が、[[本能]]的行動や、外部からの情報を統合し、個体の意思決定を担っているのに対し、末梢神経は外部から中枢への情報入力、また筋肉など効果器官への中枢からの出力を担っており、末梢・中枢神経の両者の協調によって個体全体の意味ある動きが行われる。集中神経系を持たない[[刺胞動物]]の場合は、全て末梢神経のみから成る。このような動物の場合、刺激を受け取った部分の神経網内の細胞が、何らかの局所的な反応を起こすことになる。類似した[[神経回路]]の様式が、高等動物においても、交感神経に見ることができる。[[交感神経]]の場合、[[ニューロン]]本体を含めて完全に中枢から独立した神経網が「交感神経幹」として存在している。このような交感神経の姿は、中枢と無関係に散在的・局所的な反射調節を維持している原始的な動物の神経の姿に類似している。これに対して「副交感神経」では、調節ニューロン本体は[[脳幹]]や[[仙髄]]に存在する。