「冷凍機油」の版間の差分

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'''冷凍機油'''(れいとうきゆ)は、冷凍空調機器において[[冷媒]]を圧縮するための[[コンプレッサー]](圧縮機)の潤滑をする[[潤滑油]]。
 
冷凍空調機器は、冷媒を[[圧縮]]することで発生する[[]](高温)、冷媒が液化し、[[蒸発]]して奪う熱(低温)を、それぞれの目的に使用する。その際に、冷媒とともに冷凍機油は、コンプレッサーからシステムを循環してコンプレッサーに戻ってくる。[[冷凍]][[調和|空調]]機器の[[耐用年数]]は10年から20年と非常に長い。密閉された[[システム]]でオイル[[交換]]を前提としないため、高度な耐久性と信頼性が要求される。潤滑油のなかでも特殊な潤滑油ものの一つである。
 
== 冷凍機油に求められる性状 ==
;潤滑性
コンプレッサー内での潤滑。[[磨耗]]、[[摩擦]]低減、摺動部の温度調節、[[シール (工学)|シール]]性など潤滑の基本特性。
 
;安定性
冷凍機油は冷媒と共存化で使用される。長期間使用されるため、基油自体の[[安定]]が要求される。[[劣化]]物の[[酸]]を発生させにくく[[析出]]物を生じさせないこと。
 
;冷媒溶解性
システム内の低温部分で熱交換器の[[]]壁へ付着せず、コンプレッサーから吐出したオイルがサイクルを回り、コンプレッサーに戻ることが要求される。
 
;低温で析出物を生じさせないこと
[[冷凍]][[システム]]において、[[膨張]]機構は細管(キャピラリーなど)となっていることが多く、低温での析出など、細管を閉塞することによる効率低下、[[冷却]][[不良]]を発生させないこと。
;低温流動性
[[低温]]部分の熱交換最終段階でオイルに[[溶解]]する冷媒量は少なくなる。低温でオイルが固まらず適正な[[粘度]]([[流動性]]がある)を保つこと。
 
;[[電気]]特性
[[電動機|モーター]]がコンプレッサー内にある密閉式コンプレッサーでは、通電状態のモーター[[コイル]]がコンプレッサー内にある。システムからの[[漏電]]を防止しなければならない。
 
;夾雑物がないこと
低温での析出物と同様、細管(キャピラリー等)閉塞させること恐れがある[[ゴミ]][[]]分等が含まれるないこと。
 
== 冷凍機油の種類 ==
*[[合成]][[炭化水素]]系
**[[アルキルベンゼン]][[α-オレフィン]]、[[オリゴマー]]など
*[[エステル]][[エーテル (化学)|エーテル]]系
**[[ポリアルキレングリコール]]など
 
== 主な冷凍機油メーカー ==
*[[日本サン石油]](SUNOCO) - 「SUNISO」「SUNICE」ブランド
*[[出光興産]] -「[[ダフネ|ダフニー]]」ブランド
*[[JX日鉱日石エネルギー]] - 「フレオール」ブランド(JOMO)、「レフオイル」ブランド(ENEOS)