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== キルケゴール ==
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[[セーレン・キェルケゴール|キルケゴール]]は、学位論文『イロニーの概念について』などでイロニーについて言及している。キルケゴールは、まず古典的概念としてのイロニーと、当時[[ドイツ]]で肯定的な評価が成されていた[[実存主義]]的概念としてのイロニーの2つに分類し、前者を[[ソクラテス]]のイロニー、後者を[[ロマン主義的イロニー]]とし、それらについて一定の評価を下しつつも、その問題点を挙げ否定的な見解を示している{{要出典|date=2007年11月}}。
 
ソクラテスのイロニーの、偽装によって徐々に気付かせるという方法としての有効性や、[[無知の知]]にみられるような次の段階に飛躍しようとする姿勢は、自身の提唱するいわゆる[[実存]]の三段階説(自身がこの説を定式化したという点については留保がある)の最低位である美的段階を脱しつつある状態ではあるけれども、問題点としてその否定の無限性、つまり否定を延々と繰り返し最終的には不毛を生み出すという性質を挙げ、そこにその強い[[利己主義]]を感じ批判している。ロマン主義的イロニーについては、典型例として[[フリードリヒ・シュレーゲル|シュレーゲル]]、[[ルートヴィヒ・ティーク|ティーク]]、[[ゾルガー]]を挙げ、彼らの、現実を転化させようという[[理想主義]]的な志向を評価し、同じく美的段階を脱しつつある状態であるとした。しかし、問題点として、ソクラテスのイロニーに見られた主体性の欠如を挙げ、外界の転化を目指すばかりで自己を否定しない彼らの自己保持性は結局自己の内部に根差した真理へと帰結するに過ぎないとして批判している。