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条件に振聴を明記など
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== 和了の条件 ==
日本式の一般的なルール体系においては、次の2つの条件を満たした時に和了が認められる。
* 手牌の構成が所定のパターン (和了形)に該当する
* 何らかの役が成立している ([[麻雀のルール#縛り|一飜縛り]])
ただし、当該条件を満たしている場合でも、必ず和了しなくてはならないわけではなく、局面によってはあえて和了をしない場合もある。
また、[[#栄和|ロンアガリ]]の場合には
* [[振聴]]でない
という条件が追加される。
 
== 和了形 ==
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; 一般的な和了形
: [[雀頭]]と4組の[[面子]]が含まれる形。4面子1雀頭と呼ばれる最も典型的な和了形である。
: {{牌画|二萬}}{{牌画|三萬}}{{牌画|四萬}}{{牌画|五萬}}{{牌画|五萬}}{{牌画|五萬}}{{牌画|四筒}}{{牌画|五筒}}{{牌画|六筒}}{{牌画|四索}}{{牌画|四索}}{{牌画|六索}}{{牌画|七索}}    {{牌画|八索}} (メンツ手の和了形。和了役は[[断ヤオ九|タンヤオ]])
 
; 七対子の和了形
: 7組の[[対子]]が含まれる形。なお、同種の牌4枚は2組の対子として扱わないのが一般的である。詳細は[[七対子]]を参照。
: {{牌画|四萬}}{{牌画|四萬}}{{牌画|五萬}}{{牌画|五萬}}{{牌画|七萬}}{{牌画|七萬}}{{牌画|一筒}}{{牌画|一筒}}{{牌画|三筒}}{{牌画|三筒}}{{牌画|六索}}{{牌画|六索}}{{牌画|北}}    {{牌画|北}} (七対子の和了形)
 
; 国士無双の和了形
: 13種類の[[麻雀牌#ヤオ九牌|么九牌]]各1枚ずつと、さらにいずれかの么九牌1枚が含まれる形。詳細は[[国士無双]]を参照。
: {{牌画|一萬}}{{牌画|九萬}}{{牌画|一筒}}{{牌画|九筒}}{{牌画|一索}}{{牌画|九索}}{{牌画|東}}{{牌画|南}}{{牌画|西}}{{牌画|北}}{{牌画|白}}{{牌画|發}}{{牌画|發}}    {{牌画|中}} (国士無双の和了形)
 
また、上記に含まれない特殊な和了として[[流し満貫]]や[[十三不塔]]がある。なお[[十三不塔]]は、その歴史的経緯から国士無双の流れを汲む和了形と解釈できる。詳細は各項目を参照。
 
== 和了の方法 ==
和了の直前の段階において、手牌は必ず和了形より1枚少ない状態になっている ([[天和 (麻雀)|天和]]の場合は例外)。この状態を[[聴牌]] (テンパイ) と言う。聴牌の状態から和了形を完成させるために必要な牌を'''和了牌'''と言う。なお、和了牌は1種類であるとは限らない (詳細は[[聴牌]]を参照)
 
和了するためには、テンパイの状態から、何らかの方法により和了牌を取得する必要がある。
 
和了の方法には、主に次の2種類がある。
; 自摸和/摸和 (ツモあがり)
: 和了牌を[[摸打|自摸]](ツモ)すること。詳細は後述。
; 栄和/点和 (ロンあがり)
: 他のプレイヤーが和了牌を[[摸打|打牌]]したとき、これに対して和了を宣言すること。詳細は後述。
 
稀に次のような方法で和了することもある。
; 嶺上開花 (リンシャンカイホウ)
: [[槓]]を行った後に嶺上牌を取得して和了すること。ツモ了の一種して扱われることが多い。詳細は[[嶺上開花]]を参照。
; (チャンカン)
: 他のプレイヤーが和了牌を[[槓#加槓|加槓]]しようとするとき、これを取得し妨げて和了すること。詳細は[[槍槓]]を参照。
; 天和 (テンホー)
: 親の配牌の段階で和了形が完成していによこと。親の場合しか起こらない特殊な和了。詳細は[[天和 (麻雀)|天和]]を参照。
 
== 自摸和 ==
自摸により和了牌を取得して和了することを'''自摸和''' (ツモホー), 摸和 (モーホー) という。一般的には「'''ツモ和了'''」「'''ツモあがり'''」と呼ばれる。
 
具体的な手順は次のとおり。
# 和了牌を自摸した直後に「ツモ」と明瞭に発声し、和了牌を表向きに開示する。
# 残る聴牌形の手牌を公開する。このとき、和了牌は他の牌と混ぜないようにする。
# リーチをかけている場合、ドラ指標牌とともに裏ドラ指標牌を公開する。
# 得点を申告し、他のプレイヤー3人から支払いを受ける。
<!--なお、101競技連盟ではツモ和了の場合も「ロン」と発声する。あがり宣言が二種類あるのはおかしいという主張に基づく。
101のことまで注釈する必要あるだろうか。やや疑問。-->
<!--リアルの麻雀では、和了牌を手の内に入れてしまい、[[手牌]]の中のどの牌が和了牌だったのか分からなくなってしまった場合、和了形が[[平和_(麻雀)|平和]]の形になっていても、平和の計上は認められない。また、[[麻雀の得点計算#符の計算|符計算]]においても、嵌張待ちや単騎待ちによる2符の計上を認められない。これらイレギュラーな和了り方をした場合、[[高点法]]を逆に適用する形で、得点が最も低くなるように点数計算されることになる。無論、手順が自動化されているネット麻雀ではこのようなことは起こらない。
手順を説明するという範疇を超えているのでは。-->
 
== 栄和 ==
自分の和了牌が他のプレイヤーによって打牌された時 (河に捨てられた時)、これに対して和了を宣言することができる。このような方法による和了を'''栄和''' (ロンホー) と言う。一般的には「'''ロン和了'''」「'''ロンあがり'''」と呼ばれる。
中国語表記の '''点和''' も使われることがあるが、前述の天和と混同のおそれがある。
 
具体的な手順は次のとおり。
# 自分の和了牌が他のプレイヤーによって打牌された時、その次のプレイヤーがツモ山に触れるまでに「ロン」と明瞭に発声する。
# 手牌を公開する。このとき、和了牌は捨てられた場所 () に置いたままとする。
# 得点を申告し、和了牌を打牌 (放銃) したプレイヤーから支払いを受ける。
ロンの発声猶予は次のプレイヤーがツモ山に触れるまでであるが、これは[[副露#ポン|ポン]]の発声猶予と同じである。稀に、ある打牌に対してポンとロンが同時に宣言されることがあるが、その場合基本的にはポンではなくロンが優先される。ただし、ロンの発声が明らかに遅かった場合、[[見逃し_(麻雀)|見逃し]]の意図を翻意してロンを宣言したと見なされて、ロン和了を認められない場合がある。そのようなロンの宣言は「[[見逃し_(麻雀)#遅ロン|遅ロン]]」(ちろん)と呼ばれ、ルール違反ではないもののマナー違反と見なされる。
これを超えて明らかに遅い発声は「[[見逃し_(麻雀)#遅ロン|遅ロン]]」(ちろん/おそろん) と呼ばれ、マナー違反とみなされることや、ルール違反としてロン和了を認められない場合がある。
 
== 頭ハネ・ダブロン・三家和 ==<!--頭跳ね・頭ハネ、両方使っておけば検索に利便?-->
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{{Anchors|頭跳ね|アタマ跳ね|アタマハネ|頭ハネ|上家取り|二家和|ダブロン|両家和}}
 
=== 頭跳ね ===
あるプレイヤーの打牌に対し複数のプレイヤーが同時にロンを宣言した場合、打牌したプレイヤーから反時計まわりで最も近いプレイヤー (ツモ番が最も早いプレイヤー) のみが和了できるルールである。これを「'''頭跳ね'''」(あたまはね) または「'''上家取り'''」(かみちゃどり) と言う。河に捨てられた牌は1つしかないため、取得できるプレイヤーも1人のみという理由に基づく。
 
例えば右図の例では、東家の捨てた{{牌画|四索s}}に対し南家と西家がロンを宣言している。ダブロンを認めないルールの場合、西家は和了を認められず、南家のみが和了できる。
 
=== 二家和 ===
あるプレイヤーの打牌に対し、2名のプレイヤーが同時にロンを宣言することを「'''二家和'''」(リャンチャホー) または「'''ダブロン'''」と言う (ダブロンの語源はダブル・ロンから)。頭跳ねのルールを採用していない場合、両者とも和了を認められる。
 
右図では、{{牌画|四索s}}を振り込んだ東家は南家に対し1000点 ([[平和_(麻雀)|平和]]のみ) を、西家に対し12000点 ([[断ヤオ九|タン]][[平和_(麻雀)|ピン]][[三色同順|三色]][[ドラ_(麻雀)|ドラドラ]]で跳満) を支払う。なお、[[麻雀の点#供託|保留リーチ棒]]があった場合は、上家取りの原則に従い上家に位置する者がすべての保留リーチ棒を取得する。右図の例では北家がリーチ棒を出しているが、これは南家の点箱の中に入ることになる。<!--リー棒は折半にするというルールはあるにはあるが、矛盾含み・不具合含みのローカルな取り決めなので、ここでは言及しない-->
 
==== 積み棒の処理 ====
平場(0 (0本場) ではなく[[麻雀の得点計算#積み符|積み棒]]があった場合、
# 南家と西家の両方に積み符を加算する
# 南家の和了にのみ積み符を加算し、西家の和了には加算しない (上家取りの原則)
の2通りのルールがある。どちらを採るかは取り決め次第である。
 
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和了者2人のどちらかが親だった場合に[[連荘]]するか[[連荘#輪荘|親流れ]]となるかについても取り決めが分かれる。
# 親が和了したので連荘とする
# 親のほうが上家に位置していた場合は連荘とし、親のほうが下家に位置していた場合(= (= 親と放銃者のあいだにもう一人の和了者がいる場合) は親流れとする
# 子が和了したので輪荘 (親流れ) とする
これもまたどちらを採用するかは決め次第である。フリー雀荘では細目ルールを簡略化する傾向があり、頭跳ねの原則により2.を採用しているケースが多くみられる。大手のネット麻雀サイトでは、[[ハンゲーム]]の「[[麻雀4]]」が2.を採用している一方<ref>[http://casual.hangame.co.jp/majak2/index.nhn?m=guide&no=3_4 ハンゲーム麻雀4 - 遊び方] 2009-11-12閲覧</ref>、[[天鳳_(オンラインゲーム)|天鳳]]では1.のほうを採用している<ref>[http://tenhou.net/man/ 天鳳 / マニュアル] 2009-11-12閲覧</ref>。
{| style="background-color:white; float:right; margin-left: 10px;"
|-<!--三家和の全体牌図-->
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=== 三家和 ===
あるプレイヤーの打牌に対し、3名のプレイヤーが同時にロンを宣言することを「'''三家和'''」(サンチャホー) または「'''トリプルロン'''」「'''トリロン'''」と言う。三家和はまれにしか発生しないが、発生した場合の取り決めには以下のように差がある。
# 全員の和了を認める
# 全員の和了を認めず、その局は点棒のやり取りナシの流局とする([[流局#三家和|三家和による流局]])
# 頭跳ねのルールに則り、放銃者の下家の和了のみを認める
# 全員の和了を認めず、その局は点棒のやり取りナシの流局とする ([[流局#三家和|三家和による流局]])
# 全員の和了を認める
右図は、西家の打った{{牌画|三索s}}に対し3人がロンを宣言した図である。五索の[[麻雀用語一覧#ノーチャンス|ノーチャンス]]を頼りに切り出した最も安全そうな牌だったが、3軒リーチの3人から同時にロンの声が掛かった。
:31.の頭跳ねのルールでは、放銃者から最も近い位置にいる北家のみが和了を認められ、東家と南家は和了を認められない。西家の支出は北家への8000点だけで済む。
:1.のトリプルロンありのルールでは、西家は北家に8000点、東家に12000点、南家に8000点を支払う。[[箱_(麻雀)|トビ]]ありのルールならば計28000点の放銃で西家は飛び、東1局で半荘終了となる。3本出ていたリーチ棒は、放銃者の西家から最も近い位置にいる北家が回収する。西家が飛ばなかった場合に[[連荘]]とするか[[連荘#輪荘|親流れ]]とするかは[[#連荘するか否か|ダブロンにおける取り決め]]に準ずる。
:2.の「三家和は流局」のルールでは、いずれの3人も和了を認められず、点棒のやり取りを一切伴わない流局となる。連荘とするか親流れとするかは取り決め次第であるが、連荘とする場合は次局は東1局1本場、親流れとする場合は次局は東2局1本場となる。
:13.のトリプルロンありのルールでは、西家は北家に8000点、東家に12000点、南家に8000点を支払う。[[箱_(麻雀)|トビ]]ありのルールならば計28000点の放銃で西家は飛び、東1局で半荘終了となる。3本出ていたリーチ棒は、放銃者の西家から最も近い位置にいる北家が回収する。西家が飛ばなかった場合に[[連荘]]とするか[[連荘#輪荘|親流れ]]とするかは[[#連荘するか否か|ダブロンにおける取り決め]]に準ずる。
:3.の頭跳ねのルールでは、放銃者から最も近い位置にいる北家のみが和了を認められ、東家と南家は和了を認められない。西家の支出は北家への8000点だけで済む。
 
1.から3.のいずれを採用するかは取り決め次第だが、ダブロンなしとするルールの場合は同時にトリプルロンもなしとすることが多い。その場合、上家取りの和了 (右図では北家の和了) を認めるルールと、三家和による流局とするルールに分かれる。ダブロンありとするルールの場合も同様で、ダブロンありならトリプルロンもありだとするルールと、ダブロンはありでも三家和は流局であるとするルールに分かれる。
 
== 和了に関連する用語 ==
=== 放銃 ===
自分の打牌により他のプレイヤーがロン和了することを'''放銃''' (ほうじゅう、ホーチャン) と言う。放銃と'''振り込み'''は同義で、放銃することを「'''振り込む'''」「'''振る'''」「'''打つ'''」「'''打ち込む'''」などと言う。[[牌譜]]では、ロン牌の下に「'''ウチ'''」と表記して放銃を示す。
 
なお、何らかの理由 (親を流すなど) で意図的に放銃するような場合を、特に'''差し込み'''と言うことがある。
 
=== 安あがり{{Anchors|安アガリ|安和了}} ===
点数の低い和了で局を終らせることを'''安あがり'''と言う。
 
主として、対戦相手のチャンスを潰すなど、守備的な戦術として用いられる。また、親が[[連荘]]を果たすためや、南家が親になるために行われる場合も多い。
<!--なお、確たる目的のない安あがりは、対戦相手に嫌がられることがある。
根拠のない価値判断としてコメントアウトしておきます-->
 
子の30符1飜のツモ上がりが親500点/子300点 (ゴミ) の支払いになることから、安い手のことを総じて「'''ゴミ手'''」と言うこともある。また、役がひとつしか付いていない和了のことを「'''ノミ手'''」と言うこともある (リーチのみの手やタンヤオのみの手を、それぞれ「リーのみ」「タンのみ」と言うなど)。なお、ドラを含んでいる和了はノミ手・ゴミ手とは言わない。
 
=== アガラス{{Anchors|ラス確|4確|四確|3確|三確|アガサン}} ===
[[オーラス|最終局]]において、4位のプレイヤーが自らの4位を確定させる和了をすることを'''ラス確''', '''アガラス'''と言う。あがってラス(4 (4)とな) を確定することから、このように略される。同義語として、'''ラス確'''(ラス確定和了の略)がある。
<!--マナーとして推奨されないと考える人もいるが、賭け麻雀においては1000点50円の場合でチップ1枚をツモったとすると、満貫和了で400円、チップで300円となり700円の収入となる。0点持ちラスの場合の支払いがウマやオカにもよるが2000円~2500円程度なので有効な戦法とする考え方もある。ピン(1000点100円)以上になるとチップの割合が大きいため、チップの付くあがり(特にツモあがり)であればマナー違反には当たらないとする考え方が主流である。
根拠のない価値判断としてコメントアウトしておきます-->
 
同様に、3位のプレイヤーが自らの3位を確定させる和了をすることを'''アガサン'''と言う。これにも同義語として'''三確'''という言葉がある。ラス確と同様積極的なあがりではないとされる場合、三確の和了を忌避する人もいる。ただし、4位の者と接戦である場合は、最下位でないことを確定させる和了として一定の意味を持つ。