「マイクロペイメント」の版間の差分

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== 理論と批判 ==
批判者は、マイクロペイメントがコンテンツユーザーにあまりにも多くの不便をかけるだろうと主張している。ユーザーは一般に定額料金を好み、少額の細かい変動料金は好まない。批判者は[[メンタルアカウンティング]]の考え方を引き合いに出し、個々の代金はどんなに少額でも、ユーザーにはそれが内容に見合った額かどうかを一々判断するという負担が生じ、それが大量に積み重なると、ユーザーへの精神的負担が大きくなって不便を生じるという。顧客が好みと価格を天秤にかけ、店同士を比較するという努力は、市場が希少資源を制限したり、フリーライダー問題に対処する限り必須となる。しかしこの努力も、価格がある下限より低くなるとやりがいがない。この主張は、取引価格の細かさが少額になるほど当てはまり、特に本来のマイクロペイメントの定義ではより適切である。従って、[[PayPal]]が実証したように1セント以上の単位での支払いというニッチ市場は存在するが、1セント未満の細かさでの決済システムは問題が多いというのが多くの批判者{{誰|date=2009年5月}}の主張である。
 
したがって、メンタルアカウンティングによる主張は例えば、[[検索連動型広告]]や Digital Silk Road<ref>[http://www.agorics.com/Library/dsr.html The Digital Silk Road] by Norman Hardy and Eric Dean Tribble、Agorinc, Inc.</ref> に代表される「ナノペイメント」を対象としたものと言える。
 
インターネットでのマイクロペイメントについてのもう1つの批判として、例外事象を扱うコストがある。実世界では、駐車メーターや自動販売機に硬貨を投入する際、人々は機械が故障しているかもしれないと多少は思っている。人々がそのような購入を決定するとき、そういった結果も考慮に入っていると考えられる。デジタルの世界では、顧客はたとえ少額であっても遥かに高い品質を想定・要求する。1回顧客が問題を申し立てると、その解決には1ドルから20ドルかかり、それによって数十から数百の取引の利益が相殺されてしまう{{要出典|date=2009年5月}}。
 
マイクロペイメントの実例のほとんどは1セント以上の単位での取引である。Yoho! Puzzle Pirates の中での最小通貨単位は "doubloon" だが、これは0.20ドルから0.25ドルに相当する。アップルは [[iTunes]] での価格粒度をかなり大きく設定したので(99セント)、マイクロペイメントシステムの価格しきい値を押し上げると見られている。一般にインターネットでの買い物は実世界の買い物より予算が高く、顧客は細かい(100円未満、1ドル未満の)差を気にしないことが多い。そのため、価格粒度は伝統的な市場よりも多少大きくなるという予測がなされていたが、アップルの方針はそれと一致している。しかしインターネット接続コストが下がり続ければ、低収入のインターネットユーザーも増えるので、現在の傾向は変わっていくと考えられる。製品の品質という観点では、例えばスティーブン・キングの著作なら1章をドル単位の価格で販売できるが、もっと無名の作家なら1セント単位でしか販売できないかもしれない。ただし、作家が自国以外の人々にも作品を販売できる可能性があり、例えば英語圏の作家ならインドという大きな市場があるため、低価格化することで収入が増えることも考えられる。
 
ユーザーが自分の好みを入力して保持しておくような新たなインタフェースが登場すれば、メンタルアカウンティングの問題は解消されるとする人もいる{{誰|date=2009年5月}}。しかし、マイクロペイメントのプロバイダはそのような対処ができておらず、決済コストの削減に集中しているのが現状である。
 
別の批判として、クレジットカードが基盤となっている点が挙げられる。そのため、[[先進国]]であっても[[未成年者]]などはクレジットカードを持っていないことが多く、カードを友人から借りるのも不便である。これに対しては、代替となるプリペイドカードが普及しつつあり、問題が解消されつつある。
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