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'''トニー・デュヴェール'''(Tony Duvert, [[1945年]][[7月2日]] - [[2008年]][[7月2日]] )はフランスの[[作家]]である。
 
詳しい経歴等は本人が明かしていないため[[ヴァル=ド=マルヌ県]]ヴィルヌーヴ=ル=ロワ年以外不明まれ。ほとんどの著作を[[エディシオン・ド・ミニュイ]]から刊行。日本では『幻想の風景』、『薔薇日記』、『小鳥の園芸師』(『さまざまな生業』と改題しての抄訳が[[岩波文庫]]『フランス短篇傑作選』に収録)の3冊が訳されている。すべての著作に一貫しているのは小児、特に男児への強い性愛であり、作風は[[ポレミーク]]な性と暴力の描写にもかかわらず極めて詩的な叙情性に溢れている。1973年[[メディシス賞]]受賞作『幻想の風景』はスタイルから言うと[[ヌーヴォー・ロマン]]的前衛性を持っているものの、むしろ際限のない蒼ざめた悪夢を見ているかのような幻覚を読者に引き起こす官能性にこそ作者の資質がよく表れている。『小鳥の園芸師』は小品ながら、想像上の奇妙な職業の数々について書かれた掌篇で構成される佳品であり、[[童話]]がしばしばもたらすような目まいと黒いユーモアが感じられる。『薔薇日記』は[[スペイン]]の貧しい地区へ男児を買いに行く外国人旅行者の男が主人公という日記風の作品であり、[[マージナル]]な性愛である少年愛と貧困による[[売春]]の出会いという荒廃した人間関係の反復と過剰のなかに微かに叙情の細流が見出されるという自伝的小説である。このような小説を描くデュヴェールの態度は、単に反社会的な[[ペデラスティー]]――現代では男色は何ら「反社会的な行為」とは看做されていないが、未成年者に対する性行為は異性間・同性間を問わず「反社会的」と考えられている――という形で外側からのみ眺められるべきではない。彼の内的要請を知るためには彼自身を一人称として書かれた評論である、勃起する男児の[[ペニス]]のシルエットを冒頭に掲げた『図解男性』や『男の子』のような持論を展開する書物を繙けばよいだろう。語彙集の形式で書かれた『悪意あるABCD練習帳』を最後に1989年以降執筆していない。2005年に『大西洋の島』がフランスでTV映画化された。
 
== 著作 ==
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[[Category:フランスの小説家]]
[[Category:1945年生]]
[[Category:存命人物2008年没]]
 
[[de:Tony Duvert]]