「大和言葉」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
КОЛЯ (会話 | 投稿記録)
微修正、冗長・主観的記述を除去
40行目:
桐壺の更衣に先立たれた帝が、[[白居易]]作の『[[長恨歌]]』の内容をあらわした絵を明け暮れ眺めていたということであるが、ここではその絵に書き付けられた和歌を「大和言の葉」と称している。これはこの文脈であれば「言の葉」だけでも和歌の意味で通じるが、「唐土の歌」すなわち[[漢詩]]と対照させるための表現である。つまり日本のものであろうと唐土のものであろうと、ということである。<!--『[[古今和歌集]]』の仮名序にはその冒頭に、「やまとうたは人の心をたねとして」とあり、その文中で漢詩を「からのうた」と称しているのも、「から」(唐)に対する「やまと」(日本)固有のものであると主張するために、このように表現している。-->このように平安時代までの「やまとことば」という語には「日本語で使われてきた固有語」という意味の用例はない<ref>『日本国語大辞典第2版』に挙げられた用例は中世以降のものである。</ref>。なお現在「やまとことば」と同意義とされる「和語」についても、やはり「和歌」の意味で使われる例が見られる。
 
しかし時代が下ると、「やまとことば」は「和歌」という意味から転じて「雅語」の意味で使われるようになり、さらに[[宮中]]や[[幕府]]などの上流階級の婦女子が使う言葉を指すようになる。これを「[[御所言葉]]」(女房言葉)ともまた「女中詞」とも称した。この女房言葉を意味する「やまとことば」に関わるものとして、[[室町時代]]末期か近世のごくはじめには成立していたといわれる『大和言葉』という書が作られており、ある。これはほんらい和歌や[[連歌]]を作る詠む際の雅語を集めた辞書であったが、次第に女性が使う言葉の用例、すなわち女房言葉を集めた教養書として女性に読まれるようになった。のちにこの『大和言葉』の内容を増補した『増補大和言葉』というものも出版されており、これは[[江戸時代]]末期に至るまで版を重ねている。
 
==注==