「エクスカリバー」の版間の差分

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[[ウェールズ]]の伝承にはアルスル([[アーサー王|アーサー]])の剣として'''カレトヴルッフ'''が登場する。これはcaled(硬い)+bwlch(切っ先、溝)の意味であるという<ref>R. Bromwich and D. Simon Evans, ''Culhwch and Olwen. An Edition and Study of the Oldest Arthurian Tale'' (Cardiff: University of Wales Press, 1992), pp.64-5</ref> 。この剣は、[[タリエシン]]作とされる詩『アンヌヴンの略奪''(Preiddeu Annwfn)''』、および後世に[[マビノギオン]]に集録される『キルッフとオルウェン』(''Culhwch ac Olwen,'' [[1100年]]頃)に名前が見え、後者ではアルスルの最も重要な持ち物の一つとされている<ref>中野節子訳『マビノギオン』JULA出版局、2000年 p.164</ref>。同書ではアルスルの戦士スェンスェアウクが[[アイルランド]]の王ディウルナッハを殺すのに使用している<ref>同 p.206</ref>。同じくマビノギオンに収められた『ロナブイの夢』''(Breuddwyd Rhonabwy)''には、カレトヴルッフと明記されていないもののアルスルの剣が鮮やかに描かれている。
{{Quotation| 見よ、彼は立ち上がった。手にはアルスルの剣を持っていた。剣身には黄金で打ち出された二匹の蛇の姿があって、鞘ばしると、蛇の首から二筋の炎が立ち上るのが見え、それがあまりにも恐ろしいありさまだったので、だれ一人として目を向けて見る者もないほどだった<ref>同 p.225</ref>。(中野節子訳)}}
後に外国の文献(モンマスを基にした『[[ブリュ物語]]』など)が[[ウェールズ語]]に訳される際、カレトヴルッフはエクスカリバー(カリバーン)の訳語として使用された。
 
==カリブルヌスからエクスカリバーへ==