「年齢主義と課程主義」の版間の差分

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見出しレベルを間違えたので修正。記事が増築の繰り返しで重複表現も多くなっているのでそろそろ抜本的に整理が必要ですね。冒頭画像も復帰してほしいです。
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ただし、日本における統合教育の取り組みはまだ日が浅く、試行錯誤の状況でもあるため、上記の事実は必ずしも統合教育関係者側の問題とも言い切れない。
 
====法律間の齟齬====
[[教育基本法]]、[[学校教育法]]、また関連の施行令、施行規則などの[[教育法規]]では、在学年齢の下限を間接的に規定しているものの、上限に関する規定はない。むしろ小学校に15歳まで在学する場合も想定した書き方がなされているなど、ある程度の年齢的な多様性を許容した書き方がされていると読み取るのが自然である。このように、年齢主義の要素はこれらの法規からは読み取れない。しかし、[[児童手当法]]では長い間、小学校は12歳で卒業するものであるということを前提とした書き方がなされていた。また2010年度に成立した[[平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律]]では、さらに中学校は15歳で、高等学校は18歳で卒業するものであるということが明文化された。このように、日本政府の法律同士が齟齬をきたしている。条文の詳細は「[[子ども手当法]]」に記載がある。
 
なお実際には、子ども手当法にこのように書かれているからといって、これらの年齢で卒業することを強制されるものではなく、実際にはこれに当てはまらない年齢の在学者も大勢いる。ただし、役所の説明文書などのレベルにとどまらず、正式な法律の条文内に学校の卒業年齢を一律に規定してしまったのは、これらの法律が最初である。以前は、児童手当法での小学校卒業年齢の規定はあったものの、中学校以上での年齢主義を裏付ける記載はまったく存在しなかった。なお、国会などではこれらの在学年齢に関する記述が議題になったことはない。なお、国会議員が全員、最低年齢で小中高と卒業したからそういう発想になったわけではなく、民主党の[[横路孝弘]]衆議院議長自身が、16歳で中学校を卒業したという経歴の持ち主である。また高校を卒業していない国会議員(民主党の[[家西悟]])も存在する。
 
ただし、時の政権党であった自民党、民主党は、特に公約や政策目標に「小中高の在学年齢の画一化」を挙げていたわけではなく、むしろ自民党にいたっては[[文教族]]の[[町村信孝]]や[[河村建夫]]らによる小中学校の異年齢化容認発言もあり、必ずしも積極的に年齢主義を推進しようとする意欲は感じられない<ref>しかしそういった意欲がないのに児童手当法や子ども手当法で年齢条項を入れたのもまた彼らである。原文は厚生省、厚生労働省によるものであるとされているが、法律成立の責任者は議員である。</ref>。上記のような法律間で齟齬が起きていることについて、ほとんどのマスメディアでは取り上げていない。
 
===情報の不足===
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なお、2006年以降は文部科学省の学校基本調査で盲学校・聾学校・養護学校の年齢別在学者数の統計が始まり、1歳刻みではないものの学齢超過者などの数値が分かるようになった。ただし、依然として小中学校のデータはないままである(調査票には記入欄もない)。
 
また国勢調査では、記入者の回答をそのまま掲載するのが原則であるにもかかわらず、7歳以上の幼稚園児・保育園児の数を意図的にゼロにしている可能性が高い。実際、報道や役所の文書などで、就学猶予を受けた7歳児が幼稚園に通う例が存在することは明らかである。このように、少数派の存在が意識的に抹消されているという問題もある。
 
====進路情報の不足====
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また、一般的な公立の小中学校においてはさらに情報不足が顕著であり、夜間中学や選抜のある併設型中学校では入学可能な年齢または学歴が明示されていることが多いが、そうではない大多数の無選抜の全日制の中学校や小学校では、学校や教育委員会の公式サイトなどでも入学資格がまったく明示されていない場合がほとんどである。これはそれらの学校が義務教育の実施校としての役割が強いことから、[[学齢簿]]に登録されている学齢期の子女を自動的に入学させる場合がほとんどであり、任意で入学を希望する人を想定していないという事も一因である(「[[就学事務]]」の記事を参照)。そして実際に何歳の人が入学可能であるのかは、教育委員会の判断を待つしかなく<ref>実際に学齢超過者の入学について回答を求めても、結論を出すのに時間が掛かるため、入学の6ヶ月以上前に希望しても間に合わないと答えられる場合もある。</ref>、きわめて曖昧である。
 
====法律間の齟齬====
[[教育基本法]]、[[学校教育法]]、また関連の施行令、施行規則などの[[教育法規]]では、在学年齢の下限を間接的に規定しているものの、上限に関する規定はない。むしろ小学校に15歳まで在学する場合も想定した書き方がなされているなど、ある程度の年齢的な多様性を許容した書き方がされていると読み取るのが自然である。このように、年齢主義の要素はこれらの法規からは読み取れない。しかし、[[児童手当法]]では長い間、小学校は12歳で卒業するものであるということを前提とした書き方がなされていた。また2010年度に成立した[[平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律]]では、さらに中学校は15歳で、高等学校は18歳で卒業するものであるということが明文化された。このように、日本政府の法律同士が齟齬をきたしている。条文の詳細は「[[子ども手当法]]」に記載がある。
 
なお実際には、子ども手当法にこのように書かれているからといって、これらの年齢で卒業することを強制されるものではなく、実際にはこれに当てはまらない年齢の在学者も大勢いる。ただし、役所の説明文書などのレベルにとどまらず、正式な法律の条文内に学校の卒業年齢を一律に規定してしまったのは、これらの法律が最初である。以前は、児童手当法での小学校卒業年齢の規定はあったものの、中学校以上での年齢主義を裏付ける記載はまったく存在しなかった。なお、国会などではこれらの在学年齢に関する記述が議題になったことはない。なお、国会議員が全員、最低年齢で小中高と卒業したからそういう発想になったわけではなく、民主党の[[横路孝弘]]衆議院議長自身が、16歳で中学校を卒業したという経歴の持ち主である。また高校を卒業していない国会議員(民主党の[[家西悟]])も存在する。
 
ただし、時の政権党であった自民党、民主党は、特に公約や政策目標に「小中高の在学年齢の画一化」を挙げていたわけではなく、むしろ自民党にいたっては[[文教族]]の[[町村信孝]]や[[河村建夫]]らによる小中学校の異年齢化容認発言もあり、必ずしも積極的に年齢主義を推進しようとする意欲は感じられない<ref>しかしそういった意欲がないのに児童手当法や子ども手当法で年齢条項を入れたのもまた彼らである。原文は厚生省、厚生労働省によるものであるとされているが、法律成立の責任者は議員である。</ref>。上記のような法律間で齟齬が起きていることについて、ほとんどのマスメディアでは取り上げていない。
 
==日本における展望==