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'''寒色'''(かんしょく)は、[[色]]の種類で、[[視覚]]から寒い印象を与える色。[[青]]、もしくは青に近い色から受ける。比較的後退して見えるので、別名を'''後退色'''という。
== 寒色の効能 ==
寒色は視覚的に[[副交感神経]]に作用し、[[興奮]]を鎮めたり[[食欲]]を減退させる[[効果]]を持つとしてカラーマーケティングの現場で利用される。
実際に、[[室温]]や[[間取り]]などの[[条件]]が同じ部屋に何人かの被験者に出入りしてもらうという[[実験]]では、寒色系の[[壁]]の部屋のほうが体感温度が2~3度低いという結果が出た。
[[銀行]]や[[病院]]の[[待合室]]に寒色系の色が使われることが多いのは、[[時間]]を短く感じさせる効果(鎮静作用)を狙ったものであると同時に寒色系等の色が誠実さや清潔さを感じさせるからという理由が大きい。[[紳士服]]の売上では就職試験に出向く男性学生の[[背広]]で最も売れ行きがいいのが[[紺色]]で、[[警備員]]や[[警察官]]の[[制服]]の色も[[日本]]に限らず[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[フランス]]など多くの国は寒色系である。
こうした効能はかなり文化的な影響を受けており、たとえば[[ヨーロッパ]]では[[15世紀]]に至るまで青は[[暖色]]だったし、[[ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ|ゲーテ]]の時代でも青には温かいイメージがあった(ミシェル・パストゥロー『青の歴史』)。また、古代日本においては寒色(陰)と暖色(陽)の境目は現在は暖色である[[黄色]]と[[橙色]]の間に設定されていたという説がある。
燃焼時の発色が[[赤]]や橙色といった暖色系の色の[[炎]]よりも青や[[水色]]といった寒色系の色を出す炎の方が高温である。
暖色/寒色といった人間の[[感覚]]とちょうど反対なので注意する必要がある。
== 関連項目 ==
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