「キルト (衣装)」の版間の差分

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'''キルト'''(kilt)は[[スコットランド]]の[[スカート]]状の伝統衣装。通常は[[タータン]]柄である。キルトは[[英語]]名で、[[ゲール語]]ではフェーリア(Feileadh)と呼ばれる。
 
== 概要 ==
キルトに関する最古の記録は[[ヘブリディーズ諸島]]における[[1594年]]の記録といわれ、それ以前のことはわかっていない。
 
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これに対し、現在一般にスコットランド全域で[[民族衣装]]として着用されているものはひだのある[[スカート]]状に縫われており、単にキルト(Kilt)或いはフェーリア・ベック(Feileadh Beag)と呼ばれている。フェーリア・ベックは18世紀に作られるようになったものであり、1727年にイングランド人トマス・ローリンソンが考案したという説もある。この新しいキルトは装着が簡便なことから急速に普及した。現在の長さは膝頭あたりまでで、前にスポラン(Sporran)と呼ばれるバッグを提げるのが通例である。スポランはゲール語で財布を意味する。
 
== 歴史 ==
18世紀中盤以前のハイランドではキルト=フェーリアを普段から身に着けることは一般的だったが、ハイランド人がみなキルトを着ていたわけではなく、ズボンの類を着用していた記録も少なくない。
 
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18世紀末になって伝統復興のために禁止令撤廃を求める運動が起こり、1782年に撤廃された。しかし、この運動ではフェーリア・ベックは伝統衣装とは見なされず、フェーリア・モールが復興の対象となる伝統衣装とされていた。そして、フェーリア・ベックが伝統衣装として着られるようになったのは、1820年に創立された”エジンバラ・ケルト協会”が伝統衣装と認めてからである。
 
そして、現在のスコットランドにおいてはハイランド、[[ローランド地方|ローランド]]を問わず、キルトは催しや祭礼で用いられる民族衣装となっており、最近は女性も身に着けるようになった。ほとんどの場合はフェーリア・ベックであるが、フェーリア・モールを好んで着る人も見受けられる。軍隊でのキルトは、[[ダンケルクの戦い]]に於いて[[ロイヤル・スコットランド連隊#第78連隊|クィーンズオウン・キャメロン・ハイランダーズ]]連隊が着用したのを最後に戦場では着られなくなったが、現在でもスコットランドの連隊の正装や礼装及び常装には使用されている。

また、近年は無地、或いはタータン以外の柄を用いたカジュアルなキルトを製造するメーカーも現れ、ポケット付きのものも存在する。
 
スコットランドではフェーリア・モールとフェーリア・ベックのいずれもキルトと認識され、伝統的衣装と考えられているが、フェーリア・ベックの伝統性をその18世紀に始まる起源から疑問視する向きもある。日本ではフェーリア・モールはベルテド・プラッドとして区別され、キルトではないとされることがある。
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File:US Army 51777 Pipes and Drums.jpg|ロイヤルスチュアートタータンのキルトとプラッドを身に着けて行進する[[スコッツガーズ]]パイプ隊。
File:US Army 51769 Pipes and Drums 5.jpg|踊る[[スコッツガーズ]]パイプ隊。左の写真と併せると、プリーツは”ナイフプリーツ”であることがわかる。右の兵士の腰には”キルトロゼット”が見える。
File:US Army 51768 Pipes and Drums 4.jpg|後ろから見たところ。プリーツ部分の柄合わせは”レジメンタルプリーティング”と呼ばれる方法であり、ナイフプリーツと共に軍隊では標準的な軍隊用キルトの仕様である。
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== 参考資料 ==
* 奥田実紀 『タータンチェックの文化史』 白水社、2007年5月。ISBN 9784560027998。
* Michael Barthorp,New Orchard Editions by Poole, Dorset (1982). British infantry uniforms since 1660. New York, N.Y.: Distributed by Sterling Pub. Co.. ISBN 978-1-85079-009-9.
* David Griffin (1985). Encyclopaedia of modern British Army regiments. Wellingborough: P. Stephens. ISBN 978-0-85059-708-0.
 
== 外部リンク ==