「外肛動物」の版間の差分

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外肛動物の群体は、山型、扇型、小枝型、栓抜き型など様々な形をとる。外壁には小さな穴が無数に開いていて、それぞれが個虫(zooid)と呼ばれる個々の個体である。これらは口から肛門まで続く[[消化管]]からなる真[[体腔]]の構造も持っている。口の周りの[[触手]]には[[繊毛]]が生えている総担(ふさかつぎ)と呼ばれる構造があり、[[珪藻]]や[[藻類]]を含む微生物を捕まえて餌とする。これは繊毛の生えた[[触手]]が口を囲んで配置したもので、全体をまとめて[[触手冠]]をなす。触手冠は、完全に動物体の内部に引き込むことができる。
[[Image:Costazia costazi.jpg|thumb|240px|サンゴ様の''Costazia costazi'']]
===触手冠===
[[Image:Dakaria subovoidea tigokemusi01.jpg|right|220px|thumb|[[チゴケムシ]]の触手]]
 
===触手冠===
触手冠はこの動物のよく目立つ特徴であるが、その形には大きく二つの形がある。一つは円形に配置するもので、もう一つはそれが大きく曲がってU字型(馬蹄型)になったものである。前者は主に海産である裸喉綱と狭喉綱にみられ、後者はすべて淡水産の掩喉綱にのみみられる。ただし、掩喉綱のFredericella科は例外的に円形の触手冠を有している。裸喉綱や狭喉綱にみられる円形の触手冠では、その内側は例えば[[イソギンチャク]]の口盤のような広い面を持っておらず、触手の寄り集まったところに口が開く。掩喉綱のU字型の触手冠では、U字の底にあたる部分に口が開き、その両側の触手の列が大きく同一方向に伸びたような形になっている。肛門は触手冠のすぐ外に開く。掩口綱ではU字の底、口のある位置近くに開く。触手は繊毛に覆われていて、繊毛を使うことによって水流を作り、餌を口まで運ぶ。
[[Image:Freshwater Bryozoan234.JPG|thumb|left|240px|[[掩喉類]]の触手冠]]
 
===内部構造===
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消化管はU字型に湾曲しており、[[咽頭]]から[[食道]]を通り、[[噴門]]、盲嚢、[[幽門]]と3つの部分に分かれた[[胃]]へと続く。幽門から[[小腸]]を経て[[直腸]]、[[肛門]]につながっている。ある種では、噴門の前に[[砂嚢]]がある。消化管系は、個虫がそれぞれ持つ器官であるが、群体を作る時に再構成される。多くの外肛動物では一部の若い個虫しか消化機能を持たない。
 
[[Image:Freshwater Bryozoan234.JPG|thumb|left|240px|[[掩喉類]]の触手冠]]
大きさが小さいために、外肛動物には循環系がない。ガス交換は体表全体で行うが、特に触手の部分で盛んである。
 
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外肛動物は、裸喉綱と狭喉綱、掩喉綱の3綱に分類される。このうち掩喉綱は他の二綱と似た点も多いが、相違点も多いため、異なる系統に属する可能性も示唆されている。
 
*裸喉綱 Gymnolaemata
**[[櫛口目]] Ctenostomata ツツコケムシ・センナリコケムシ・ホンダワラコケムシ・チャミドロコケムシ
**[[唇口目]] Cheilostomata ヒメコケムシ・アミメコケムシ・イタコケムシ・[[フサコケムシ]]・[[チゴケムシ]]・スナツブコケムシ・アミコケムシ
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**[[円口目]] Cyclostomata キクザラコケムシ・クダコケムシ・サラコケムシ
 
*[[掩喉綱]] Phylactolaemata
**[[掩喉類|掩喉ハネコケムシ目]] PhylactolaemataPlumatellida [[ハネコケムシ]]・ヒナコケムシ・[[ヒメテンコケムシ]]・カンテンコケムシ・[[オオマリコケムシ]]・アユミコケムシ
 
==出典==