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{{小文字|title=tert-Butanol}}{{Chembox
| Name = ''tert''2-ブタメチル-2-プロパノール
| Reference =<ref>''Merck Index'', 11th Edition, '''1542'''</ref>
| ImageFileL1 = Tert-butanol-2D-skeletal.png
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'''2-メチル-2-プロパノール'''(2-methyl-2-propanol)または'''''tert''-ブタノチルアルコール'''(たーしゃりー-ブタノチルアルコール、''tert''-Butanolbutyl alcohol)または'''2-メチル-2-プロパノール'''とは最も単純な構造の[[アルコール|三級アルコール]]で、四種存在する[[ブタノール]]の[[異性体]]の一つである。''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは透明な液体で[[樟脳]]のような臭いを持ち、[[水]]、[[エタノール]]、[[ジエチルエーテル]]と均一に混和する。融点が摂氏25度をわずかに上回るので、常温で固体になるという特徴はブタノールの異性体の中でも唯一である。
 
==利用==
''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは工業用[[エタノール]]とする添加剤、塗料の[[溶剤]]、[[ガソリン]]の助撚剤・添加剤など[[溶媒]]成分として利用される他に、香料などの日用化成品の合成原料としても利用される。
 
==製造==
''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは触媒を用いた[[イソブテン]]の水付加反応により製造される。
 
==化学==
三級アルコールの化学的性質として、''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは他のブタノール異性体と比べて酸化されにくく、立体障害による反応性の低減が見られる。
 
強[[塩基]]により''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールが脱プロトン化されるとアルコキシドアニオンを生成し、''tert''2-メチル-ブタ2-プロパノールの場合は、''tert''-ブトキシドとなる。具体的には、''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールを[[水素化ナトリウム]]で脱プロトン化するとナトリウム''tert''-ブトキシドが得られる。
 
:NaH + <sup>''t''</sup>BuOH → <sup>''t''</sup>BuO<sup>−</sup>Na<sup>+</sup> + H<sub>2</sub>
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==塩化アルキルへの変換==
''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは[[塩化水素]]酸([[塩酸]])と反応して、S<sub>N</sub>1反応機構により塩化''tert''-ブタンチルを生成する。
 
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[[Image:0-SN1-tBuOH-to-tBuCl-2D-skeletal.png|250px]]
 
''tert''2-ブタメチル-2-プロパノールは三級アルコールの為、ステップ1では相対的に''tert''-ブチルカチオンが安定であり、ステップ2でS<sub>N</sub>1反応が進行する助けになっている。一級アルコールではそれに代わってS<sub>N</sub>2反応進行するのが通常である。すなわち、一級アルキルカチオンの反応エネルギー障壁が高い為に、この例のような反応は進行しない。そしてS<sub>N</sub>2反応は反応中間体としてカルカチオン種を経由しない。
 
==関連項目==