「待ち行列理論」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
4行目:
 
== 概要 ==
'''[[待ち行列]]'''とは、資源に対する利用要求を抽象化した数理モデルである。このようなシステムの身近な例として、[[銀行]]の[[現金自動預け払い機|ATM]]に並ぶ[[顧客]]の列が挙げられる。待ち行列モデルでは、[[サーバ]] (server) と[[待合室]] (waiting room) からなるシステムと、そこに[[到着]]しある時間滞在する[[客]] (customer) を考える。銀行のATMの例では、ATMをサーバ、銀行内の待ちスペースを待合室、ATMを利用する顧客を客となすことができる。これらの対応は、モデル化する現象によって一意である必要はない。このため世の中の広範なシステムに対して同一の理論的枠組みで議論することができる。待ち行列の応用先としては、[[コールセンター]]、[[電話交換機]]、[[公衆交換電話網|電話網]]、[[インターネット]]、[[サーバ]]や[[ルーター]]などのバッファ設計、 [[高度道路交通システム]]、[[ジャストインタイム生産システム|生産システム]]、空港や病院などの施設設計などが存在する。
待ち行列の応用先としては、[[コールセンター]]、[[電話交換機]]、[[公衆交換電話網|電話網]]、[[インターネット]]、[[サーバ]]や[[ルーター]]などのバッファ設計、 [[高度道路交通システム]]、[[ジャストインタイム生産システム|生産システム]]、空港や病院などの施設設計などが存在する。
 
待ち行列モデルに対する理解を統一する目的から、[[D. G. ケンドール]]によって[[1953年]]に導入されたのがケンドール記法である。A/B/C/Dの形でモデルの性質を表現するこの記法は、その後新たなモデルの登場に応じて拡張を施されながら、現在でもさまざま様々な文献で広く用いられている。ここでAは客の到着過程、Bはサービス時間分布、Cはサーバ数を表している。Dは待合室を含んだシステムの容量を表しており、無限大の場合は省略される。例えば、G/D/1は一般の到着過程を持ち、一定分布に従うサービス時間を持つ単一サーバ待ち行列を表している。
ここでAは客の到着過程、Bはサービス時間分布、Cはサーバ数を表わしている。Dは待合室を含んだシステムの容量を表わしており、無限大の場合は省略される。たとえば、G/D/1は一般の到着過程を持ち、一定分布に従うサービス時間を持つ単一サーバ待ち行列を表わしている。
 
== 関連項目 ==