「ルチアーノ・パヴァロッティ」の版間の差分

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声域は[[テノール]]。“神に祝福された声”・“キング・オブ・ハイC([[ハ (音名)#各オクターブのハ|二点ハ]]の王者)”と評された豊麗な美声、申し分ない声量、明晰な発音、輝かしい高音が魅力の、[[20世紀]]後半を代表する最も偉大な[[オペラ]]歌手の1人。
 
[[プラシド・ドミンゴ]]、[[ホセ・カレーラス]]と共に「'''三大テノール'''」として知られる(3人の中でパヴァロッティが最年長)
 
== 経歴 ==
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パヴァロッティは元来、[[リリコ・レッジェーロ]](叙情的で軽やかな表現に適した声質)と呼ばれる声質のテノールである。先述のようにデビュー後名声を築いていった[[1960年代]]は、高音が最大限に映えるドニゼッティ、ベッリーニなどのいわゆる“ベル・カント・オペラ”がレパートリーの中核をなし、これらの作品の上演、録音により、パヴァロッティは世界有数のテノールという評価を確立した。当時のパヴァロッティのレパートリーにおいて、ヴェルディなどベル・カント以降の作品も高音が特に必要とされる役が多くを占めていた。
 
やがて[[1970年代]]以降、パヴァロッティは劇的なスピント系の役に進出していく。一例としてヴェルディ作品を見ると、60年代にパヴァロッティがヴェルディ作品で歌った役は高音を必要とする3つの役だったが、前記のリッカルドや、[[1975年]]にはマンリーコ(『トロヴァトーレ』)、[[1981年]]にはラダメス(『[[アイーダ]]』)にそれぞれ挑戦、1991年には演奏会形式で、古今の歌劇の中でも特に重厚な歌唱を要求される『[[オテロ (ヴェルディ)|オテロ]]』(同名作品)を歌い、1992年に歌った『[[ドン・カルロ]]』(同名作品)までの挑戦を経て、彼の歌ったヴェルディ諸役は13に増えた(そのうち12のヴェルディ作品については録音している)。
 
パヴァロッティがスピント系の役をレパートリーに加えていくに当たって、元来スピント系の声質でないことに由来する劇性の不足を補う意図から、アクセントの強調などを歌唱に取り入れていく様になった。このある種の誇張が後輩歌手たちにも影響があったといわれており、賛否のあるところである。