「冪零行列」の版間の差分

例を追加。説明部分を少し補足。
(ノートの指摘により)
(例を追加。説明部分を少し補足。)
: ''M''<sup> ''m''</sup> = ''O''
が成り立つ行列 ''M'' をいう。冪零行列は[[基底]]の与えられた[[ベクトル空間]]に対して'''冪零変換'''を定める。
== 例 ==
* 零行列は冪零行列である。
:* <math>N_nA =
\begin{pmatrix}
-1 & 1 \\
-1 & 1
\end{pmatrix}, B = \begin{pmatrix}
0 & 1 & 1 \\
0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
</math> はそれぞれ ''A''<sup>2</sup> = ''O'', ''B''<sup>3</sup> = ''O'' となる冪零行列である。
* 実数 ''a'', ''b'', ''c'' に対して、
:<math>\begin{pmatrix}
0 & a & b \\
0 & 0 & c \\
0 & 0 & 0
\end{pmatrix}</math>
の形をした行列は冪零行列である。このような冪零行列全体の集合は、交換子積 <math>XY-YX</math> により[[リー代数]]({{仮リンク|ハイゼンベルク群|en|Heisenberg_group}}のリー代数)になる。
 
== 性質 ==
* 冪零行列の[[固有値]]は 0 のみである。逆に、固有値が全て 0 である行列は冪零行列である。
* 任意の冪零行列は[[正則行列]]でない。
* ''N'' が冪零行列なら、[[単位行列]] ''I'' に対し (''I''-''N'') は正則行列である。一般に、任意のスカラー ''t'' に対して
:<math>I - (tN)^n = (I - tN) (I + tN + \cdots + (tN)^{n-1})</math>
が成り立つので、''N''<sup>''n''</sup> = ''O'' であれば ''I'' - ''tN'' は正則行列である。
 
== 標準化 ==
<math>E_n</math> を <math>n</math> 次の単位行列として、
:<math>N_n =
:<math>N_1 = 0, N_2 = \begin{pmatrix}
0 & 1 \\
0 & 0
\end{pmatrix}, N_3 = \begin{pmatrix}
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0
\end{pmatrix}, \cdots , N_n =
\begin{pmatrix}
0 & E_{n-1} \\
\end{pmatrix}
</math>
と置いたとき、冪零行列の標準形は、上の行列の幾つかの[[直和]](行列をブロックとして対角線上に並べた[[区分行列]]のこと)
:<math>
\begin{pmatrix}
\end{pmatrix}
</math>
を冪零行列の標準形という。ここで ''n''<sub>1</sub>, ... , ''n''<sub>''k''</sub> は与えられた自然数 ''s'' に対して ''n''<sub>1</sub> + ... + ''n''<sub>''k''</sub> = s を満たす自然数である。
となる。標準化の対象になる ''s'' 次行列を ''M'' としたとき、&rho;<sub> ''r''</sub> = rank ''M''<sup> ''r''-1</sup> - rank ''M''<sup> ''r''</sup> と置けば、''n''<sub>''i''</sub> = ''p'' なる ''i'' の個数は全部で &rho;<sub>''p''</sub> - &rho;<sub>''p''+1</sub> 個ある。この &rho;<sub>''i''</sub> の値によって作られるべき零行列の標準形は、''n''<sub>''i''</sub> の順番を除いて一意的である。以下、&rho;<sub>''i''</sub>の値に基づく(''s''次の)標準形を ''N''[&rho;<sub>1</sub>, &hellip;, &rho;<sub>''s''</sub>] と書く。また、''M'' の次数を ''s'' とすれば、&rho;<sub>''i''</sub> の定義から直接に &sum;&rho;<sub>''i''</sub> = ''s'' となるから、次数 ''s'' における相異なる標準形の個数は、整数 ''s'' を[[整数分割|分割]]する方法の個数である。例えば、次数 4 における標準形は、
 
となる。標準化の対象になる ''s'' 次行列を ''M'' としたとき、&rho;<sub> ''r''</sub> = rank ''M''<sup> ''r''-1</sup> - rank ''M''<sup> ''r''</sup> と置けば、''n''<sub>''i''</sub> = ''p'' なる ''i'' の個数は全部で &rho;<sub>''p''</sub> - &rho;<sub>''p''+1</sub> 個ある。この &rho;<sub>''i''</sub> の値によって作られるべき零行列の標準形は、''n''<sub>''i''</sub> の順番を除いて一意的である。以下、&rho;<sub>''i''</sub>の値に基づく(''s''次の)標準形を ''N''[&rho;<sub>1</sub>, &hellip;, &rho;<sub>''s''</sub>] と書く。また、''M'' の次数を ''s'' とすれば、&rho;<sub>''i''</sub> の定義から直接に &sum;&rho;<sub>''i''</sub> = ''s'' となるから、次数 ''s'' における相異なる標準形の個数は、整数 ''s'' を[[整数分割|分割]]する方法の個数である。例えば、次数 4 における標準形は、
:<math>
\begin{pmatrix}
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