「花はどこへ行った」の版間の差分

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「'''花はどこへ行った'''」(はなはどこへいった、原題 ''Where have all the flowers gone?'')は、世界で一番有名な[[反戦歌]]とも言われるフォークの楽曲である。[[フォークソング#.E3.83.95.E3.82.A9.E3.83.BC.E3.82.AF.E3.83.BB.E3.83.AA.E3.83.B4.E3.82.A1.E3.82.A4.E3.83.B4.E3.82.A1.E3.83.AB|アメリカンフォーク]]の父とも形容される[[ピート・シーガー]]による作詞作曲であり、シーガーの代表作でもある。「'''花はどこへ行ったの'''」と訳される場合もある<ref>2005年に発売されたCD『エッセンシャル・ピート・シーガー』の日本語解説などでは、こちらの表記を採っている。</ref>。
 
最初の録音の後、歌詞の一部をジョー・ヒッカーソン([[:en:Joe Hickerson|Joe Hickerson]])が補った形で広まったことから、シーガーとヒッカーソンの共作ともされる。
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[[1961年]]、[[:en:The Kingston Trio|キングストン・トリオ]]がこの曲を録音して発表した。この曲がトラディショナルであると思っていたキングストン・トリオは、著作権表示に自分たちの名を記したが、シーガー側の指摘を受けて、表示は正された。キングストン・トリオ盤は、翌[[1962年]]にヒットしたが、その背景には、[[アメリカ合衆国]]が[[ベトナム戦争]]に関わり始めたことがあった。
 
[[1962年]]には、[[ピーター・ポール&マリー]]によってもカヴァーされ、こちらもヒットし、この年(つまり初版の実に7年後)以降、同曲は反戦歌として広く親しまれるようになり、現在に至っている。
 
== 歌詞の構成・メッセージ ==
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最後には必ず「いつになったら わかるのだろう」という言葉で締められているため、「戦争がいつまでも繰り返され、いつになったらその愚かさに気づくのか?」というメッセージ、今度こそもう戦争は絶対に止めようという思いを込めて盛んに歌われることとなった。
 
== 世界での有名なカヴァー ==
=== ピート・シーガー ===
原作者[[ピート・シーガー]]によるオリジナルは、[[1956年]]に録音、発売された。バンジョーの弾き語りによる演奏で、歌詞は3番までで終わる<ref>CD『エッセンシャル・ピート・シーガー』スリーブ記載データ</ref>。本来ならば適切ではない表現であるが、後述のように他のグループによる録音のほうが先に大いにヒットしたため、制作者のオリジナルが逆に「[[セルフカヴァー]]」と誤解されていることも多い。
 
現在このバージョンは、シーガーの『希望と闘争の歌(原題: IF I HAD A HAMMER: SONGS OF HOPE & STRUGGLE)』、『エッセンシャル・ピート・シーガー』等のCDで聴くことができる。
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=== ピーター・ポール&マリー ===
女性ヴォーカルをフィーチャーした[[ピーター・ポール&マリー]]によるカヴァーは、日本において最も有名なカヴァーバージョンといえる。この楽曲が「反戦歌」として定着したのはこのグループによるところが大きいといわれる。彼らは、ベトナム反戦運動の中でこの曲を積極的に取り上げて歌唱していた。音源としては、[[1962年]]のファーストアルバム『ピーター・ポール&マリー』などに収録されている。3番の歌詞で取り上げている対象が「若い男」から「夫」に変わっている。
 
=== ザ・ブラザース・フォア ===
キングストン・トリオ同様、西海岸のグループであった[[ザ・ブラザース・フォア]]は、比較的早くから何度も来日し、日本での人気が高かった。日本ではピーター・ポール&マリーとともに有名なカヴァーバージョンの一つで、「グリーンフィールズ」と並ぶ彼らの代表曲の一つでもある。多くのベストアルバムに収録されている。また、ピーター・ポール&マリーと同様に、3番の歌詞で取り上げている対象が「若い男」から「夫」に変わっている。
 
=== コニー・マ・ボス ===
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 5 アカプルコの海 / エルヴィス・プレスリー
 
== 日本でのカヴァー ==
=== ザ・リガニーズ ===
[[ザ・リガニーズ]]によるもの。[[おおたたかし]]の訳詞。[[1966年]]発表。おそらく、日本で最初の同曲のカヴァー音源と考えられる。以後、日本の「花はどこへ行った」といえば、一部を除きほぼ全てがこの、おおたたかし の訳詞で歌唱されている。
 
=== ザ・フォーク・クルセダーズ ===
[[ザ・フォーク・クルセダーズ]]も同曲をカヴァーしている。しかし、これは2002年の新結成時であり、同年に発表された新作「戦争と平和」内で原詞のままで歌われている。歌唱は[[加藤和彦]]、[[北山修]]、[[坂崎幸之助]]ら、当時のメンバー全員で歌われている。全体的に構成はシンプルにまとめられており、フォークルらしいアレンジに仕上がっている。因みに、トラック上はこの楽曲の次に「[[花~すべての人の心に花を~]]」が来るように意図的に構成されており、アレンジもそのまま似せている。
 
=== Yellow Magic Orchestra ===
[[テクノポップ]]バンド[[イエロー・マジック・オーケストラ|Yellow Magic Orchestra]]は1980年4月に雑誌[[写楽 (雑誌)|写楽]]主催のコンサートにおいてカヴァー演奏している。しかし、テクノポップ調への編曲・アレンジなど行わず原曲・原詩に忠実なフォーク調でのカヴァーとなった(同コンサートでは他のYMO楽曲もフォーク調で演奏しており、テクノポップでのコンサートを期待していた観客から野次が飛んだ)。なお、このコンサートは事前に録音しておいた楽曲を流し、ステージ上でのメンバーはアテブリであった。この音源は1999年に発売されたYMOのベストアルバム『[[YMO GO HOME!]]』にレアトラックとして収録されている。
 
=== Mr.Children ===
[[Mr.Children]](略称「ミスチル」)もカヴァーしている。但し、こちらは原詞から大幅に意訳されており、反戦歌というよりは社会風刺曲へと変化している。訳詞は[[田原健一]]、アレンジは[[小林武史]]。本来は「[[innocent world]]」のB面としてシングルカットされるはずの楽曲であったが、意訳があまりにも本来の意味とかけ離れていることからカヴァーとして認められずお蔵入りとなった。発売前に関係者に配られたイノセントワールドの販促用カセットはこの曲がカップリング曲として収録されていた。
 
なお、この楽曲は『[[HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP]]』でも一度限り完成版が披露され、Mr.Childrenの未発表曲としてはメジャーデビュー後唯一「テレビで演奏された」未発表曲でもあり、1994年~1997年ごろまではライブレパートリーとしても時折演奏されていた。