「シュワルツローゼ重機関銃」の版間の差分

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|名称=Schwarzlose MG M.07/12
|種類=重機関銃
|製造国=オーストリア・ハンガリー帝国{{AUT1867}}
|設計・製造=ステアー社
|種別=[[重機関銃]]
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|全長=945mm
}}
'''シュワルツローゼ重機関銃'''(シュワルツローゼじゅうきかんじゅう、Schwarzlose MG M.07/12)は、[[オーストリアハンガリー帝国]]で開発された[[重機関銃]]である。
 
==開発経緯==
基本形は[[1902年]]に[[オーストリア]]人のアンドレアス・ヴィルヘルム・シュワルツローゼが設計を行い[[オーストリア・ハンガリー帝国]]の[[ステアー]]社に提出、その3年後の[[1905年]]からステアー社で生産が開始された物である。その後[[スウェーデン]]の[[カールグスタフ]]社でも[[ライセンス生産]]が開始され[[1907年]]にはオーストリアハンガリー帝国軍の制式重機関銃として採用されている。
 
基本構造は[[マキシム機関銃|マキシム重機関銃]]を参考に銃身の冷却に[[水冷]]式を採用、当時他国で使用されていた水冷式重機関銃に比べて水冷機器部分が短く作られている。使用[[弾薬]]は8mmx56Rで知られる口径7.92mmのリムド弾、250発の布ベルト給弾で発射機構は遅延反動式(ブローバック)を採用している。発射速度は初期のシュワルツローゼは400発/分であったが改良型では880発/分まで向上している。また対空射撃に使用出来るよう[[三脚]]部分の高さを調節することで可能となる。運用には通常3名以上で行われる。(指揮観測手・弾薬手・射手)
 
基本構造は[[マキシム機関銃|マキシム重機関銃]]を参考に銃身の冷却に水冷式を採用、当時他国で使用されていた水冷式重機関銃に比べて水冷機器部分が短く作られている。使用[[弾薬]]は8mmx56Rで知られる口径7.92mmのリムド弾、250発の布ベルト給弾で発射機構は遅延反動式(ブローバック)を採用している。発射速度は初期のシュワルツローゼは400発/分であったが改良型では880発/分まで向上している。また対空射撃に使用出来るよう[[三脚]]部分の高さを調節することで可能となる。運用には通常3名以上で行われる。(指揮観測手・弾薬手・射手)
シュワルツローゼ重機関銃はその後次々と改良され、7.0mmの防弾盾を取り付けたタイプ、二輪車などに取り付けることが可能なタイプや三脚から二脚に変更した物、さらに[[1917年]]にはシュワルツローゼを航空機用機関銃に改良した物や、艦船用対空機銃に改良された物など多くのタイプが誕生している。ただし航空機用に開発されたシュワルツローゼは、登場時は射撃時のプロペラ同調<ref>当時航空機の固定機関銃は[[プロペラ]]部の後方に配置されていた為、射撃する際には弾丸がプロペラ部に当たらないようにプロペラの回転数と機関銃の発射速度を調節させる方法が取られていた。</ref>に不具合が生じたためか、高評価は得られなかった。(後にこの不具合は解消)
 
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(記述している型番以外にも存在あり)
*M.07・・・初期生産型シュワルツローゼ重機関銃
*M.07/12・・・M.07の改良型。主にオーストリアハンガリー帝国軍の標準重機関銃として使用された
*M.07/31・・・
*M08・・・
*M08/13・・・[[オランダ]]及び[[ギリシャ]]輸出型。6.5mm弾を使用出来るように改良
*M08/15・・・二輪車等に搭載出来るように改良、M08/13同様6.5mm弾を使用
*M.14・・・使用弾薬を[[スウェーデン軍]]標準の6.5mm弾に改良した物。生産は[[スウェーデン]]のカールグスタフ社で行われた。総生産数は1,250丁とされる
*vz24.07・・・[[チェコスロバキア]]で改修されたタイプ。7.92x57mm弾を使用
*MG07/12・・・[[ナチス・ドイツ]]側の[[鹵獲]]名称。2戦級部隊に配備された
 
この他にも冷却装置を長く改良した物が[[イタリア]]で第二次世界大戦中も使用している。
 
この他にも冷却装置を長く改良した物が[[イタリア]]軍で第二次世界大戦中も使用している。
==車載装備==
[[イタリア]]から[[L3|CV33]]及び[[L3|CV35]]軽戦車がオーストリア・[[ブルガリア]]に輸入された際、機銃をシュワルツローゼに換装している。
 
==その後==
[[第一次世界大戦]]中、オーストリアハンガリー帝国軍の歩兵連隊などで使用されたシュワルツローゼ重機関銃は威力・安定性から前線兵士からは非常に頼れる機関銃であった。その為大戦後、オーストリアハンガリー帝国が解体するとその後誕生した新国家間では引き続き軍隊ではシュワルツローゼ重機関銃は使用され、各国の標準重機関銃として活躍した。

また[[第二次世界大戦]]中には[[フィンランド]]が[[冬戦争]]や[[継続戦争]]でカールグスタフ社から購入したM/14タイプを最前線で使用し、ナチス・ドイツでも[[オランダにおける戦い (1940年)|オランダ占領]]時に捕獲した本銃を「MG07/12」と命名し、[[国民突撃隊]]など2戦級部隊や同盟国であった[[ハンガリー]]などに供給を行っている。
 
== 注釈 ==