「フザリウム」の版間の差分

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特に''F. oxysporum''は、作物ごとに寄生性が分化した群が存在し、それぞれの群ごとに特定の作物に萎凋性病害を引き起こす。フザリウムによる萎凋性病害が大きな問題となる作物には、[[トマト]]、[[バナナ]]、[[ワタ]]、[[サツマイモ]]、[[マメ科]]作物、[[ウリ科]]作物、[[アブラナ科]]作物などがある。
 
腐敗させるタイプのものは、ペクチン分解[[酵素]]により細胞壁を溶解させたり、[[マイコトキシン]]の分泌により[[細胞膜]]の透過性を阻害させたりして、組織を壊死させることにより症状を引き起こす。代表的なものには、''F. oxysporum''による [[タマネギ]]の[[乾腐病]]、''F. solani''複合種による[[ジャガイモ]]の乾腐病、[[エンドウ]]の根腐病などがある。また、''F. graminearum''や''F. asiaticum''、''F. culmorum''による[[穀類]]の[[赤かび病]]は、作物の組織を殺すのみならず、後述のように[[マイコトキシン]]を産生し、人畜の健康被害をもたらすことで問題となっている。
 
また、[[イネ馬鹿苗病菌|イネばか苗病]]は、イネの苗が徒長するもので、病原菌は''Gibberella fujikuroi''(不完全世代:''F. fujikuroi'')である。この種は植物の生長ホルモンの活性がある[[ジベレリン]]を分泌するため、イネの生長が異常になるのである。