「比較発生学」の版間の差分

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江口磐世☆ (会話 | 投稿記録)
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発生学においても比較解剖学と同様に比較的方法が重要であると説いたのは、[[カール・フォン・ベーア]]である。彼は「発生学の父」とも言われ、19世紀前半における最大の発生学者と言ってよい。彼はその主著『動物発生学』においてこのことを強く主張し、それによって動物の発生に関する一般原則が導き出せるとした。
 
:<sub>{{注|ここで言う比較解剖学的な方法とは、その分野の中でも、特に[[比較解剖学#純形態学|純形態学]]、あるいは'''観念論的形態学'''といわれた流れを指す。そこでは、形態から機能を完全に切り離し、様々な動物の構造から基本的な原型を見いだし、多様な形態をそこからの変化と見なすことが行われ、[[相同性]]など重要な概念が提出された。ただし、成体の器官の相同性が、そもそもその根拠が明白でないことは大きな問題で、時に恣意的な判断になりやすくもあった。しかし発生的にこれをたどると意外にわかりやすい場合がある。ある意味では発生が相同性に裏付けを与えたともいえる。</sub>}}
 
彼は主として[[脊椎動物]]の発生を対象に研究を行った。その重要な業績としては胚葉説とベーアの法則がある。これについては以下に個別にまとめるが、このような流れの中で、発生の過程を比較する研究は広く行われるようになり、1860年代にはすでに当時知られていたほぼすべての動物門において発生の研究に手がつけられている。